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『保育園・幼稚園・こども園の設計手法』仲綾子さんに聞いた「いま気になる人・コト」

4月から新学期。進学など、新たなステージに進むお子さんがいらっしゃる方々も多いのではないでしょうか。
今回は、『保育園・幼稚園・こども園の設計手法』編著者で東洋大学ライフデザイン学部准教授の仲綾子さんに、いま気になっている話題をお聞きしました。
保育園・幼稚園・こども園の基礎知識と、計12事例の設計プロセスを詳解している本書。制作当時は編著者として実際に現地に訪問され、その後も様々な「こども環境」を見続けてこられました。
また以前はご自身でも、仙田満さん主宰の環境デザイン研究所にて、保育園やこども病院などの設計を担当されています。

――最近、「こども環境」関連で注目されている話題はありますか?

赤ちゃんの環境に関心があります。妊娠中・産後1年未満の女性の死因で最も多いのは自殺という研究結果があり、深刻な事態です。

妊娠出産から子育て支援をシームレスに繋ぐフィンランドのネウボラのようなしくみは日本でも導入されていて、埼玉県・和光市などの先進事例がありますが、建築の力で何ができるかを考えているところです。

――和光市にはネウボラ課があるんですね!
同じ埼玉県の宮代町は、「みやしろで育てよっ」の取り組みなど、親自身を孤独にさせないという情報面でのサポートが充実している印象があります。
一方コロナ禍では「青空教室」のように世界中で屋外授業が増えたようですよね。

――「こども環境」のつくり手として注目されている方はいらっしゃいますか?

建築家の安宅研太郎さんにはずっと注目しています。

狭山ひかり幼稚園」を見学して以来のファンですが、その後、「かがやきロッジ」を設計され、さらに、こどもを対象にした「かがやきキャンプ」が建設中です。ご本人にもお伝えしていますが、大ファンで、目が離せません。笑

――「狭山ひかり幼稚園」はまさに、本書のカバー写真ですね!
本書の制作中、仲先生はじめ制作陣でこの写真をカバーに選んだとき、子どもたちの可愛さに一同ときめいてしまいました。本書では安宅さんにもご執筆いただいていますが、園長先生の「建築だけで遊べるってすごいな!」という感想が印象的でした。

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――では最後に、何か告知があればお願いします!

建築学会で「子どものまち・いえワークショップ提案コンペ」の応募案を募集しています(締切6/18)。

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これは、こどもが建築を学ぶワークショップの企画を学生が提案するコンペです。今年度はじめてオンラインで開催するので、首都圏以外の方にも参加しやすくなりました。審査員長は山梨知彦さん(日建設計)です。関心のある方はぜひウェブサイトをご覧ください。

――ありがとうございました! 仲綾子さん、藤田大輔さんの編著書『保育園・幼稚園・こども園の設計手法』詳細はこちら👇

(編集N・K)

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