マガジンのカバー画像

書店に風は吹いているか

45
「この20年で変らなかったのは、本への思い入れを読者に伝えようとし続けた書店員たちの存在である。彼ら、彼女たちがこれからも書店を支え続けるのである。・・・」 学芸出版社営業部の名… もっと読む
運営しているクリエイター

2017年11月の記事一覧

イントロダクション

イントロダクション

 我が家にはパソコンがない。ネット書店を利用することはない。よって妻は近くの書店で本を探している。しかしその書店には妻が欲しい本がある確率は極めて低い。

 5年ほど前のことだ。宮部みゆきの「ソロモンの偽証」が発売された時のことである。第1部と第2部を併せて買ってきた妻は「1部と2部の発売間隔を見ると第3部の発売は今週に違いない。」と言う。

 運転免許証を持たない妻は遠方の書店に行く時は僕の力を

もっとみる
変らなかったものは?

変らなかったものは?

 書店の経営が悪化しつつあった頃、「売れる書店はこうだ」を書いた。巨大書店が全国に乱立し始め、人員整理によるコスト削減が乱暴に行われ、POSレジが当然のようになりつつあった時代である。

 それから20年近くが経過した。

 その間に廃業した書店の数はどれくらいになるのだろう。売上げは激減した。生き残った書店は「売れる書店」だったはずである。また売れないがコスト削減で生き残った書店もあっただろう。

もっとみる