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【外苑前野球ジム】動作解析プランから紐解く投球動作~軸脚による体重移動~part2

前回のnoteにて、「体重移動」の際の軸脚の使い方に関して説明しました。

簡単にまとめると、「軸脚は股関節の外転と膝関節の伸展が大事である」ということでした。

では、軸脚の股関節外転と膝関節伸展をジャンプのように素早くやればいいかというとそうではない。

軸脚は、大きな速度で伸展して身体を投球方向に押し出すというよりも身体を支持し、スムーズに下降させるような働きをしている²⁾³⁾と考えられています。

この身体を支持するとは、一体どういうことなのでしょうか

股関節の外転がうまく出せず、ステップ幅を確保しようとすると、写真のように体幹がいわゆる「突っ込んだ」状態になってしまいます。

つまり、股関節の外転を行う際に、体幹を軸脚側に傾けることが必要になります。

蔭山雅洋ら(2015)は、高速群は、体幹を軸脚側に傾けながら、股関節の外転および内旋による力発揮によって維持し、投球方向へ上体が突っ込まないような抑制する働きを行っていると考えられる¹⁾と報告しています。

しかし、ここで注意して見たいのが、体幹を軸脚側に傾ける意識が強すぎて、股関節の外転が十分に出せないことです。

軸脚の外転が十分でない状態で、ステップ幅を確保しようとすると、ステップ脚(右投手の左脚)が本来の動作よりも先行して、いわゆる「体重移動」がないまま回転運動が行われます。

投球動作とは、投球方向への並進運動エネルギ―と回転運動エネルギーによって成り立っています。

しかし、上記のような状態で投球すると、並進運動エネルギーが少なく、ボールに伝達することができるエネルギー量が少なくなってしまいます。

その結果、球速が減速する可能性があります。

まとめると、、、

ストライド局面において、

  • 軸脚股関節の外転

  • 膝の伸展

  • 体幹の軸脚側への側屈

が下肢から体幹までの動作において注視しておくといいでしょう。

1)蔭山雅洋, 鈴木智晴, 杉山敬, 和田智仁, & 前田明. (2015). 大学野球投手における下肢関節の力学的仕事量と投球速度との関係. 体育学研究 , 60(1), 87-102.
2)島田一志, 阿江通良, & 藤井範久. (2000). 野球のピッチング動作における体幹および下肢の役割に関するバイオメカニクス的研究. バイオメカニクス研究= Japanese journal of biomechanics in sports & exercise: 日本バイオメカニクス学会機関誌/「バイオメカニクス研究」 編集事務局 編, 4(1), 47-60.
3)House, T. R. (1983). A contemporary guide to pitching a baseball. San Diego School of Baseball.

自分も1度このような動作解析を受けてみたいという方はぜひ上記よりお申し込みください!お問い合わせもお気軽にご連絡ください。

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