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アウトドアが脳の発達につながる!

こんにちは! 金沢市で活動をしているNPO法人ガイア自然学校です。主に子どもたちが参加できる外遊びを企画・実施している教育系の団体です。本noteは、ガイア職員が、

・子どもと関わる上でガイアが大切にしていること
・「センスオブワンダー」なエピソード
・各プログラムの紹介
・学生ボランティア(通称Gリーダー)の育成

などを発信していく場として立ち上げました。

今回は、ガイアが子育て支援としても行っている「森のようちえん」についてお話します。

そもそも「森のようちえん」って?

「森のようちえん」とは、自然体験活動を中心とした乳児・幼少期教育の総称です。森という名前が付いていますが、活動場所は森に限定されません。また、ようちえんとありますが、保育園や学童保育、自然学校子育てサロンなども含まれ、およそ0~7歳くらいまでの乳幼児を対象とした自然体験活動を指します。
(NPO法人森のようちえん全国ネットワーク連盟HP参照)

「森のようちえん」の設立に細かい規定はないので、運営者によって自然体験活動の内容や人数、フィールドなどは異なります。その中で多くの団体に共通する事項を、広義の「森のようちえん」としています。

「森のようちえん」の歴史については、『森のようちえんの遊びと学び 保育・幼児教育の原点ナチュラル・キンダーガーデン』(金子龍太郎・西澤彩木、かもがわ出版、2019年)に詳しく述べられています。

歴史をたどると、1840年にドイツの教育学者フレーベルが「キンダーガーデン」を創設したことと関連がありそうです。

「キンダーガーデン」は自然の中で子どもの自発性を重視し、遊びを通して世界を学ぶことを目的として創られた幼児学校。

当時のドイツの幼児学校は、集団で教育・指導・授業を行うことが一般的だったそうなので、「キンダーガーデン」は真逆のやり方で行っていたことがわかります。

1954年にはデンマークの一人のお母さんが自分の子どもを森につれていって遊ばせ、それが「森のようちえん」のはじまりのようです。

その後ヨーロッパで「森のようちえん」が広まり、公的な保育制度として確立しているそうです。


幼少期の外遊びが、脳の発達や心の成長につながる!

室内遊びよりも外遊びの方が、何となく子どもの成長にとって良い影響があるんじゃないか…と思われる方は少なくないと思います。

実はアンケート調査や脳の研究によって、自然が子どもにとって良い影響を与えることがわかってきているのです!

独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センターが、2004年に実施したアンケートによると、

自然体験が多いと…
・自然体験に対してポジティブなイメージ
・課題解決能力が高い傾向
・他人と協力したり、悩みを聞いてあげたりなどコミュニケーション力が高い傾向
・体力に自信がある子どもが多い傾向
・環境問題に関心がある子どもが多い傾向
・ボランティア活動が豊富である傾向

自然体験が少ないと…
・自然体験に対してネガティブなイメージ
・虫さされや水洗トイレがないことが気になりがち
・課題解決能力が低い傾向
・コミュニケーション力が低い傾向
・体力に自信がない子どもが多い傾向
・ボランティア活動が少ない傾向

ということがわかりました。

この調査では、約6万6000人の小中高校生を対象に行われたそうです。データの母数としては多く、信頼性の高い結果と言えそうです。

(こちらのサイトのPDFに詳しい調査結果が掲載されています。)


また、アウトドアグッズでおなじみのブランド「Coleman」のホームページにも、興味深い研究が載っていました。

では、野外での体験が少なくなると、どのようなことが起こるのでしょう。環境先進国・スウェーデンの大学教授は、こんな分析をしています。
世界的にデジタルの波が押し寄せた1980年代以降、ゲーム、ビデオ、パソコンなど、子どもたちが外へ出なくても楽しめるものが急増します。そんな環境のなか、外で泥だらけになって遊ぶことがないまま、大人になっていった30歳までの人たちを対象に統計をとってみると、他者との関わり合いが非常に苦手で、相手を認めることをせず、争いばかり起こす大人が圧倒的に多かったそうです。


『アウトドア育脳のすすめ 脳科学者が教える!子どもを賢く育てるヒント』(瀧靖之、山と渓谷社、2018年)では、人間の脳の発達において自然体験がいかに良い影響を与えるかを述べています。


脳の発達には、運動・好奇心・コミュニケーションが重要であり、自然体験はその3つの条件を満たしているといいます。

①運動
平らなコンクリートとは異なり、自然のままの地面はやわらかかったりデコボコしていたり障害物があったりと様々です。さらに、天気や季節によって状態は変わります。

デコボコの道をバランスをとって歩いたり、岩や木をつかんで登ったりすることで、人工の平らな道を歩くだけでは使わない筋肉を微細に操ることができるようになります。

身体の動きを司る脳の場所は運動野と呼ばれ、3~6歳頃に発達のピークを迎えるそうです。様々な筋肉を動かすことが、脳の発達に良いそうです。

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②好奇心

自然は無限に広がり、日々変化する多種多様なフィールドです。夕立の後に虹が見えたり、見たことがないチョウチョが飛んできたり、何が起こるかわからない面白さがあります。

どんなに現物に見えるくらいきれいに映るテレビが開発されても、子どもの前では本物の自然にはかないません。視覚だけでなく、聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五感をフル総員して、興味あるものに近付くからです。

「もっと知りたい」という好奇心によって、脳の神経細胞が張り巡らされ発達していくそうです。好奇心は2歳頃から高まり、10歳頃までに固まっていくそうです。

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③コミュニケーション

子どもと一緒に自然の中に入っていくと、色んなタイプの子どもがいることがわかります。虫や動物に興味がある子、足元の植物に興味がある子、石に興味がある子、身体を動かすことに興味がある子…。

それぞれ自分の興味があるものの、誰かが何か発するとそちらに近付く子は一定数います。

先日、ガイアの学童に通っている子が「ヘビがいた!」と叫ぶと、一気に十数人の子どもたちが駆けつけてきました。そして子どもたち同士で、どこで見たとかどんな特徴だったとかを話し合うのです。

コミュニケーションや感情、思考などを司るのは前頭前野と呼ばれる場所で、小学校高学年頃から発達するそうです。様々な人と関わることでより発達していくそうです。

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その他にも、自然体験によって自己肯定感や思いやり、課題解決能力などが育まれることがわかってきていると述べられています。


「森のようちえん」へおいでよ!

ガイアでは乳幼児さんと保護者さん対象のプログラムとして、平日通園型森のようちえん、休日イベント型森のようちえん「ぽのぽの」、月一開催の子育てサロン「arimama」を行っています。

先述した「アウトドア育脳」の観点から考えても、ガイアのプログラムは子どもたちの健全な成長にぴったりということがわかります。

①運動
自然豊かなフィールドで自由に遊べます。泥んこになって怒る大人はいません。一緒に思い切り遊んで楽しいことを、リーダーは知っているからです。

②好奇心
子どもたちは大人より地面に近いからか、何かを見つけることが得意です。リーダーも一緒に見つめ、その時の嬉しさや興奮を深め合います。

③コミュニケーション
ガイアの「森のようちえん」は、班を作らない「フリーグループ」で行っています。子ども同士でも大人と一緒でも、その場にいる全ての人と関わることができます。

ガイアの自然体験で乳幼児さんは、きっとたくさんの初めてやいろんな気持ちと出会うことになるでしょう。

ガイアで研修を受けている学生ボランティアGリーダーが、一人ひとりの「今、ここ」の気持ちを受け止めてくれます。

「楽しい」「嬉しい」も、「悲しい」「怖い」も、リーダーが分かち合います。だから、まずは気軽に遊びに来てみて下さい。

プログラム参加申し込みはこちらからどうぞ!


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