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境界線のない世界

虹色は何色で表現する?

虹色と聞いて皆さんは色を何個想像するでしょう?
一般的に日本では虹色を7色と表現しますが、これが世界共通の見解ではないことをご存じでしょうか?

国や地域によって色数に違いがある

【虹色・色数・国(文化)】
赤・橙・黄・黄緑・緑・青・藍・紫(8色):アフリカ(アル部族)
赤・橙・黄・緑・青・藍・紫(7色):日本、オーストラリア、フランス
赤・橙・黄・緑・青・紫(6色):アメリカ、イギリス
赤・黄・緑・青・紫(5色):ロシア、(ドイツ)
赤・橙・黄・緑・青(5色):ベルギー、(ドイツ)
赤・黄・緑・青(4色):インドネシア(フローレス島)
赤・黄・紫(3色):台湾(ブヌン族)
赤・黒(2色):南アジア(バイガ族)

※色の並び順は、天から地(外側から内側)。
※同じ国であっても、地域によっては異なる場合もある。
※ドイツのように、文献や資料によって色数が同じ場合でも近似の色があいまいな場合もある。

虹は七色ではない?世界で違う色の見方

虹を見てわかる通りはっきりとした色の境界線はありません。
黄と緑の間を“黄緑”とすることも、逆に青と藍を“青”とまとめることも可能なのです。

人の考え方や思想も色と同じ

おそらく人の考え方も色と同じなんだと思います。
人の数だけ考え方が存在している。
そして理解できる考え方の数も違っているのです。

”緑”という概念が存在しない国の人々に”緑”を理解してもらうことはもちろん難しいです。
逆に”緑”という概念が存在しなくても成り立っている国の人々を、すでに”緑”という概念が存在している国の人々が理解することも難しいのです。

でもだからと言って本来引けるはずのない境界線を引いて逃げていては、いつまでたっても人類は前に進めないのです。

境界線を引いて良し悪しを判断できない

全人類が共通の色数を持っているわけではないため、色に境界線を引いて赤色は良くて青色は悪いといったように判断することは不可能でありナンセンスです。
人間は境界線を引きたがる生き物であることは私も理解しているつもりです。
しかしだからといってその行為を容認するのはもう止めにしたいのです。
いつの時代も多種多様な考えを二元論で両断してきた結果は悲惨なものでした。
今現在ウクライナとロシアは善と悪の境界線で分断されていますが、やはり悲惨でしかありません。

色々な色があるから虹はキレイなんだと思います。
お互いに存在を認め合い、譲歩し、必要なら手を取り合うことが出来れば、キレイなグラデーションをこの世界にも作りだせる。
私はそう思っています。

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