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A・D・O・・・R・・N・O・・・・

 GACCOHは大通りから一筋中に入った住宅街の、車一台がぎりぎり通るくらいの細い道路に面してある。ここはいろんな場所に向かう裏道でもあるので、細い割に、人も自転車も車もそれなりに通る。猫も通る。

 入り口の扉はほぼガラスなので、講座やイベントで人が集まっているときは、外からも中の賑わいが感じ取れるようで、通りすがりの人がガラス越しに覗いていたり、立ち止まって扉に貼ってあるチラシをみていたりする。近所の人からは別の日に「太田さんとこよく人集まってるね」とか「最近どんな講座してるん」と聞かれることもある。そういう時はすすっと説明して、「そんな世界もあるんやね」「そうなんです」とかいった会話をする。

 とはいえ、チラシを見ていた人が中に入ってきたり、近所の人たちがじゃんじゃか講座に参加するわけでもない。それは、GACCOHの前を人が通りすぎていっただけのことだし、隣人との他愛もない会話だ。けれど、自分たちとは別の情報環境を生きる人たちとの、なんとなくの関係(とも呼べないような関係)がジャンルの存続にとって大事なんだと思ってずっとやってきた。興味関心は共有していないかもしれないが、たまたま近くにいたという理由でおこる接触。その境界の設計。

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 集まり賑わうことができない世界では、これまで通りに講座を開くことはできない。そんな時はオンラインでの講座もいいだろう。ただ、おそらくオンライン化された賑わいはそういう人たちの目には入らない。今後、その「関係」をどう確保していくか、いま考えている。

(2020.4.15 太田陽博)

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