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2019 選挙・日本・デンマーク

このnoteを書いているのが7/18。あと3日で第25回参院選が行われる、そんな梅雨の日です。令和最初の選挙でもありますね。令和になってからまだ2ヶ月ちょっとですが、感覚的に「精神性・身体性の過渡期を感じる時代」が令和なのだな、と思っています。選挙でクローズアップされるものも、良くも悪くも「感情」「情緒」が全面に出ているように見えますし、それがメディアに取り上げられてもいるなぁ、と。政治や選挙についてぼんやりと思うことがあったのでそれをnoteに綴っておきます。

【デンマークのリアル選挙体感の日】

このnoteでも何度かデンマーク視察のお話を書いています。そのデンマーク視察でテレビ局を訪れたときのこと。ちょうどその日が「国民投票の日」だったのです。選挙について、ニュース局も活気に満ちていました。デンマークの選挙投票率は抜群に高いのです。

選挙=国民の義務であり、意見が反映される機会

めちゃめちゃ正論であり理想論みたいなことが書いてあります。で、実際がどうなのか?視察したテレビ局で僕たちを迎えてくれた、笑顔が素敵でソプラノボイスで今にも歌い出しそうな…そう、まさにFat Mamaみたいな女性職員(失礼…)に質問してみました。

ソガ氏「実際に選挙ってみんな関心があるんですか?」(←通訳してくれてます)

ママ「そーねぇ。うん、みんな投票に関心がある。それこそ10歳の女の子でも。自分たちが通う学校についてどうしても言いたいことがあって、学校の前でストライキをやっている子達もいたわよ。自分たちにも投票権があるべきだって。」

さすが!聞いてはいたけど本当なのね。投票についての報道番組も、公共性・平等性・一人一人の民意というのをすごく気にしているみたい。具体的には・・・

・あるテーマについて賛成側と反対側は同じだけ喋ってもらう

・全政党参加の討論番組を設定する

・番組の時間配分も異なる意見が同じバランスになるように編集する

・メディアは「あらゆる考え方を見せる」ことが最大の役割

こういうことをすごく気にして番組を作るのだとか。日本もそういう配慮があるような無いような…。面白いな、と思ったのは中学の授業で政党の違いを学び議論する授業があったり、高校に政党候補者を招いて討論する機会があったりするということ。義務・伝統と感じる、それが当たり前とするための環境があるのです。そしてもう1つ「なるほど!」と思ったこと。

ソガ氏「ぶっちゃけ投票に迷うこともあるはずなのに、何でそれでもこんなに投票率が高いのですか?」(←これも通訳してくれています)

ママ「それは投票に行くのが伝統だからよ。それにね、白紙で投票する若者もいるの。それは“投票する先がわからない”“今回はどこも投票先がない”という意思表示でもあるの。自分の意見をしっかり示しておくことは大切なことでしょう?」

デンマークの人と話すといつも「私とは何者か?」という問いが生きることの軸になっていることをすごく感じるのです。選挙もまさにその軸が確立してる。だからこそ投票は自己表現の一部なのでしょうし、ゆえに率が高いのでしょう。

【日本での選挙って・・・】

翻って日本での選挙ってどんな位置付けなんでしょう?なんか議論とか自己表現以前に課題がある気がしてなりません。

・若者の選挙離れが課題だ!

・いや、大人も歩み寄っていないのが問題だ!

・え、選挙の話?意識高い系ですか?(苦笑)

・ていうか投票の仕組みがめんどくせぇ!これじゃやる気が失せる!

・そんなことよりも消費税増税されても生活困るわ!

どれも分からなくはないのです。ですが…。政治以前の話な気がするのです。それに政治・選挙・投票というとすぐに「もうその話よくない?」「ていうか選挙行こうって…どっちよりなの?(笑)」と、なんか気まずいムードになることが多くないですか?何党支持とか以前に。どっちよりとか以前に。(そもそも僕は選挙行こう!なんてまず言いません)

意見交換や議論ができない点がデンマークと決定的に違うな、と思うのです。別にデンマークが良いとか、日本がダメとか決めつけるつもりもないですが。もっと「ライト感覚な特別イベント」として話し合えたら素敵だと思いませんか?例えばこの時期「熱闘!甲子園」とか番組やるじゃないですか?高校野球・甲子園て特別なイベント。でも変に身構えることなく「あぁ、今年もこの季節がやってきたねぇ」と話し合える。別に熱心に高校球児の話をしても白い目で見られることは無い。僕はそのくらいの感覚で政治・選挙を語り合うくらいで良いのかな、と思います。高校野球の良いところって、詳しく選手のことを知らなくても楽しめる。エピソードとか聞いてどんな思いで野球をやっていてどんな夢があるのかとか聞けるだけで感情移入して見れちゃいますよね。選挙や政治もエピソードとかストーリーが軸になると良いのだけれども、変な視点で政治家個人に目が向いちゃってる気がします。タレント議員とかその典型。政治家も公約を言うけれど、ストーリーが届かない感じがしています。言う側の問題もあるし、聞く側もストーリーに注目しない。このズレ感が「何だかなぁ・・・」の原因かも。政党に興味なくても、今自分が課題と思っているもの・解決したいことはどんなことで、それはどうしたら解決に向かうと思っているのか?これだったら子供から大人までそれぞれ意見を持っていても何ら不思議はないですし、その言語化することから議論が始まります。それを世代や性別で切らずに語り合える環境から本質的に政治や選挙が始まる。なので、選挙に行くべきか否か、とか若者がどーだ、高齢者がどーだ…と言うことではなく自己表現が豊かになったその先に政治・選挙があると良いなぁ、と思います。

そして最後にもう1つ。冒頭に添付した記事によれば、デンマークもEU選挙では投票率は50%くらいとのこと。「自分たちの声が届かない」と思ったらデンマークの人も興味がなくなるみたいですね(笑)だとすると、まず変えるべきは「規模の仕組み創り」かもしれませんね。地方分権・複数の風の谷を創ること。これが未来の日本が面白くなる鍵かも・・・。

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