【ドバイ便り】はじめに:新天地での再出発
こんにちは、りこです。
ドバイの法律や税法、中小企業支援情報とは別に、わたしがドバイへ来た経緯や感じたこと、日々のリアルなことを記録したいと思いこの「ドバイ便り」というマガジンを作ることにしました。
不定期連載となるかとは思いますが、楽しんで頂ければ幸いです。
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夜明け前のドバイ。
高層ビルの間から差し込む朝日が、砂漠と高層ビルの街を金色に染め上げていきます。
その光景を眺めながら、わたしは感慨深く深呼吸をします。
ここに来てからもう3ヶ月。まだ夢を見ているような気分です。
わたしの人生は、まるでジェットコースターのようでした。
かつてはキャバ嬢やホステスとして夜の世界で生きていたわたしが、気づけば今では行政書士としてドバイに住んでいます。
この変化を、あの暗闇の世界に生きていた当時のわたしは想像すらできなかっただろうと思います。
人生に行き詰まりを感じていた頃に浴びせられた一言
「お前には価値がない」
その言葉で雷に打たれたわたしは、こんな中身のない自分に復讐したい一心で必死で勉強し、宅建を取得しました。
そして人生逆転を賭け、決意した3日後にお店を辞め、ブランド物を売り払い、バーキンを買おうと思っていた貯金で予備校に通い、司法書士試験に挑戦しました。3年半の試験勉強の結果は惨敗。
しかし、その過程で手に入れた行政書士の資格が、わたしの人生を大きく変えることになったのです。
独立後、わたしは必死で営業活動を行い、一時期は年商6000万円を稼ぐまでになりました。
毎日が忙しく、時には疲れ果てることもありましたが、自分の力で這い上がってきたという自負がありました。
そんな日々を送っていたある日、運命的な出会いがありました。
ふとしたご縁があり、初めてドバイを訪れたのです。
そこで目にしたのは、想像を遥かに超える美しい世界でした。
近代的な高層ビルが立ち並ぶ街並み、砂漠の広大な景色、そして伝統と革新が融合した独特の文化。
「こんな美しい世界があるんだ」という感動は今でも鮮明に覚えています。
その瞬間、わたしの心に決意が芽生えました。
「絶対にドバイへ移住する」と。
その決意を胸に、わたしは準備を始めました。
愛着のあった芝浦のタワーマンションを解約し、小さなワンルームに引っ越しました。
会社や仕事を整理し、行政書士という日本での社会的地位さえも手放す覚悟をしました。
全ては、この新しい夢を叶えるために。
友人や知り合いはわたしの決断に驚き、心配する声もありました。
「なぜ順調な仕事を捨ててまで?」
「言葉も文化も違う国で、本当にやっていけるの?」
そんな質問を何度も受けました。
しかし、わたしの心は決まっていました。
ドバイで見た夢は、それほどまでにわたしの心を掴んでいたのです。
準備には約2年かかりました。
その間、少しずつ英語の勉強を始め、ドバイの法律や文化、法律について徹底的にリサーチしました。
同時に、日本での仕事を徐々に整理し、クライアントへの引き継ぎも丁寧に行いました。
時には不安に押しつぶされそうになることもありましたが、ドバイの青い空を思い出すたびに、勇気が湧いてきたのを覚えています。
そして遂に、その日が来ました。
成田空港で最後の日本の風景を目に焼き付けながら、わたしは搭乗口へと向かいました。
スーツケース一つを持って、たった一人でドバイに飛び込んでいく。
不安もありましたが、それ以上に胸が高鳴る気持ちで一杯でした。
ドバイに到着した瞬間、あの感動が再びわたしを包み込みました。
空港を出ると、熱い砂漠の風が頬をなでます。
タクシーに乗り込み、窓越しに見える街並みに、わたしは再び魅了されました。
高層ビルが林立する未来的な景観と、伝統的なアラブ建築が織りなす独特の風景。
それは、まるで異世界に来たかのような感覚でした。
ドバイでの日々は、毎日が新鮮な驚きの連続です。
多国籍の人々が行き交う街の喧騒、エキゾチックな香りが漂う市場、そして夜になると幻想的に輝くブルジュ・ハリファ。
時に困難に直面することもありますが、それさえも新しい自分を作り上げる糧になっています。
言葉の壁は、想像以上にありませんでした。
8割が外国人であり、ときに英語すら喋れない人々が気持ちで行き交う場所。
わたしの拙い英単語を、みんな優しく聞き取ろうと真摯に向き合ってくれました。
地元の人々の温かさに助けられることも多いです。
孤独で、だからこそ助け合い、みんな笑顔で耳を傾けてくれる。
そんな優しさに触れるたびに、この地を選んで本当に良かったと感じます。
仕事面では、まだ模索中です。
日本の行政書士の資格がそのまま通用するわけではありませんが、日本企業のドバイ進出支援や、中小企業向けの資金繰りコンサルティングなど、自分のスキルを活かせる分野を少しずつ見つけています。
毎日が挑戦の連続ですが、その分だけ成長を実感できるのも事実です。
生活面での変化も大きいです。
日本では当たり前だと思っていたことが、ここではそうでないことも多々あります。
例えば、日本より5時間遅いという時差や、ラマダン月の独特な生活リズム、そしてイスラム文化に基づいた習慣に慣れるのには少し時間がかかりました。
しかし、それらの違いを一つ一つ理解していくことで、わたしの世界観は確実に広がっていると感じています。
もちろん、全てが順調というわけではありません。
体調を崩しても頼れる人はおらず、普段日本ですぐ手に入るものが手に入らなかったりして食事に困ったり、そして時々襲ってくる大きな孤独感。
これらの課題と日々向き合いながら、わたしは自分の決断の意味を問い続けています。
しかし、そんな時も、ドバイの街を眺めると勇気が湧いてきます。
この街には、わたしと同じように夢を追いかけてやってきた人々が大勢います。
彼らの存在が、わたしの背中を押してくれるのです。
この「ドバイ便り」では、わたしがなぜドバイに来たのか、そしてこの地で感じたことや経験したことを、赤裸々に綴っていきたいと思います。
ドバイの魅力はもちろん、時には苦労や戸惑いも包み隠さず伝えていくつもりです。
これは単なる異国での生活記録ではありません。
新しい人生を切り拓くための、わたしの挑戦の記録でもあるのです。
そして同時に、リアルなドバイの姿を伝える旅でもあります。
日本で何かに行き詰まりを感じている方、新しい可能性を探している方。
この連載が、皆さんの人生の選択肢を広げるきっかけになれば嬉しいです。
ドバイという新天地で再出発したわたしの物語が、誰かの背中を押す力になることを願っています。
さあ、これから始まる「ドバイ便り」。
砂漠の風に乗って、わたしの新しい人生の軌跡をお届けしていきます。
ドバイの朝日が昇るように、わたしたちの人生にも、新たな光が差し込むことを信じて。