【内閣官房資料「新しい資本主義実現会議」から見る来年の予算と補助金の傾向】
こんにちは、りこです。
さて、今回は内閣官房で10月30日に開催された「新しい資本主義実現会議(第30回)」においてまとめられた 重点施策(案)から、来年に予算が割り振られるであろう業界とポイントについてまとめました。
この資料のポイントは、まず国が来年どの分野に力を入れるかがわかることです。
国の政策は未来の日本です。
この資料を読むことで、わたしは日本の未来を見ることができると思っています。
少なくともこれはあくまで計画で、これがどこまで実現できるか、またもちろん他の要因もあるのでこの通りになるとは言えませんが、それでも自分の国の未来に希望が持てることは幸せなことだと思います。
暗いニュースが多い中、この投稿が皆様の明日への希望となりますように。
それでは、資料よりかいつまんでピックアップしていきます。
1.中堅・中小企業の賃上げ環境の整備
労務費の適切な価格転嫁
・労働費の価格転嫁の促進、下請代金法の執行強化、グリーン、デジタル等の分野を中心に、取引慣行等について新たに実態調査を実施。
付加価値の向上や省力化に資する投資の推進
この章で生産性革命事業について触れられています。
ということは、来年もものづくり補助金、IT導入補助金、小規模事業者持続化補助金、事業承継補助金はほぼ確で出るということになります。
経産省の補助金支援がメインなわたしは一安心です。
支援者用に全文抜粋しておきます。
「中小・小規模企業による生産性向上のための設備投資・IT導入・販路開拓・円滑な 事業承継等を支援する中小企業生産性革命推進事業(ものづくり補助金、IT導入補助金、持続化補助金、事業承継・引継ぎ補助金の4補助金の総称)について、中小企業のDXを強力に促進し、また、その生産性向上と成長を加速する観点から、更なる充実を図る。」
ということであとの文章は早くも消化試合となりますが…ぜひお付き合いください。
・カタログ式の省力化投資補助金の対象機器の拡充等による使い勝手の向上を図る。
→これは現在リリースされている中小企業省力化補助金となります。使い勝手悪すぎるのでわたしはほぼご案内していません…
・業務改善助成金(業務改善のための経費を助成)の充実を図る。
・本年4月から強化された①赤字中小企業の活用を可能 とするための5年間の繰越控除制度の創設、②地域において賃上げと経済の好循環の担い手と期待される中堅企業向けの新たな枠の創設等の内容の周知徹底。
・荷主、物流事業者が荷待ち、荷役時間の削減や倉庫業務の省力化のためにトラック設備、自動倉庫等を導入することを支援。
・保育所等における保育士等の業務負担の軽減等を図るため、業務のICT化等を行うためのシステムの導入等を支援。
・介護ロボットやICT、社会課題解決に資するAI等のデジタル技術を活用した機器、サービス等の活用を推進。
事業承継、M&Aを通じた産業革新
・事業承継引継ぎ支援センターにおいて、後継者不在の中小企業と譲受希望事業者とのマッチングや事業承継計画の策定を支援。
・事業承継税制の特例措置の役員就任要件を緩和。
・金融債権者全員の同意がなくても多数決により金融債務の減額を可能とする法案を国会に提出。
・メインバンク等が事業再構築やM&Aを仲介・支援していく際の経営者保証の解除。
人への投資と労働市場改革の早期実行
・①リスキリングによる能力向上②企業の実態に応じたジョブ型人事③成長分野への労働移動を進める。
・スキル習得講座などを教育訓練給付の対象に追加して支援。
・地域の産学官のプラットフォームを活用したリスキリングの対象に経営者を追加。
・フリーランスの取引適正化及び就業環境整備を図る。
2.成長力に資する国内投資促進による「投資大国」の実現
科学技術・イノベーション
・フュージョンエネルギー、量子技術、医薬品産業、医学系研究、宇宙、海洋のイノベーション技術に対しての投資。
・「富岳」の後継となる優れたAI性能を有する新たなフラッグシップシステム を開発・整備、世界最高水準の計算資源を提供。
・2025年大阪関西万博の会場建設及び機運醸成を進め、会場内の安全確保に万全を期す。
半導体・経済安全保障
・次世代半導体の研究開発及び半導体分野における開発、量産投資を進め、研究開発基盤の整備と人材育成を加速。
・保護活用法の施行に向けた適性評価調査システムの構築、普及啓発、国研や企業による施設整備の支援。
・半導体等について、自律性確保のための国内設備投資等の支援を拡大。
・需要が増加する銅の権益確保のため、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構による出資支援機能を強化。
・研究機関の技術流出対策として研究セキュリティ・インテグリティの取組を強化。
3.GX・サーキュラーエコノミー
GX
・グリーンイノベーション基金を活用し、脱炭素技術の開発を加速化。
・蓄電池の国内製造基盤強化に向けて開発を行う事業者を支援、分散型エネルギーリソースの導入を拡大。
・省エネ効果の高い住宅の新築、リフォームや断熱窓、高効率給湯器への改修を支援。
・工場、事業場の省エネ機器への更新の投資拡大、クリーンエネルギー自動車の導入、充電インフラ等の整備を支援。
サーキュラーエコノミー
・自動車メーカー等の製造業と廃棄物リサイクル業の事業間の連携促進。
・CO2 削減に資する設備、プラスチックを代替する製造設備の導入を支援。
4.DX、AI
DX
・海底ケーブルやデータセンター、光ファイバ、ポスト5G、HAPSの整備。
・地域社会にデジタル技術を実装するためのデジタル人材の確保、AI・自動運転等の取組、地域の通信インフラ整備。
ドローン・自動運転
・タクシーの自動運転の社会実装を加速するための規制、制度の見直しやシステムの整備を推進。
・ドローン航路や自動運転サー ビス支援道の設定、インフラ管理のデジタル化を実施するエリアを拡大。
AI
・AIの安全性向上のための研究開発、検証を推進。
・AI用データセンターの国内整備の促進及び計算資源の高度化。
5.スタートアップ
・自治体が抱える防災、DX等の課題解決に向け公共調達を通じてスタートアップを支援。
・研究開発の社会実装を促進するSBIR制度を推進。
・グローバル・スタートアッ プ・アクセラレーションプログラムを充実。
・エンジェル起業家が株式譲渡益を元手としたスタートア ップへの再投資を行う際の非課税措置について、株式譲渡益の発生年以降の再投資についても対象とする拡充を検討。
6.クリエイター・コンテンツ産業
・クリエイターが安心して持続的に働けるよう取引慣行を是正。
・国内映像制作等に関する事業者については労働基準法の準拠などに配慮した支援制度とする。
・海外向け放送コンテンツの制作、流通を円滑化するためのインターネット配信プラットフォームの海外への配信を支援。
・AIを活用し海賊版を検知することで実効性の高い海賊版対策を構築。
7.農林水産業、観光業の高付加価値化
・スマート農業技術や品種の開発、スタートアップ等による新たな技術開発、事業化を支援。
・輸出先国の規制、ニーズに対応した生産体系、流通体系の転換や生産、流通拠点の整備を推進。
・国内外一貫した戦略的サプライチェーンの構築、食品産業の海外展開等を推進。
・省力化に向けたスマート チェックイン、配膳等ロボット、予約システムの設備投資の支援。
8.資産運用立国の推進
・金融経済教育推進機構において、特定の金融事業者・金融商品に偏らないアドバイスを行う。
・NISAの利便性向上のため金融機関変更時の即日買付が可能となるよう措置を検討。
・iDeCo加入可能年齢の上限の引上げ、資産形成の必要性に応じた拠出限度額の引上げ検討。
・確定給付企業年金や企業型確定拠出年金の運用状況等に係る情報を他社と比較できるよう情報開示を充実。
9.海外活力の取込み
・AZECを含めグローバルサウス諸国において人材育成、高度外国人材の活用を通じ成長市場の獲得や経済安全保障に資する環境整備。
・外国企業を誘致する機能の強化、内外の企業や支援機関の接続の強化、投資誘致戦略策定等を通じた地域の伴走支援、対外発信・広報の戦略的強化。
あくまでざっくりですが、今後国が力を入れていく方向性が見えてきたのではないでしょうか。
気になるジャンルはありましたか?
この他にも社会保障や税制など、問題は山積みですがそれでもこの案を通じて日本がもっと良くなるよう、わたしたちに何ができるのか考えていきたいものです。
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