【Shadowverse】森羅咆哮事前カード評価

0.はじめに

 9/26にシャドウバース新カードパック『森羅咆哮』が追加される。9/19にはプレリリースを控えており、既に全カードはShadowversePortalで公開済である。

 本記事ではプレリリースを明日に控えた『森羅咆哮』のカードについて、事前にカードの強さを予想する。

 カードパックの概説部分については無料、各カードの評価部分については300円の有料記事となっている。

・9/26更新
新弾直前にプレリで使用したデッキと感想を追記。

 表記について、カード名は《》、キーワード能力は<>、それ以外の強調したい名詞(例えばパック名)については『』を使用する。

1.パック全体の印象

 まずはこのグラフを見てもらいたい。

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 このグラフは何を意味しているかというと、パック中の<疾走>効果を持つカードの枚数である。ただし、《アルビダの号令》や《ファントムハウル》のような<疾走>能力を持つフォロワーを生成するカードについては、カード検索機能で出てこないため、厳密な枚数ではないものの傾向を掴む上では問題ないと考えている。
 グラフを見ると、カード種類が多い『クラシック』が最も多い点を除外すると、前パック『リバースオブグローリー』および新弾『森羅咆哮』の疾走カードの枚数はこれまでのパックと比較して倍近い枚数が収録されていることが分かる。
 古来のシャドウバースでは『疾走ビショップ』や『アルベールロイヤル』といった疾走フォロワーで相手ライフを削り切るデッキが一つは環境に存在しており、環境の速度を定義していた。

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みんな大好きアルベール

 ランクマッチにおいてポイントを早く盛ることができる点や、相手リーダーを超高速ではっ倒す気持ちよさから使用率の高いアーキタイプではあったが、一方で相手にする場合は守護フォロワーや回復カードを採用していなければ文字通り”ガード不能”であり、対面したが最後、相手の手札が平均点以上あればプレイの余地なく敗北してしまうことから、このような『疾走アグロデッキ』を好まないプレイヤーも存在していたと思う。(私とか)

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飛べない札はただの札

 特定のマッチアップでゲームがあまりに単純になってしまうからか、少し前までのシャドウバースは疾走フォロワーの収録に消極的になっていたように思う。特に、ローテーションフォーマット採用によって古いカードが使用不可になってからは、手札から疾走フォロワーを連打して戦うデッキはめっきり見なくなってしまった。(アンリミテッドフォーマットでは大暴れしていることが多いが。)

 ”ガード不能”の<疾走>デッキがいなくなったことにより、ローテーション環境はどのようになったかというと、今度は”ガード困難”のミッドレンジデッキが台頭してきたように思う。少し前なら『闇蝙蝠ヴァンパイア』『聖獅子ビショップ』、今弾であれば『AFネメシス』『機械ウィッチ』といった、初動こそややゆっくりだが、中盤以降から加速度的に暴れだし相手のライフを削り切るアーキタイプだ。この手のデッキは、中盤以降は無敵であるものの、立ち上がりの遅さを前述した<疾走>デッキに咎められやすく、そういった点から相性ゲーの様相を呈していたように思う。

 現在のシャドウバースの上位デッキは、ほぼ全て”ガード困難”ミッドレンジで占められており、プレイヤーの技量が如実に反映される傾向にある反面、特定のデッキタイプを狙い撃ちにした構築を選択しづらく、ある側面で”運ゲー”になっているとも言えよう。

 この”ガード困難”ミッドレンジ環境に待ったを掛けるためには、再び<疾走>デッキに復権してもらえばよい。冒頭で挙げたグラフのように<疾走>カードを多く収録している理由にはそんな側面があると私は考えている。とはいえ、単に昔のような<疾走>フォロワーを多く追加すればアグロデッキが復権するかというとそういうわけではなかった。当時と違い、ミッドレンジデッキの防衛カードの質は大きく向上しているためだ。

 後手4フォロワーは進化しても+1/+1の代わりに進化時効果で2面処理!強い!と言われていたのは平成のお話。令和のシャドウバースは5面処理なぞお茶のこさいさいの魔境だ。アグロデッキは序盤猛攻を仕掛ける代償としてコストが小さめであることと、リソース補充に優れないことから、長期的なゲームを苦手とする。リソースが切れる前に一気に削り切ることを主眼としたデッキに対し、進化飛んでけ太郎はあまりにも残酷すぎた。

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何が”飛んでけ”だ

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令和のバハムートは守護とアクセラ1ドローが付いている。

 そんな環境において、ただ3/5で疾走する優男など5秒でぶっ飛ばされるため、昔懐かしパックこと『リバースオブグローリー』では<疾走>カードが多く収録されたにも関わらず、純粋な<疾走>デッキが日の目を見ることはなく、前述した”ガード困難”ミッドレンジデッキの”ガード困難”っぷりに拍車が掛かるだけであった。

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結構すごいこと書いてあるのに全く見ないマン

 一応、”攻めすぎた”ヴァンパイアのカード達によって超攻撃的なデッキが一瞬だけ環境を支配していたが、それはまた別のお話。

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シャドウバース七不思議の一つ。手札から消えると勝つ。

 平成バースに倣って、ただ<疾走>カードを追加するだけでは意味がなかった。アグロデッキも令和バースに適合する必要がある。初動だけで押しきれないのであれば、アグロデッキに新たな”リソース補充手段”を与えましょう。『森羅咆哮』で追加される新ギミック、《ナテラの大樹》からはそのような意図を感じている。

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 《ナテラの大樹》は『森羅咆哮』の根幹をなすトークンカードだ。場に1枚設置することで、様々なカードの能力を強化することができる。獲得手段も多く、ニュートラルに2種、各クラスに3種の計5種収録されている。アミュレットで場を埋めてしまうものの、2枚目以降の《ナテラの大樹》は1コストで1ドローに変換できるため、《ナテラの大樹》生成カードを引きすぎた場合でも安心という親切設計だ。新ギミックの”自然カード”をユーザーが使いたくなるように、かなり強めにデザインされている印象を受ける。加えて、《ナテラの大樹》のもう一つの役割、それはアグロデッキにとって待望のリソース確保手段なのではないだろうか。

 アグロデッキは、序盤はどんどん攻めていきたいため、リソース補充カードを使用したくはない。とはいえ、手札がなくなったら一気に手札枚数を補充したい。そんな贅沢な悩みについて、序盤は攻めるついでに《ナテラの大樹》を手札に蓄え、手札がなくなったら《ナテラの大樹》を連打してリソースを回復させることができる。攻めている途中に余ったPPで細かくドローに変換することもできる。まさにアグロデッキが願っていたカードだ。

 更なる”アグロ用”カードの追加、そしてテンポロスの少なくフレキシブルなリソース補充手段である《ナテラの大樹》、二つの側面からアグロデッキを強化してやることで、環境に変化を与えようというのが新弾『森羅咆哮』のメインテーマではないかと私は考えている。

 ……と、ここまでがパック全体に対しての感想だ。

 ここから個別のカード評価に映る。カード評価では、全てのカードについて記載するわけではなく、構築で使いうると考えているカードをピックアップして評価を行う。そのため、形式的なSABC評価は行わず、思いつく使いみちを箇条書きで列挙する形を取る。サンプルとして、《荒野の案内人》部分のみ公開しており、有料部分の値段は300円としている。

 それでは早速カード評価に映る。

2.カード評価

■ニュートラル

・荒野の案内人

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・自然版《メカゴブリン》。
・2/2という標準スタッツながら、手札ではなく直接場に《ナテラの大樹》を出すことができるため、テンポロスが発生しない。
・2枚目以降はただのファイターになってしまうが、《旋風のプテラノドン》のように場の大樹を破壊するカードと合わせれば、もう一度効果を発動させることができる。
・進化能力は手札に《ナテラの大樹》を加えるというもので、ないよりはマシ。出したターンに他の”ナテラ”能力を発動させる点はグッド。
・自然を軸にしたデッキ全てに採用される。

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