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異文化に触れることの楽しさ

日本から出て2年と数ヶ月、その間2カ国(ドイツとアメリカ)に住んで自分が感じたこと、異文化に触れることの面白さを今回は記事にまとめてみようと思います。あくまでも私の個人的な意見なので、楽しむ程度に読んでいただけると嬉しいです。


日本人のパスポート所有率の低さについて

日本人のパスポート保有率はたったの24%弱だというニュースを少し前に読みました。私が想像していた以上にかなり低い数値でした。ちなみにアメリカは42%、カナダは66%、イギリスは76%程度の保有率だそうです。他国と比べてもかなり低い数値がみて取れますね。もちろん、日本は島国ですし、ヨーロッパや北米などと比べると海外に行くというのは割と大きなイベントなのかもしれませんが、それでも個人的には少しびっくりしました。

日本のパスポートは世界で最強と言われていて、ビザなしでいける国が世界で一番多いという事もあるので、人生で一度も海外に行かないというのは少しもったいない気がします。私は海外旅行が大好きでよく行くのですが、日本のパスポートはやはり信頼が大きいというのをいろんな国で感じてきました。パスポートコントロールでいつも前に並んでいる人達が(どこの国出身か分かりませんが)質問責めにあってるのを見て身構えるのですが、ほとんどの国で質問責めを受けたことがないです。無言でスタンプ押されて、挨拶されておしまい的な感じです。それだけ日本人に対して信頼があるということだと思います。

引用


カルチャーショック、常識とは何なのか?

2018年、旦那と一緒にドイツのベルリンへ移住したことは言うまでもなく私の人生の中で最高の決断でした。学生の頃からいつも、近い将来必ず海外に住んでみたいという強い好奇心があったので、数年の社会人生活をえて、それを行動に移せたことが何よりも重要だったと思っています。

それまでに主にアジアですが、いろんな国に海外旅行の経験はありましたが、外国に住むという経験自体ははじめてだったのでとてもワクワクしていたのを覚えています。もちろん今までの日本での常識は通用せず、少しずつドイツの文化に慣れていったのですが、いくつか日常的なことでカルチャーショックだったことを挙げてみます。

まずは、レストランやお店などの店員と客の関係性について。日本ではお客様は神様(個人的には言い過ぎだと思いますが)と言われるほど大切に扱われますが、ドイツでは基本的に対等、むしろたまに店員の方が偉いんじゃないかと思うほどでした。ミスしちゃったものは仕方ない、時間がかかるものはかかるんだから仕方ない、オーナーがいないから詳しいことは知らない、などと普通に言われることが良くあります。最初は、何だよ偉そうにと思っていたのですが、よくよく考えると割と合理的で、少し親切さが足りないのでは?とは思いますが、彼らも雇われている側なので、自分の仕事以上のことは決してやりません。仕事に対する割り切りがすごいです。

次に、ドイツの人は(ドイツ人だけではないと思いますが)あまり謝りません。友人に聞いた話だと、基本的に、ドイツでは学校で小さい頃から相手の意見に反対意見を述べること、自分の考えを持ってそれを肯定することを学びます。なので、基本的に自分が間違っていたということをあまり認めません。私もドイツに住んでいた時にテクノロジー系の短期の学校にいっていたのですが、その時よくドイツ人や他の国の生徒と一緒にプロジェクトを進めていたのですが、ディスカッションになるとみんな強い意見を持っているので、かなりヒートアップします。

小さいことをあげると山ほどカルチャーショックがあるのですが、これは住んでみなかったらわからなかったことだと思います。私たちの常識から物を言うと、私が学んだドイツの常識というか、カルチャーというか、はあまりにも合理的すぎて、他人を尊重するとか、空気を読むとかという文化で育った私たちからしたら、なかなか理解し難い事もありました。


他国を知るということは自国を知るといこと

これは何に対しても言えることだと思いますが、他の文化を知った時に初めて私は自分の国の文化を考えました。先ほどの常識と文化の話で、今まで自分が当たり前だと思って何も考えずにそれに馴染んできたこと、自分の中での当たり前は、外に出た時に決して当たり前ではなくなるということ。

ドイツでの生活、そして今アメリカでの生活でカルチャーショックを受けるたびに私はそもそもの自分で常識だとか、当たり前だと思ってきたことに関して考えるようになりました。ドイツで経験した合理的な考え方にすごく納得して惹かれた部分がありますし、逆に日本人の強い協調性というものは、他のどの国でも見られず、時と場合によっては物凄い力を発揮する素晴らしい素質だと感じました。

アメリカでもやはりドイツと近しく、周りに馴染んで何となく上手くやるというよりかは、個を主張するといことが重要視されています。日本から出て数年たったといえ、まだまだ私のベースは日本人的な要素の塊なので慣れるのに苦労する時もありますが、この異文化を理解して馴染もうとする行為を続けていることで、自分の考え方に柔軟性が出てきたように感じます。そして、自分の行動に関して、なぜこうするのか?というのを常に考えるような癖もついてきました。

今でも良く思い出すのがドイツに引っ越してまもない頃、日本に興味のある友人に、なぜ日本人はそういう行動をとるのか?(いい意味でも悪い意味でも)というような質問をされた時に、具体的な内容は忘れてしまったのですが、”わかんないけど、みんなそうだから” 的なことを答えたら、みんなそうだからそうするのは何で?と聞かれて答えられなかったのを覚えています。今思うとなかなか人任せな考え方で、全く自分の意思を反映していない行動をしていたんだと少し恥ずかしくなります。


今後日本で多様性を受け入れること

最近日本でも在日外国人の人数が増えてきていますね。今後も恐らく増えて続けて、日本ももっと多様化が進んでいくと思います。(そうであって欲しいと思っています。)日本に住んだことのない外国人にとって、日本の常識や文化などはなかなか理解に苦しむ事もあるかと思います。例えば、暗黙の了解とか、空気を読むとか、自分の意思とは違う事をわざと言ってそれを汲み取れとか。

日本に来る外国人が日本の文化を学んでそれに馴染む努力をしていくように、私たち日本人も多様性を受け入れる努力をしていく必要があると思います。グローバル化や多様化はもちろん良い点、悪い点はそれぞれあると思いますが、個人的には悪しき常識が淘汰され、新しい価値感が生まれる素晴らしい機会だと思っています。


異文化を学ぶのは驚くほど面白い

そして最後に、異文化を知ることは本当に楽しいです。自分が知らなかった世界や価値観が世界中にはたくさんあって、それぞれその下で生きていると考えると本当に不思議で仕方ありません。文化というのは歴史、言語、地理などいろいろな要素が混じり合って成り立って出来ているので、そう簡単に変わるものでなければ、正解も不正解もないものだと思っています。だから面白い。そして異文化を自分の中に取り入れていくのも自分の世界が広がるようでとても楽しいです。なので、最初のパスポートの話に戻りますが、人生に一度くらいは日本の外に出て異文化に触れてみるのも良いかと思います。

ドイツにいた時に読んだ、異文化に関する本がとても面白かったのでここでシェアします。本はビジネスシーンを元に書かれているのですが、ビジネスだけでなくただ単に文化に興味がある人にでも楽しめる素晴らしい本ですので是非チェックしてみてください。

異文化理解力 ― 相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養


Thank you for reading.

 Have a good day!