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【FV Family vol2】"半径50m商圏"という新たな産業を創出する〜600執行役員阿部愛さん〜

初めまして、F Ventures研究生の小田です! 

今回は投資先インタビュー企画 FV Family 第二弾ということで、600株式会社 EmployeeExperience 担当の執行役員である阿部 愛さんにオンラインインタビューをさせていただきました。

これまで「映像制作」「プログラマー」「VC」「スタートアップ」と多種多様なキャリアを歩まれてきた阿部さんに600についてやご自身の思いについてお聞きしました。

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〈プロフィール〉
阿部 愛(あべ あい)
女子美術大学付属高校卒業後、映像関連の専門学校入学。映像制作のプロダクションで働いていく中でソフトウェアに興味を持ち、プログラマーとして就職。主にERPのカスタマイズを担当。2011年よりサムライインキュベートに入社し、PRや新規事業の立ち上げなど多岐にわたる業務に従事する。
その後、スタートアップに強く興味を抱き、2018年より600株式会社に入社し、現在は執行役員を務める。

インタビュー企画

600株式会社
2018年6月のサービス開始した、100社100通りの品揃えを実現するキャッシュレスな無人コンビニ「600」を提供するスタートアップ。
半径500mを商圏とするコンビニより10倍近い、徒歩1分圏内の「半径50m」商圏で最先端の購買体験を東京23区内のオフィスを中心に提供している。
ご利用者様に応じて品揃えのカスタマイズが可能な他、オフィスビルのエレベーターやランチタイム時のコンビニなどでの行列で発生するロスタイムの解消や、半径50m内の購買活動によって時間の効率化を図っている。
2020年3月に日鉄興和不動産株式会社と業務提携契約を締結し、マンションでの生活シーンに合わせた価値提案・機能開発を行い、マンション領域での設置台数拡大を目指す。

クリエイターから始まった多種多様な経歴

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-- 600入社前の経歴を教えてください!
小さいときから絵を書くのが好きで、エンジニアだった父が中学生の時にMACを買ってくれて、自分でPC上でイラストを書いたりwebサイトや映像を作ることが好きでした。クリエイティブな仕事についてみたいけれど、アカデミックな学びを得るよりも現場にでて仕事を覚えたいという気持ちが強く、専門学校進学を決断しました。

学校に1年ほど通ってから映像制作に就職し、1日中映像を作ったり、機械の知識をつけたりと勉強漬けの日々でした。

製作側で仕事をしていましたが、徐々に製作する際に使用するソフトやサーバーに興味を持ち始め、エンジニアとしてジョブチェンジしました。

あるとき、榊原さん(現サムライインキュベート代表)が当時所属していたベンチャーから業務支援システムを受託しました。その時よく現場であるオフィスに行っていたのですが、ベンチャー独特のオープンで熱量のある雰囲気がとても印象だったことを覚えています。

その後、結婚をし、出産をした後も仕事をいていたのですが、3人目を出産したタイミングで育児に専念するために退職しました。

ですがその2ヶ月後、榊原さんからサービスの支援の管理ツールを作って欲しいという連絡を頂き、もともとベンチャーに興味があったこともあり、サムライインキュベートにジョインすることを決断しました。

最初は受託開発のような形から始まったのですが、その後は、情シス、事業開発、PR、イベント運営、コミュニティマネージャーを任されたり、いろいろな経験をさせていただきました。

投資しているシード期のベンチャーの成長に貢献したいという気持ちが強かったのですが、会社の課題は千差万別です。完全に自分の力不足なのですが、サポートできる範囲が狭いと感じることもありました。色々な方に相談しながら、自分自身が成長できる場所や、自分の持つ価値について考えた結果、転職を意識するようになりました。

-- VCでの経験は今どのようなことに生かされてるのですか??
VC時代は主にコミュニティマネージャーとしてコミュニティ作りをしていました。

その中で、コミュニティはただ作ればいいのではなく、色々な施策を打つにあたり、ニーズがあるかなどを意識してコミュニティ作りを行なうことで、「このタイミングでこれを提供するとありがたいんだな」などを理解できるようになり、相手の目線に立って考えることができるようになりました。

他には、起業家が困っていることや、スタートアップにおいて必要なツールをどのタイミングで利用するのかなどもわかるようになりましたし、会社を成長させるために必要なことが理解できるようになりました!

そして何より、
MISSON・VISION・VALUEなどで物事を考えるようになりました!

無人コンビニ600との出会い

-- 600へジョインすることに至った経緯を教えてください!
VC時代、自分が広範囲に渡って投資先をサポートできなくなり始めた頃、これまで培ってきた経験をいかして自分自身のできることを存分に発揮できる、立ち上げフェーズのスタートアップにジョインしたいと考えていました。

そう思っていたときにくぼけーさん(現600株式会社代表)が600を設立したことをFacebookで拝見しました。600はオフィス向けの無人コンビニを立ち上げたばかりで、設置先を募集していました。とてもおもしろいサービスで、是非一度サービス導入なども含めてお話を伺いたいなと思いました。。。

お話を聞いたところ、くぼけーさんの描く事業構想にとても興味を持ちました。そして、今自分が持っているスキルセットで600の立ち上げフェーズの中でどういった貢献ができるかの可能性について探るような議論をしました。

前職はシード期への投資業務が中心だったので、スタートアップの立ち上げ期のメンバー作りというのがいかに大切さかよく知っていました。
なので、立ち上げメンバーとして求めるスキルセットに合うか、ビジョンやバリューに合うと感じてもらえたら、是非ご一緒させていただきたいですとお伝えしました。とはいえ、600では今まで培ってきた経験も活かせそうですし、何より新しく学べることの中に自分が足りていないと感じていた要素も経験できると感じ、入社に踏み切りました。

スタートアップの立ち上げ期に3児の母が関わるというのは、なかなかのチャレンジだと思いましたが、くぼけーさん持ち前の素敵な人柄もそうですし、シリアルアントレプレナーとして、既に何度も起業を経験しているからこそ、自分がどの部分をサポートしたら貢献できるか、入社前から考えるのが楽しくて勝手にに小売業界のリサーチをしたりしながらワクワクしていました。

創業期を振り返る

-- 競合が多い中どのように売り込んで行ったのですか?
最初はPRが綺麗にはまったことが大きかったです。

創業当初はプロダクトより代表の久保さん自身の魅力で契約を取れていて、初めの10台は久保さんの知り合い経由で契約を獲得しました。
ですが、それからは色々なマーケティング・チャネルを検討し、試行錯誤を繰り返していました。

その後、大きな転換点がやってきました。

それがPRがうまく行ったことです。

2017年6月にプレスリリースを出したら、新聞にも大きく取り上げていただき、これによって多数の問い合わせ件数をいただきました。
また、NHKさんにも取り上げていただいたこともあり、その当時は毎日LPに10件ほどお問い合わせがありました。

600独自のサービスについて

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-- どのようにして100社100通りの自動販売機を実現させているのですか?
1社ごと、商品のラインナップの要望を聞くコンシェルジュをつけることにより実現させました!

600導入企業の社員は気軽に、コンシェルジュに置いて欲しい商品をチャットでリクエストすることができるので、これにより100社100通りのオリジナルな自動販売機を実現させております。

コンシェルジュには「甘い物を常においてほしい」などの大雑把なリクエストや、「缶コーヒーはBOSSがいい」などの細かなリクエストが寄せられ、これらを元に商品選定をしております。

-- 在庫状況や仕入れのデータ管理はどのように行っているのですか??
在庫管理は商品全てにRFIDというICタグがついていて、そのタグの中に値段や賞味期限などのデータが入っています。なので弊社の方の管理画面で商品全てを管理しています。

仕入れに関しては、売れている商品のデータを取り、それに応じて仕入れを多くしたり、減らしたりしています。他には、時期的に売れる商品(例えば、2月ならバレンタインなのでチョコ)を多めに仕入れをしており、全てデータに基づいております!

また、リクエスト品は別で発注しています。

自動販売機の中は常に10°以下に設定されているため、飲み物などの冷蔵が必要な商品も年中販売できます。

だからカップ麺も常に冷えています(笑)

-- 多くの収集しているデータは他にどのように活用されているのですか??
そうですね。データは商品を選定をする際に使用するだけでなく、他にも活用しております。

例えば、弊社では、600内の商品の購入頻度やその人が何を買ったか、どの時間帯に購入されたか、何と一緒に買ったのかなどのデータを収集しているのですが、そのデータを企業様向けに提供するマーケティングプランなども行なっています。

具体的には、弊社で収集したデータを企業様がパッケージなどのABテストを行う際に活用いただいています。

これからの600の展望

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メンバー全員とても仲がよく、雰囲気がとても良いです!
こちらは、お昼休みにコヨーテというカードゲームをしている写真

-- 今後の目標を教えてください!!
3月に資金調達をし、今後はオフィスだけでなくマンションや病院など、人が密集する場所に600を提供していきたいと思っております。

その中でも、特に単身者向けマンションへの導入に力を入れていく予定です。
単身者向けマンションの共有スペースには、帰宅前に残っている仕事を片付けているサラリーマンが多く、すぐ近くにコンビニのような存在があると、すごく助かると思うんです。

このような”50m商圏ビジネス”を今以上に盛り上げていきたいです!

学生へ向けて

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-- 阿部さんにとって仕事選びの軸はなんでしょうか??
まずは三人の子供たちを食べさせること!です。

また、今までのキャリアを振り返ると、常にPCを触っていて、そこからコードを書くことに興味を持つようになったので、プログラマになりましたし、スタートアップに興味を持ち始めたことから、サムライへの転職を決意しました。

なので、身近な興味のあることを仕事にすることが私にとって仕事選びの軸だと思います。

-- これから進路を決めていく学生にコメントお願いします!!
少しでも興味ある業界などが見つかったら、おすすめは、インターンへ行ってみることです。インターネットや面接で知ることのできる情報はほんの一部分でしかないので、とりあえずインターンとして働いてみることで、その業界についてより理解できますし、ビジネススキルも身につけることができます。

中でも規模が小さい会社は、風通しがよく、組織全体の作り方も勉強することができるので、本当におすすめです!
興味があれば、社長がどのような世界を目指しているのか、そのためにどういったことをしているのかを聞いてみると面白いと思います!

-- 最後に、阿部さんにとってスタートアップの醍醐味とは何でしょうか?
スタートアップは、経営者との距離が近いので、経営戦略など現場での学びの機会も多く、長期的に関わると、広い視点で物事を見れる機会につながるのが良いところです。

成長スピードを上げる為に、あえて戦略的に情報をオープンにしている会社も多く、風通しがいいので、新しいことを知れる機会が欲しい人にとってはとてもよい環境だと思います。自分で裁量を持てる事も多く、便利な業務ツールを導入してスマートに最先端の技術を使えたりなど大企業にはない良さがあります。

その中でも、世の中を変える変革の渦の中に身を置いて会社を一緒に成長させることができることがスタートアップの一番の醍醐味です!!

貴重なお話をありがとうございました!


【TORYUMON FUKUOKAからのお知らせ】

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第7回TORYUMON FUKUOKAに足を運んでみませんか?
2020年7月に開催を予定しており、現在参加者絶賛募集中です!
《参加応募》

【600株式会社 会社概要】
社名 : 600株式会社
代表者:代表取締役 久保 渓
所在地:東京都千代田区東神田2丁目1−9
設立 :2017年6月


最後まで読んで下さりありがとうございました!
今後もインタビュー記事を更新していくので、是非読んでみてください!




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