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勝てるデザインワーク②、③、④をやってみた結果

詳しくはこの記事を読んで欲しいのだが、勝てるデザイン養成ギプスに応募することになった。

今回の課題の概要

work2.デザインを1000例、集めろ!
pinterestにボードを作り、街中やウェブ、pinterestで見つけたものなど1000例のデザインを集める。ここからwork4までのワークは、pinterestを使う。

work3.マイベストとマイワーストを決めろ!
pinterestに自分の中の「ベスト10」「ワースト10」のボードをそれぞれ作る。前のワークで作った「デザイン1000」の中からいいなと思うもの、よくないなと思うものを10こづつ集めてみよう。

work4.デザインの必殺技を10個作れ!
「ベスト10」「ワースト10」を参考に、君なりに、滑らないデザインの必殺技を10個考えてみよう。

デザイン1000例

できました。大変でした。
まず、米子の街中をいろいろ回って、チラシを置いてそうなところへいろいろ行った。
実家のある神戸だったら、三宮あたりをぶらぶらして看板を取ったりしたかもしれない。しかしここは鳥取(大山/米子)なので、繁華街というような繁華街はないのだ!

結果として、図書館やコンベンションセンター、商業施設などをいくつか回ってチラシを集めることにした。
デザイン的に「いいな」と思うチラシは、だいたい美術館にあった。
しかし、私はそういうチラシが好きだが、世の人はもっと親しみやすいのが好きなのだ。
その辺のギャップをどうするかで、「こういうのん好きなんやろ?」的なチラシを作るという仕事ぶりになってしまっていた気がして、そこも困っているなーと思った。

あと、私はパッケージのデザインがしたいので、道の駅に行ってパッケージの写真を撮ったりした。(怪しかったと思います。この時、デザイナーは説明しにくい奇行をたびたびしなければならない仕事だと感じた。この予感は別のワークでも実現されます。)

そのデザインを150枚程度写真で取り込んで、残りはwebやpinterestで集めた。

しかし、著作権の問題があるのでここでは公開できません。
イメージ写真をご覧ください。

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ベスト10とワースト10

同じ理由で著作権の所在や許諾が確認できないので、ここには写真を掲載できない。理由だけ書いたのでみてください。

ワースト10

「みんな違ってみんないい」的世界が好きでデザインやってるところがあるので、これを選ぶのはとても嫌だったです。(善人ぶりたい訳ではないが)
しかしあまり好きではないものを正直に10個選んだ。

1)サラダチキンのパッケージ

デザインは悪くない、むしろよくまとまっているし、アイデアもあるデザインだなと思う。サラダチキンを人間の筋肉に模していて、たんぱく質が手軽に摂れてマッスルにいいですよと言いたいのだと思う。
しかしながらなぜこれをワースト1に選んだかというと、デザインが人を傷つけることもあるのだということを忘れたくなかったからだ。
というのも、人によって感じ方は違うし倫理というのも曖昧なものだし、自分ごときが倫理云々と言えるようなやつではないとは思っている。
だが、命に感謝してご飯を食べるということの大事さは失われてはいけないと思っていて、それは生き物を戯画化して描くことにもある程度危うさはあるのだが、
鳥の肉体が人間の体になっているという表現には、明らかな線引きの逸脱があるように感じたのだ。
難しいけれど…。
多分、「いいじゃん」と思う人もいると思う。
しかしいくらふざけても、絶対に大事にしなければいけない何かっていうのはあるんじゃないかな。と自分は思ったので、ワーストにしました。

2)ボランティア募金のポスター

子供たちの描いた絵がクローバーの中に描かれているデザイン。
しかしただ載せているというだけで、全然生かされていない。
全部白の線で、ピンクのクローバー型の切り抜きの上に載せられている。
にもかかわらず、いらないところに変な色を使いすぎている。
また、変な余白がある。
そして、ピンクが全然流行りのピンクじゃない。誰に訴えたいのかがよくわからない。よってワースト2です。すみません。

3)ファミリーコンサートのチラシ

色数が多すぎる。
あと、特別な情報を音符型のシルエットの中に載せているのだが、その中身と外のマージンのバランスが悪く、変な余白ができている。
あとは、揃えるところが揃っていない。
でも、こういう下品なデザインの方が一般の人は「愉快でいいわあ」というのだろうなと思った。
愉快でいいとはなんなのかも考えないとなと思った。

4)ショールームのフェアのチラシ

とにかくチカチカする派手さがあって、デザインとしてはこれはこれで「プロっぽ〜い❤️」と言われるやつなので、いいのかなと思うが自分は好きではない。
理由としては、フォントが好きじゃない、色が下品、文字に長体がかかっている。
ああー!でも!こういうのを作れと言われていた時代(会社)もあるので、大変混乱するし、できればもうそういう仕事はしたくない。

5)漫画記念館の感謝祭のチラシ

背景のフリー素材感が強い。無理に派手にしようとして変にグラデーションをかけていて、苦労した感があるのだが、下品。ロゴの色が全然生きてない。安っぽい。
中央のギザギザした丸の、真ん中の丸とのマージンが広すぎて、ダサい。フォントが多すぎる。商標のあるキャラクターのイラストが使われているが画面の中に沈んで全く活きてない。

6)ある地域で生産されたお米のバッグ

変に田舎感を出そうとしてとにかくダサい。全然デザインが更新されていないし、地域の特徴が全く出ていない。ただ筆でイラストを描いていればいいってもんじゃないだろう!情報がバラバラすぎてどこを見ていいかわからない。せっかくアピールすることがいろいろあると思うのに…。多分予算も情熱も見識もなかったのだろうと思う。

7)雑貨祭りのチラシ

ターゲットはある程度しぼれている感があるのだが、まだダサい。
あと、見出しのあしらいと見出し文字のマージンのバランスが悪いし、文字づめなどもちゃんと考えられている感じがしない。
色はある程度統一されているようなので、惜しい!ここも揃えてやれよ!もっと考えてあしらってくれよ!というところを直してほしい。

8)おしゃれ風名刺

おしゃれな名刺の事例のところにあったけど、とにかくおしゃれなことをいろいろやろうとしすぎて中途半端になり、ごちゃついて見える。つっきったところもないし、必然性も感じない。
個人的には、角を丸くしないでほしい。
あとはジャンプ率がおかしいのかな…?

9)雛人形展のチラシ

見出しが白字に赤ぼかし、デカデカとした「雛」の字は赤グラデに白ぼかしでチカチカするし、引いてみると白いところがぷつぷつ開いてる感じがあってまとまりがない。
雛人形セットを引きで写した写真自体が、詳細度が高くてぷつぷつ細々した図版なので(ミニチュアの和風建物がついていて、めちゃくちゃ精巧でこれはすごい。)、文字がだーーーーっと描いてあったりすると余計に全部の要素がバラバラに見えてしんどい。
でもおじさんは好きだろうな!とにかく文章もながくのこして削ったりしたくなさそうだし、なんかやたら効果が使われていて「豪華だ」などと言われそうです。自分は下品で嫌いです。

10)お土産品の藻塩

フォントが投げやり、赤い写真に合わせて青いラベルなのだと思うが、全くマッチしていない。あと、デザインが古臭い。

このような感じで10個選びました。
自分のお客さまの中には、こういった安っぽいデザインの方を良しとされる方も多いです。
地方は、シンプルにすると「手抜き」「素人臭い」と感じられる方が多いのです。
そして、安価だとそういう安っぽいデザインを求められるし、安価でも高価そうなデザインを提供してあげたい!と思って自分がいいと思うデザインをだすと、「安いから素人臭いのね…」と思われたりして大変辛いです。
そういう人に合わせられるデザインを追求していくべきなのか、それとも、自分が本当にいいと思うデザインを要求している人たちへとスライドしていくべきなのか、大変悩みます。

ベスト10

これはワクワクして楽しかったです。
あと、ワーストでも分かってたことですが、シンプルなものが好きなんだなと思いました。
しかし学びはワーストの方が多かった気もする。

1)「頭脳の明晰化」と書かれたロゴタイプ

一緒に描いてある字が全く読めない!それでも選んじゃってすみません。とにかくめちゃめちゃカッコええなと思いました。中国っぽいような、コカコーラの中国語版のパッケージみたいな、アメリカナイズされたアジア言語のタイポグラフィという感じですごくかっこいいです。線の太さが一定ではないのに、すごく調整されている感じがすごいのかな?と思いました。

2)猫ちゃんのオランジェットのミニチュアみたいなやつのパッケージ

めっちゃ可愛い!めっちゃ可愛い!めーーーーっちゃ可愛い!!
黒とオレンジの組み合わせもいいし、猫が可愛いし、めちゃくちゃ小さくて、小さいものって可愛いよな、こういう丁寧にちまちま作ったようなサイズ感を生かしたジャンプ率って大事だよな(?)と思いました。何が言いたいかというと、大きなポスターでも、小さい名刺でも、小さくまとめたり小さく工作する部分を大事に、そして時には大きく大胆に仕事をすることで、魅力が出るのかなと思ったということです。

3)丸亀の芸術祭のチラシ

図版が意図的に被せてあったり、色使いが少なかったり、情報が整理されていたり、ほぼほぼプログラムのことを羅列してるだけのポスターなのにきっちり並んでいてかっこいい、あと、紙質も厚めだったので高級感があったのかなと思いました。
白と黒と赤でシンプルかっこいい!!

4)波佐見のアピールチラシ

色が単色なのと、紙(地色?)がうっすらクリーム色で、印刷の青色とマッチ。あと、一番ポイントが高かったのは、キャッチフレーズが「キリトル、波佐見。」で、鋏とかけてあったり、それを踏まえて、罫線が点線(切り取り線)になってるところも、コンセプトを大事にしてて素晴らしいと思いました!!可愛い!!

5)阿佐ヶ谷の案内マップ

色使いが少ないのと、手書きかんを生かした地図、表題が3色使われているところもおしゃれでいいです。
あと、手に持ちやすいちっちゃい大きさなのも可愛いです。
イラストがゆるくてほっこりできるので、阿佐ヶ谷の雰囲気(言ったことないけど、多分)に合ってていいなーと思いました。

6)花の種のパッケージ

花の絵だけじゃなくて、背景の柄も花の種類によって変えてある!カラフルなのに、ペールトーンでまとめてあるから、ごちゃついて見えない。しかも、メインビジュアルの周りのデザインは毎回違うのに、トンマナが守られているからか、統一感を感じる。
トンマナを守るという事の大事さを思った。
自分もなるべく守りたいと思って制作しているのだが、合わせきれなかったり、またその逆に、意識的に反抗されることがあった。自分のデザイン力が足りなかったのか…と納得しようとしたが、第三者だったら、もっと合わせなよ、外すならもっとおしゃれで意味のある改変にしてくれ、と言ったと思う。
だから自分がやるときは、前にやった人の思いも大事にできたらなと思った。

7)外国人の書いた日本の地図

文字のバランスが壊滅的なのだが、それが逆に小学生が書いたみたいな迫力があってすごくいい。小中学生が書いたポスターの、技術も道具も限られた中での真剣みというか、力を入れた書きましたという凄みってあるなあと思った。ヘタウマの良さというか。
下手でも気持ちがあればいいんだ、という結論にすべきなのか、下手だからこその絶妙なバランスってあるんだ、それができるやつは天才なんだ、と結ぶべきなのか悩む。

8)山口のサッカー場のイベントのチラシ

イラストがバーンと大きく載っているからなのか、しかも、イラストは小さい図版がいっぱい使ってあるのだが、マージンがしっかり取られているためちゃんと一塊になって見えるし、なんかすごくいいなーと思いました。
イラストとポスター全体で、使う色が制限されているのもいい。
ディレクションの賜物だと思います。
ロゴもいいです。こういうのが一人で作れたらいいな。

9)お茶のパッケージ

一種類のお茶の茶筒なのですが、カラフルな模様で可愛い!ロゴは金の箔押し、文字部分は白で、カラフルだけど読みやすい。
メンフィスデザインというやつなのでしょうか、ポップで目を引く感じだし、色使いも可愛いです。
美しいと思う色使いは数あるけど、なぜ美しいのか、なぜこれが流行りなのか説明できたら強いなと思いました。歯痒い。
昔コンサルタントの人と話した時に、「デザイナーというのは、自分が作ったデザインをほとんど説明できない。それは悪いデザイナーだ。(お前もどうせそうだろう。)」と言われたことがありました。自分の作品を見せてでもそうじゃないと反抗できたらよかったのですが、もっと口でデザイン理論を説明することも必要だなと思いました。

10)アルコールの瓶

グリッドで区切られていて、見やすい。
訴えたいことも整理されていて、よく見える。
こういった、シンプルなラベル的デザインが好きだなーと思いましたし、比較的簡単に真似できて、滑らんなーと思いました。

こんな感じで10例選びました。
どれも「うおおーーー!!!」とテンションの上がるものですが、
ただ興奮するだけじゃなくて、なぜ心を動かされるのかをもっと詳細に掴めたら、それをずっと考え続けられたら、最強だよなあと思いました。

デザインの必殺技を10個作れ!

1)色数を制限する!

無軌道に使いすぎるのはダメ、使うなら他の色とのハーモニーを考えて、パレットを揃えておいた方がいいなと思いました。

2)紙や素材の質にこだわる(紙や素材の力に助けてもらう)!

同じデザインでも、紙の厚い薄いで印象が変わることもあるなと思いました。できれば、印刷してたしかめてからGOしたいです。

3)ちっちゃい目で見る!

ちっちゃいものの威力はすごい!細部に神が宿るという言葉の通り、大きいものでも小さいところにこだわって作りたいです。

4)バランスを揃えてから、崩してみて調整する!

バランスが崩れていても、かえって美しいということがありました。しかし、適当に散らしてもただ汚いだけということもありました(「ダサいTシャツ」のワークでそう感じた。あとの記事にて後述予定。)。だから、一度揃えてみて、それを崩すべきかなと思います。

5)トンマナをきっちり決める!

トンマナというか、どこどこに何をおいて、何の色を使って、というのを揃えておくべきかなと思いました。そうすると、美しいリズムが生まれる。

6)美しい色や、他の色とのハーモニーを大事にする!

よく使われている色や、流行っている服などから取材した色を使うことが大事だと思いました。あと、自分なりにルールを持って色を使う。

7)外国のフォントを参考にする!

日本語は文字数がめちゃくちゃ多いので、アルファベットほどフォントが発達していません。なので、外国語圏のロゴデザインなどは面白いもの参考になるものが多いのではと思います。

8)手で描く!下手に描く!

もうこれはいうまでもなく我々のようなタイプのデザイナーは感じていると思うのですが、手書き最強。

9)グリッドで揃える!

同じ。グリッド最強。
最終的に見えてても見えてなくてもいいので、グリッドで揃えると美しく見えますね〜と思いました。

10)コンセプトとデザインのハーモニー!

切り取り線と鋏のように、デザインでもコンセプトと合った表現ができると、おっと思われるし、楽しいなと思いました。

以上!!!!!
大変だったけど、大事な道具が手に入ったような気持ちです!!
悩むたびにやっても楽しいかも。

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