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第46歩 絶好の谷川岳(2021年8月6日)【山歩き記録】【コース紹介】

2年前の8月、何とか登頂したものの、途中で気持ち悪くなったり、山頂はガスってたりで、惜しさのあった谷川岳。次行くときは紅葉の時期に、と思っていましたが、山小屋泊前提の山は感染状況的にNG、天気も全国的に不安定…という中、この日の谷川岳ならコンディション良さそう!と種々の天気予報と天気図を見比べた気象予報士(=自分)が告げるのを信じて行ってきました。

2年前の反省を踏まえて、いろいろ変えたところもあります。その辺も交えつつの報告です。

コース概要

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地理院地図に書き込み。

ロープウェイとリフトを乗り継いで着く天神峠から歩き始めます。天神峠まで登るのは景色を見るためです。合流地点からは天神峠に登るよりもリフト下の天神平まで下りる方が楽なので、帰りは天神平に下ります。

コースは、『山と高原地図』のコースタイム的にも45分ずつ、3等分することができます。天神峠(天神平)~熊穴沢避難小屋、熊穴沢避難小屋~天狗のトマリ場、天狗のトマリ場~トマの耳です。熊穴沢避難小屋も天狗のトマリ場も、休憩にちょうど良い場所です。トマの耳の前に肩の小屋(山小屋)があって、肩の小屋~トマの耳は10分足らずで行けます。また、谷川岳は山頂が2つあります。その2つ、トマの耳~オキの耳は15分ぐらい見ておいた方がよいでしょう。

記録

上毛高原駅から水上駅を経由してロープウェイ駅に至るバスが出ています。

ところで、ヤマノススメではモグラ駅と言われる土合駅の長い階段を歩いていますね。僕も2年前はそれにならって土合駅を使いましたが…

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階段はアトラクションとしていいんですけどね。むしろ土合駅を出た後、ロープウェイ乗り場までが、日差しを浴びながらアスファルトを延々と登ることになって、つらかった。土合駅を使うのは一生で一度でよいと思いました。なので、今回はバスで直接ロープウェイ駅へ。

ロープウェイで天神平へ向かいます。2年前は土曜日だったのでちょっと待ちましたが、今回はすぐ乗れました。

注意点が2つほど。まず、意外と長いです。ロープウェイが15分ほど。リフトも合わせれば30分ほど。計画するときは、バスで現地についてから歩き始めるまで、少なくとも40分は見ておく必要があります。

2つ目は、暑いです。ドアの一部が鉄網になっていて空気が入るのですが、片側にしかないので、ほとんど空気が流れません。このご時世、換気という意味でも気になるところです。

さて、天神平からも、見えます、谷川岳。左の猫耳のようにとがっている2つの山頂が、谷川岳です。うーん、良い天気。完璧な日。

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さらにリフトに乗って、天神峠へ。飾ってある写真より今日の方が良い天気ですね?

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天神峠には展望台もあって、南側の赤城山も見えます。ロープウェイの放送によると、富士山も見えることがあるらしいです。

ということで、天神峠からの歩き始めが9時45分。2年前は11時15分でした。2年前はここで想定より遅れていて急ぎ気味に歩いたことが気持ち悪くなった一因だったので、今回は早起きして1本早い新幹線を使いました。

まずは、天神平との合流地点を目指します。岩場多めの下りです。前日の雷雨の影響か、沼が広がっている箇所がありました。

合流地点の看板。「さっきより増えてない?」ってやつですね。

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合流地点から避難小屋までは、貴重な日影が続きます。

避難小屋です。10時25分。

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中にはベンチがあります。ここもそれほど換気がよろしくないです。日影側の石壁のでっぱりに腰かけて休憩しました。

避難小屋を発ったら、いよいよ谷川岳本番という感じです。日差しを遮ってくれていた木がなくなります。そして、岩場が連続します。これが最初の岩場。

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めちゃめちゃ急というわけでもないし、左右が切れ落ちているわけでもないので、危険度という意味では低いです。それでも、両手で支えながら登ることが何度もあります。天狗のトマリ場までが、コースを3等分した中で一番キツイところです。高山は低山よりずっと疲れやすいということを意識して、急がないよう自分に言い聞かせながら登ります。

いくつもの岩場を乗り換えると、斜面から突き出た大岩があります。それが天狗のトマリ場です。11時15分。岩に登ることもできますが、ちょっと怖いのと、今回は山頂までばっちり見えていたので景色はこの先でも見えるということで、登りませんでした。

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振り返るとばっちり山頂。泣ける。

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2年前は、岩場の連続でもうしんどかったし、見上げてもこれだったので、引き返そうかどうか考えてました。

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今回は体調も良好。魔法瓶の水筒に、2年前はコーヒーのためのお湯を入れていましたが、今回は氷水。さらにもう1本用意し、そちらには氷+ポカリ。万全の暑さ対策の成果です。

天狗のトマリ場から肩の小屋まで、それまでほど大変ではありませんが、ところどころ急な岩場を登ります。まだ最後まで油断できません。

肩の小屋手前のザンゲ岩。雨に降られたら懺悔しましょう。背景に写っていますが、天狗のトマリ場まで来れば、その先いつどこを振り返っても絶景です。

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11時58分、肩の小屋。反対側にトイレがあります。

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中では売店営業もしています。例のコーナーあります。

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肩の小屋の位置から、平標山まで続く稜線が伸びています。ここを縦走してきたという人とすれ違いました…すごいですね。

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肩の小屋からトマの耳を見上げる。もうすぐそこです。おにぎりは山頂を往復してから食べることにして、登ります。

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トマの耳。こんなきれいに晴れるとは。もう人生で二度とないかも。

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トマの耳から見たオキの耳。写真右端のピークです。結構下ってから登り返します。

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12時40分、オキの耳。

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オキの耳から見たトマの耳。こう見ると壁ですね。奥には西黒尾根、今日歩いてきた天神尾根、天神平のロープウェイ駅。一番奥には赤城山。

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オキの耳のさらに奥にも岩が出ていて、そこで休んでいる人もいます。強いて言えば「鼻」?

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おなかも空いてきたので、肩の小屋まで戻ります。売店でバヤリースオレンジを買いました。小さめ245ml缶なのがありがたい。小屋の周りにはベンチがたくさんあるので、そこで座っていただきます。バヤリースを飲んで、おにぎりを食べて、下りのエネルギーを補給したら、出発です。13時30分。

山頂に着いた頃から少し風が強くなってきたのですが、下り始め、日差しを浴び、この景色を見ながら、全身で涼しい風を受け止めたときは、ずっとここにいたい、帰りたくないかも、と思いました。

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この美しい斜面。風で草がたなびいてキラキラ光っています。というのを写真に残したかったんですけど、どうでしょうか。

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登りできつかった岩場も、下りは意外と難しくありません。足をどこに置くべきか、登りよりも分かりやすい気がします。ただ、脚へのダメージはたまっていきます。足を止めるとブルブル。そして、涼しいのも一瞬だけ。標高を下げるほど、風は弱まり、気温は上がります。日影に入る避難小屋まで頑張って歩きます。

避難小屋で一休みし、その先にある天神峠との分岐を、下りは天神平へ向けて進みます。途中、谷川岳の山頂が見えます。あそこから下りてきたのだ。

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15時5分、天神平到着です。お疲れ様でした。

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ロープウェイ駅の隣に、レストラン、ビューテラスてんじんがあります。僕が着いたときには、食事メニューは終わっていましたが、ドリンクメニューの中にソフトクリームがあったのでそれをいただきました。

驚いたのが、水はセルフ式なのですが、それが谷川岳の湧水だそうで、蛇口から出っ放しでした。湧水だからできることですね。いやむしろ湧水だから止められないのか…?平標山の小屋でも水が飲み放題なのを思い出しました。

というわけで、下山するまで天気に恵まれた山行でした。2年前は今のカメラを持っていなかったので、ちゃんとしたカメラで写真を残せたという意味でも、とても良かったです。

各種情報

コースタイム:4時間20分(山と高原地図)。4時間55分(谷川岳ロープウェイHP)。

標高差:657m

眺望:天神峠と山頂では360度の絶景。道中も熊穴沢避難小屋から先はさえぎるものが減り、左右の展望を楽しみながら歩けます。

トイレ:天神平、天神峠、肩の小屋。肩の小屋では100円チップを入れましょう。

危険個所:2つの耳(山頂)の間にわずかに狭いところはありますが、滑落を恐れる箇所はほとんどありません。初心者でも登れる百名山と呼ばれる所以でしょう。この日も小学生からお爺さんお婆さんまで、いろんな人を見ました。ただ、結構筋肉にきます。体力的には甘く見ない方が良いと思います。

アクセス:谷川岳ロープウェイまで、上毛高原駅あるいは水上駅から関越交通バス。あるいは上越線土合駅から徒歩。関越交通のHPなのですが、なぜかiPadで開けないんですよね。

ロープウェイのHPはこちら。天神平の気象状況が載っていて、気温等を把握するのにも役立ちます。

周辺情報:ロープウェイのベースプラザには、お土産を買える売店と食堂があります。天神平には、レストランビューテラスてんじんがあります。

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