競争の檻から脱獄する鍵、持続的創造

前回:プロフェッショナルの練習量

2. 仕事

2-5. 競争の檻から脱獄する鍵、持続的創造

競争は檻みたいなものだ。競争の檻の中にいる限り、君は大勢のライバルに負けないような努力を続けなければいけない。競争が檻だと言える所以は、君が主観的にどれだけ頑張ったと思おうと、ライバルが君より努力していたら勝てない、つまり負けるということだ。

競争の檻の中には、決まったルールや評価基準がある。だから、君がどれだけ大変な苦労を重ねても、その評価基準に照らして君より優れた成果を出す人がいれば、君の努力は君以外の人にとっては無いに等しい。当然、高い給料をもらうことはできないし、最悪お金をもらうことができないかもしれない。現実に、ある分野の世界1は当然1人しかいない。その1番を目指し続けるのも素晴らしい人生かもしれないけど、それは辛い人生かもしれない。

世の中は競争にあふれてる。別にスポーツや音楽の世界だけじゃない。大学に入学するための勉強だって、有名な大企業に就職するのだって、その大企業の中で昇進して社長になるのだって、あらゆることに競争があふれてる。

これは、競争が生物とは切っても切り離せないものだから仕方ないんだと思う。ネイチャー番組を観てみれば、生物が繰り広げる自然の厳しい競争を観ることができる。けど公園に出かけてみるのでも十分かもしれない。見つけたバッタはなにを食べてるだろう?カマキリは?鳥は?植物だって背を伸ばせた雑草の根本の方に、背を伸ばせてない小さな雑草が枯れているかもしれない。

生物は、生まれながらにして競争の檻に閉じ込められた存在なんだ。

そこで俺が君にすすめたいのは「競争の檻からの脱獄」だ。別に生物が競争を強いられているのにこれといった意味はない。『ショーシャンクの空に』の主人公アンドリュー・デュフレーンみたいなものさ。競争の檻から抜け出して、人間になろうじゃないか。そして、大空いっぱいに手を広げてやろう。

脱獄のための鍵は創造だ。創造ってのは新しいモノゴトをつくり出すことだ。創造だけが、競争の檻から君を救い出してくれる。

競争は、複数の存在が限られた同一の資源を求めるときに生まれる現象だ。存在ってのは生物や人間、企業など。なんでもいい。1人では奪い合うことはできないから競争が起きるには複数の存在が必要だ。これが競争の1つ目の条件。これは当たり前の話だ。限られた、というのが2つ目の条件。資源が無限にあったら奪い合うこともないからだ。そして求める資源が同一であること。この同じ、というのが3つ目の条件だ。

この条件に照らして創造がなにをしているかを考えてみると「新しい資源となる領域を作り出している」と言えるんじゃないかな。だから、君が創造をしたなら、君は新しい資源で生きていける。つまり、同一という条件から君は抜け出せる。それと創造で新たに作り出した資源は、すぐには限界に達しない。だから限界という条件からも抜け出せる。だから君は創造によって、競争の檻から脱獄することができる。

ただ1つ厄介なことがある。さっき、新しくつくり出した資源は「すぐには限界に達しない」と言った。実は、なにかを創造しても、そこに留まっていればライバルが必ず現れてくるものなんだ。ライバルたちは君の真似をしてライバルになったに過ぎないけれど、君を否応なしに競争の檻に引きずり込む。

だから大事なのは、1つの創造に安住することなく、創造を続けていくことだ。持続的創造こそが、君を競争の檻から抜け出させてくれる。

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