朝山 絵美|社会人美大生

武蔵野美術大学大学院 修士2021年取得。博士(造形構想)2024年取得。MFAに関す…

朝山 絵美|社会人美大生

武蔵野美術大学大学院 修士2021年取得。博士(造形構想)2024年取得。MFAに関する学びをシェアしていきます! Human centric strategist / 外資系戦略コンサルファームで経営戦略におけるデザイン領域を推進。 http://emiasayama.com

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経営者が人間らしくイキイキできる文化を創造したい

武蔵野美術大学大学院に新設された造形構想研究科クリエイティブリーダーシップコースに2年在籍し、まもなく修了を迎えようとしています。1期生としての在籍は、色濃く素敵な時間でした。アウトプットをすることが多い社会人としてのインプットの時間は本当に貴重で賜物でした。その武蔵美で過ごした時間のほんの少しを皆さまにお届けしたいと思います。 なぜ武蔵美に入学したのか新しい時代の経営のあり方について造形の視点で学びを深めるために入学しました。日々の生活の中で手に触れる商品やサービスが今後

    • 卒制展に向けた奮闘記|展示レイアウト編

      いよいよ開催まで残り3日に迫ってまいりました。 卒制展は自分との闘いです。制作準備に勤しんでいると、その様子を見て 「見えない何かといつもと闘ってるね。誰に何を言われたわけでもないのに。」 そう言われて気づきました。 見えない何か、、いや、見えないんだけれど、確かにある自分のなかの軸。5年の美大生活を通じて、自分自身の中で「美しい」と思えるか否かという軸が持てるようになっていたようです。納得感のようなものに近いですが、美しいと思える領域に到達しているかを無意識下で意識して

      • 卒制展に向けた奮闘記|パンフレット編

        ムサビの博士を卒業しまして、4月に研究発表展(通称、卒制展)が開催されます。私が展示会を行うのは、人生で二度目です。一度目は、3年前のムサビの修士の修了制作展でした。博士課程の学生として美大に3年在籍しましたが、経験を重ねられておらず、今回の博士の卒制展が二度目の展示となります。 ノンアーティストとして人生の大半を過ごしてきた私が、卒制展に向けて試行錯誤している様子を奮闘記として少しご紹介していきたいと思います。 まずは、案内パンフレット(ポスター)編です。 当初の気持

        • 祝☆学生生活を修了。けれど、博士後期課程は”学生”じゃなかった

          「美しい作品を自分の手で作れるようになりたい」「それができたら見えるものがあるんじゃないか」といった素朴な動機で進学した博士課程。 昨日D3最後の日を迎えることになりました。 3月11日に学位取得の最終承認が無事におり、3月15日卒業式にて学位が授与されました。 博士(造形構想)/Ph.D. of creative thinking for social innovation ムサビに5年前に新設された造形構想研究科クリエイティブリーダーシップコースの修士を一期生で入学し

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        経営者が人間らしくイキイキできる文化を創造したい

          美大ならではの博士公聴会に向けて

          とうとう3日後に迫ってきました。 社会人としてムサビの門を叩き、早5年、終盤に差し掛かってきました。 昨年11月末に博士論文の提出は終えており、先生方による査読期間を経て、いよいよ発表です。 ということで、発表のプレゼンテーション資料は問題なく準備を終えましたが、パネル制作に苦心しました。 昨晩、A1パネル6枚のデータを完成させ、印刷所へ入稿しました。あとは土曜日に受け取り、展示の設営作業を残すのみです。 私は、経営学のディシプリンに根差しつつも、アートを視座として取り入

          美大ならではの博士公聴会に向けて

          MFA(美大修士)を修了した私が博士に進学したワケ

          武蔵野美術大学の大学院の修士課程を修了し、博士後期課程に進学しました。現在D3、博士3年目です。 まずは一般的な定義ですが、大学院における「博士課程」の中には、「修士課程(博士前期課程)」と「博士後期課程」があります。 前期、後期とあるように、前期2年と後期3年の計5年を経て、学術研究者の卵として歩み、自立して活動を行える研究者としての一歩を踏み出していくことになります。 ただ、社会人学生としてキャリアに活かすための学業であったため、決して研究者になることを目指したかったわ

          MFA(美大修士)を修了した私が博士に進学したワケ

          学び直しに大学院を選ぶということ

          美大の大学院に通い始め、社会人美大生歴はもう5年になります。昨今注目を浴びているMFA(Master of Fine Arts)、アートのスキルを学べる場所です。 社会人歴15年前後のタイミングで大学院に入学し、修士課程で2年学び、現在博士後期課程の3年目になりました。 ここに来てようやく、アカデミックな領域のイロハがわかってきたように思います。学び直しを考え始めている皆さんや大学院への入学を視野に考えている皆さんに「学び直しに大学院を選ぶ」ということがどのような意味なのか

          学び直しに大学院を選ぶということ

          ノンデザイナーが初めての展示に挑んで気づいた20のこと

          ノンデザイナーとしての美大院生の日々。それを経て修士2年間の集大成となる卒業・修了制作展の展示への道のりを皆さまにシェアしたいと思います。ノンデザイナーが展示に挑むとこんなことすら驚く、こんなことすらつまづく、というたくさんの気づきをまとめています。 まずは展示の最終形から自身の通う美大大学院の修了制作展は3月に催されました。さすが美大ということで、広大なキャンパスの全てを使って、学生の皆が渾身の作品を展示しています。 私は、造形構想研究科という新設された学科で、論文審査

          ノンデザイナーが初めての展示に挑んで気づいた20のこと

          それでMFA(美大修士)ってビジネスにどう活かせるの?〈後編〉その3:Input編

          今回は、Input編を詳しくご紹介します。ビジネスパーソンは美術館に行けと言われるもののどういうことをアートから学べばいいのかしっくり来てない方、ならびにデザインの世界でデザインリサーチというパートにご興味のある方は是非読んで頂きたい、そんな内容になっています。 はじめにこれまで3回に渡り投稿してきました。前編をはじめとし、ビジネスにおける仮説を立てる、という状態から逆流する形で後編をご紹介してきました。この後編では、それぞれのプロセスごとに、〈What〉MFAの何が活かせ

          それでMFA(美大修士)ってビジネスにどう活かせるの?〈後編〉その3:Input編

          それでMFA(美大修士)ってビジネスにどう活かせるの?〈後編〉その2:Synthesis編

          ビジネスにおけるMFAの活用の具体的なポイントを後編にてお伝えしています。本投稿は後編の2、Synthesisパートのご紹介です。Synthesisという言葉はピンと来ない方もいらっしゃるかもしれませんが、このパートは、デザイン思考と呼ばれるものがこれまでのビジネスの思考法と何が違うのか、アイデア発想って結局なんなの、と腑に落ちてない方に是非読んで頂きたいパートです。 はじめに人々を魅了するものを提案するメカニズムとして3つのプロセス Input → Synthesis →

          それでMFA(美大修士)ってビジネスにどう活かせるの?〈後編〉その2:Synthesis編

          それでMFA(美大修士)ってビジネスにどう活かせるの?〈後編〉その1:Output編

          アートをビジネスに活かそう、これがなんとなく腑に落ちないなと思っている多くの方に、自身が美大修士を通じて腑に落ちたことを言語化してお伝えしたいと思っています。MFA(美大修士)がビジネスにどう活かせるのかをお伝えしていきます。 はじめに前編・後編に渡って、4つのポイントにお応えしています。前編は、〈When〉どの局面でMFAが活かせるのかを中心に、〈Why〉なぜMFAが行かせると言えるのか、〈What〉MFAの何が活かせるのか、の触りをご紹介しました。 前編にてご紹介した

          それでMFA(美大修士)ってビジネスにどう活かせるの?〈後編〉その1:Output編

          それでMFA(美大修士)ってビジネスにどう活かせるの? 〈前編〉

          日々の仕事やビジネス、ひいては経営に、MFAでの学びがどう活かせるのか、一気にまとめてご紹介します。 はじめにビジネスにアートが必要だ、ビジネスパーソンは美術館にいきましょう、と昨今盛り上がっていますが、具体的に何がどうビジネスにプラスに作用するのか、感覚的にわかるようで、ストンと腑に落ちないもどかしさがありますよね。私もMFAを学ぶ前、感覚ではわかるものの、腑に落ちるレベルまではいっていませんでした。 MFAでの積み重ねとこれまでの経験をもとに、芯で捉えられるところまで

          それでMFA(美大修士)ってビジネスにどう活かせるの? 〈前編〉

          美大にとっての当たり前と私にとっての当たり前:パネル編

          アートから程遠い社会人生活を送ってきた私は、自分の当たり前と美大の当たり前のギャップに翻弄されることが度々ありました。当たり前のように使われる美大語がわからないのです。最初に受けた洗礼は、入試そのものでした。 パネル持参・・・武蔵美の大学院入試の出来事。社会人方式の場合、職務経歴書と研究計画書の事前送付と、そして入試当日の面接、の3つ。日本で初の社会人向けに美大院が開放された1期生の入試、ということで、情報も過去問も出回っていません。デッサン等の絵のスキルは見ないということ

          美大にとっての当たり前と私にとっての当たり前:パネル編

          MFA(美大修士)では一体どんなことを学ぶの?

          MFAで一体何が学べるのか、私の経験に基づいた全容と、大切に感じた学び2つを皆さんにご紹介します。 MFAとはMaster of Fine Arts。美術大学大学院で取得できる修士号です。MFAはまだ世の中的にも認知され始めたばかり。それぞれの大学院の特徴もあり画一的なものとして語ることができませんし、今日この時点では、明確にMBAのように、これというプログラムは確立していません。 私が通う武蔵野美術大学大学院では、従前より造形研究科がありまして、2019年4月より造形構

          MFA(美大修士)では一体どんなことを学ぶの?

          経営を学び直したいと思った私がMFA(美大修士)を選んだワケ

          日本ではまだ馴染みのないMFAについて、そしてMFAで学べることが何なのか、私のこれまでの社会人としての学びと美大修士での学びを関連づけながらこれから紹介していきたいと思います。本日は、十数年に渡り戦略コンサルティングファームで働いてきた私が、経営を学び直したいと思い立った際に、数多ある選択肢の中で、MBAではなくMFA(美大修士)を選んだ理由を紹介します。 学び直しのきっかけビジネスの立ち上げや推進を支援するお仕事に携わるなかで、あらゆる局面で現状のアプローチのみに終始し

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          心の五感のセンサで提案することが真のユニバーサルデザイン|赤池 学さん

          8月17日、武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダシップコース クリエイティブリーダシップ特論Ⅱ 第14回の授業内にて、ユニバーサルデザイン総合研究所代表の赤池学先生のお話を聴講しました。 「Design for ALL」という言葉を掲げ、多様な市民にとってシェアできるものから、生態系を意識したところまでシェアできることを重要と唱えておられる。そのDesign for ALLを構築するために重要なのが、以下であるとのこと。 意味と価値のイノベーションを

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