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どのゲームに、いつ参加するかで勝敗が9割決まる

こんにちは、こうみくです!

先日、けんすうさんと中国のライブ配信業界に関する勉強会を行いました。

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(こちらの勉強会、とても好評をいただきまして、平日の真昼間での開催にもかかわらず、260名以上の方に参加いただきました!アーカイブは中国トレンド情報局の中でみれます)

そのとき、今の中国のライブコマース系インフルエンサーと言えば、AustinさんとViyaさんが圧倒的2強だとお話ししました。

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(左が美容系インフルエンサーのAustinさん、右がファッション系インフルエンサーのViyaさん。5分のライブ配信で平均3000万円以上は売り上げるというおふたりです)


すると、視聴者の方より、


「中国ではたくさんのインフルエンサーがライブコマースをやっているのに、なぜ、この2人がいちばん強いのか?」

 
という質問を頂いて、とても興味深いなと思ったので、今日はそれに関して深掘りしていきたいとおもいます。
 
結論からいうと、

個人のキャリアにおいてはタイトル通り、「どのゲームに、いつ参加するか」という部分が、勝負を左右するほとんどのポーションを占める、という点がその問いの解を読み解くKey Pointとなります。
   
たとえば、アリババのECサイト、Taobaoは2015年にライブコマース機能を強化すると発表したとき、その最初の研修に参加申し込みしたインフルエンサーはたったの5人しかいませんでした。
  
その中のひとりがViyaだったのです。
  
一方Austinは、デパートで化粧品の美容部員として働いていて、彼もライブコマースがリリースされた初期から参入していました。
  
つまり、2人とも先行者としてのアドバンテージが大いにありました。これが「いつ、ゲームに参加するか」という部分です。

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一方で、「どのゲームに参加するか」を見極めることも同じくらい重要です。

どんなにこれからも盛り上がるというゲーム(産業・市場)でも、じぶんに全く適性がなければ、勝てません。


事実、Austinはライブ配信といった、画面越しにオンタイムでお客さんがいる状況では非常に話しやすくて向いていると感じている一方、YouTubeやTikTokといった録画&編集型のビデオ形式のコンテンツ作りはとても苦手だと、インタビューで話していました。なので、彼の特性として非常にハマったのですね。


かつ、彼が数年間ロレアルの美容部員を経験していたキャリア、そして男性である希少性が大きくプラスに働きました。美容成分の専門知識や化粧品に関する情熱が、ただただブームに乗って惰性で化粧品を売っていた他のインフルエンサーとはレベチで、一線を画していました。

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(口紅を最初の商材として、美容系インフルエンサーの確固たる地位を築いたAustin。別名口紅王子)

よって、

ゲームの参入タイミング(いつ参加するか) x  どのゲームに参加するか(どれが自分に向いているか)
 
このふた要素の掛け算がピタッとハマった時に、個人のキャリアとして成功が9割決まっていきます。逆にいえば、どちらかが欠けていても、非常に苦しい試合を強いられることになるでしょう。
 
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上記の掛け算が非常に大事だということは、インフルエンサーに限った特別な話ではなく、今まで総合商社、北京のバイトダンス(TikTokの会社)、そして独立したいまと社会人歴10年弱経験したわたし自身の経験からも日々感じています。
  
たとえば、社会人になってから最初の3年間、わたしは総合商社のコービー部門でコーヒーの貿易実務に明け暮れていました。
  
「社会人になったからには、スキルを身に付けなきゃ!」と、土日はTOEICや簿記の勉強に明け暮れ、平日は朝早く出社しては地球の反対側にいるブラジルのクライアントと接するために平均23時退社。先輩からの飲みの誘いももちろんついてく!…と、かなり命を削った働きを3年間、ほんとにほんとに一生懸命がんばりましたが…。
 
いままで数多くのメディアインタビューや転職面接を経験しましたが、そのキャリアの部分を深くつっこまれることはほぼ1度もありません…!笑
   
もちろん、個人的に社会人の基本動作が叩き込まれた、基礎知識を勉強したことはビジネスマンとしての基礎体力になったと考えれば、当時の日々がすべて無駄だったとはおもいません。

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(総合商社マンとして、インドネシアの奥地へ出張し、コーヒー工場を尋ねていた時代の一枚です。胃腸の強さだけは、誰にも負けませんでした)

  
…思わないけれども。
 
コーヒー産業は日本は既に何十年前から成熟していて、わたしはいくら頑張ったとは言えども、先輩がたが培っていた商売を引き継いだだけで、特に他のひとにはできないような独自価値を発揮したわけではなかったので。その中ではどんなにがんばったからと言っても、評価されないのは、当たり前なのです。
  
どんなにがんばったと主張しても、人材市場からみて、あの仕事を1年やっても3年やっても、わたしのビジネス人材としての市場価値は特に変わりはなかったというのがシビアな現実なのです。
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社会人になると、特に若いうちは、ついつい「とにかくスキルを身につけなくては」、「資格を取らなければ」、「朝から晩までがむしゃらにがんばらなければ」とあせってしまいがちですが、
  
このように、人材の市場価値、そしてじぶんが稼げる金額、手に入る知名度といった一般的に定義されるビジネスマンとしての成功を左右するのに、そういった部分は全体の1割、多くて3割ぐらいだというのが現実です。
  
それよりも、圧倒的に大事になるのが、

・成長産業、成長中の組織にタイミングよく飛び込むこと。(いつゲームに参加するか) 

・じぶんの活躍できるフィールドを見極めて、そこで戦うという取捨選択力なのです。(どのゲームに参加するか)
 
この2つを見極めることこそが、成否を左右する大半の要素であり、そのポジショニングを見極めることこそが、いちばんの勝負どころなのです。


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