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【全文公開】親だってしんどい 不登校の先輩パパママが実践した心が折れそうな時の乗り切り方

 親だって、しんどいんです――。わが子の不登校に直面したとき、そう感じる親御さんはすくなくありません。親は誰しも、がんばっているからです。しかし、何をやってもうまくいかないときもあれば、他人の何気ない一言で心がかき乱されるくらい苦しい思いをすることもあります。親の気持ちがしんどくてたまらないとき、ほかの親はどのようにして乗り切っているのでしょうか?長年の取材を通じて得た「不登校先輩パパママのしんどいときの乗り切り方」をご紹介します。

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 不登校でもっともつらい思いをしているのは子ども自身です。ただし、親には親のしんどさがあるものです。取材を長年続けるなか、「親だってしんどい」という話を何度も聞いてきました。「あなたの育て方に問題があったのではないか」と言われて傷ついた親もいます。子どもから「死にたい・消えたい」と言われ心がつぶれそうになった親もいます。「街中でうちと同世代の子どもが学生服を着て楽しそうに歩いている姿を見て涙が出た」という話を聞いたことも、1度や2度ではありません。そこで今回は、しんどい気持ちになったとき、どうやって乗り切ってきたのか。先輩パパママが実践した方法を紹介します。


物理的な距離と感情の吐き出し

 しんどい気持ちの乗り切り方として、親からよく聞くことが2つあります。1つは「子どもとの距離を物理的にあけること」、もう1つが「自身の本音を誰かに話すこと」です。子どもが不登校した際、仕事や趣味のサークル通いなどを辞めてしまう親がいます。子どもが小学校低学年など、そうせざるを得ない場合もありますが、子どもからは「親が家に居ない時間があることでのんびりすごせた」と歓迎する声も聞かれます。親子それぞれの時間をすごせるという意味で「親は元気で留守がよい」ということです。

 また、不登校で悩む親どうしが話し合うことで「私だけじゃないんだ」と思えて気持ちが軽くなったという親もいます。しんどい気持ちがたまっていく心のコップから水がこぼれる前に吐き出すことで、親の心に余裕が生まれます。
 同時に、「ほかの人の話を聞くことも大事だった」と話す親もいます。自分のなかで堂々めぐりしていたことが、ほかの家庭の話を聞くことで、それまでとはちがった視点で考えられるようになるということです。

日記を書く 映画を観る

 他方で、外出もままならないし、不登校の親の会も近所にないという親もいらっしゃると思います。そんな場合でも実践できることを紹介します。1つは、日記を書くこと。ある親は、子どもの一挙手一投足に揺れてしまう自分自身の気持ちを日記に書くだけでも、すこし落ち着いたと言います。また、日記をつけていると「こんなところが変わってきた」と、以前とのちがいに気づけるということもあったと言います。

 もう1つは、泣ける映画を観ること。子どもの前では泣かないと決めていても、どうにもならないときもあります。そんなときは、リビングで映画を観ながら泣くという親もいます。じつのところ、その方は映画の内容だけでなく、今の状況について泣いていたわけですが、子どもの目に映るのはあくまで「映画を観ながら泣いている親」となります。

 しんどい気持ちの乗り切り方をいくつか紹介してきましたが「そんなことをしても何も問題は解決しない」と、冷ややかに見る人もいるかもしれません。でも、親だって人間です。しんどいとき、その気持ちを吐き出さないかぎり、どんどん心の余裕がなくなってしまいます。そうなれば、子どもにきつくあたってしまい、子どもも親も自分を責めてしまうという悪循環に陥ってしまいます。今回紹介した実践例が1つのヒントになればさいわいです。(編集局・小熊広宣)

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