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駅前のカフカ

同じ登場人物のお話です。
読み切りですので、
お時間のある方はどうぞ。

駅前のカフェ。

今日も友達と待ち合わせ。
 
メイクプリンターを使うようになり、
友達は待ち合わせに送れなくなった。
 
それはいいことなんだけど、
実は私…20分前からここにいる。
 
どうやら私はこのカフェでの、
待ち時間が好きだったみたい。
 
だから今日もここで、
コーヒー片手に読書中。
 
そしてアラームの音で、
本を閉じると待ち合わせの駅前へ。
 
するといつものように、
ガーリーな服装の友達が……
 
(こわっ!!あれ何!)

ガーリーで頭に袋をかぶった不審ふしん人物。

(まっすぐ…私目指して…
 直進してくるんですけどぉぉぉ~!!
 嫌ぁぁぁ~!怖すぎぃぃぃ~!)
 
「誰か~!助けて~!!」
 
「誰が?」
「へっえぇっ?!」
 
「どう?驚ろいたでしょ?みおちゃん」
「そ、その声は……めいちゃん?」
 
「そうだよ。やっぱり驚くよねこれ」
「いや、そりゃ誰だって、
 頭から袋被ふくろかぶった人間にせまられたら、
 大概たいがいの人はおどろくよ~」
 
ふくろ?頭から?
 あっ!ごめん!
 スイッチ入れるの忘れてた!」
「はい?」
 
「私この格好かっこうのまま、
 ここまで来たんだ…。
 どうりで人が私の周りから、
 はなれてくわけだ」
「ねえ、めいちゃん。
 それは何かのドッキリ?」
 
「ごめんね。説明するより、
 ちゃんとすればわかると思うんだ。
 あれ?ボタン押せない…
 あった!ヨイショっと!」
 
頭にふくろかぶっためいちゃんが、
急に有村○純になって、
私は2度おどろいた!
 
「ええぇぇええ~!!
 うわっ!なにこれっ~!」
おどろいたでしょ?」
 
「え?!めいちゃんなの?」
「そうだよ。私だよ」
 
「うわ~顔が有○架純で、
 声がめいちゃんだぁ。
 すっごい違和感いわかん
「これはね、新発売のフェイスマスク。
 すごいでしょ~。誰の顔にでもなれるんだよ。
 私は有村架○の顔で、
 みよちゃんをおどろかせようとしたのに、
 ごめんね、ただの不審者ふしんしゃで」
 
「いいよ、わかれば。
 でも、わかっててもおどろくね、これ」
「でしょ?これは登録データの人物の顔を、
 このマスクに投影とうえいするの。
 だから誰にだって変身できるんだよ」
 
たしかにすごい。
 
 パウダーピンクのブラウスに、
 白のロングスカート。

 春コーデ有村○純、超可愛ちょうかわいい!

 このマスク使えばどんな服でも、
 いけるじゃない!!)
 
「これは流行はやるね!」
「そうでしょ?私もそう思う。
 だって見て見て」
 
ピッ!
浜○美波!すごっ!

ピッ!
橋本○奈!可愛かわいい!

ピッ!
新○結衣!キレイ!

ピッピッ!
和田ア○子…ピッ!
有村○純……。
 
ん?
 
「どう?すごいでしょ?」
「確かに…すごい人いたね」
 
「これは、男性にも変われて…」
「めいちゃんわかった。
 でもそんな芸能人の顔のままだと、
 目立っちゃう!
 周りの人たちがこっちに……あれ?
 うそっ!!
 通行人つうこうにんがみんな芸能人げいのうじんカップル!!
 何この光景こうけい!!
 こんなの紅白か、
 オールスター感謝祭かんしゃさいでしか、
 見たことないよ!」
 
「みよちゃん興奮こうふんしてるけど、大丈夫?」
「なんでこんなことに?」
 
「みよちゃん知らないの?」
「何が?」
 
「このマスク昨日、
 駅前で無料配布むりょうはいふされたんだよ」
「無料?!」
 
「だからこの近郊きんこうの人達は、
 みんなかぶってるんだと思う」
「そんな、私それ知らない。
 ちょっと待って!
 もしかして…」
 
「?」
「ここで一般人いっぱんじんなの、
 私だけなんじゃない?!」
 
「そうだね」
「私、一番目立ってるじゃん!!」
 

つづく。

この話はフィクションです。
実在の人物とは関係ありません。

お疲れ様でした。