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「不可解弐Q1 観測δ / MAGIC MOMENTS」ありがとうございました

いつも応援してくれてありがとうございます。
10/10は花譜の2ndワンマンライブ「不可解弐Q1 観測δ / MAGIC MOMENTS」をご視聴頂きありがとうございました。
遅くなりましたが「不可解弍Q1」についてプロデューサーとしての想いを書かせて頂ければと思います。

今回の「不可解弐Q1」は過去2回実施してきた「不可解」「不可解(再)」のようなリアルライブではなく「バーチャルライブ」という初めての形式で、花譜にとっては3度目のライブに挑戦致しました。
具体的な技術面での詳細は現状ではまだお話は出来ないのですが、ひとまずコンセプトの話が出来たらと思います。

コロナ騒動が起きてリアルでのライブが当面不可能になった当時、バーチャルライブという選択肢に絞られた結果、正直僕らは頭を抱えていました。

既存のバーチャルライブプラットフォームで僕らが考えている表現は現状ではまだまだ実現不可能だと判断したからです。
なので「汎用性があるプラットフォーム」では無くあくまでも「オーダーメイド」に拘り、たとえ流用が利かなくても制約があろうとも「不可解」が実現出来る“バーチャルライブハウス”を作りたいと考えました。

「不可解弐Q1」では最初に“滅んでしまった異文明の教会の跡地”というのをコンセプトとして、バーチャルライブハウス「PANDORA 」をデザイナーのヤマザキヒロカズさんと共にデザインしました。

そこから“教会の再生”や“賛美歌”、“祈り”というキーワードが徐々に産まれてきたのですが、圧倒的な世界的な環境変化の前に何も出来ない僕らに今出来ることはまず「祈ること」なのではないか?と途中で気が付きました。
歌の発祥ってそもそも「祈ること」だったのではないだろうか。

そんな空間のイメージもあり、ディストピア感あるバーチャルの教会で「無観客ライブ」を行い、花譜ではなくバンドメンバーを現実空間から召喚する「リアルとバーチャルを逆転させたようなライブ」を形作りたいと考えが纏まりました。

実際バンドメンバー自体も3D化する事を一度は考えてはみたのですが、現状の僕等の技術では様々な理由で難しいと判断し、あの「モノリス」のような形状に辿り着きました。そういった制約があった上での表現になったことが結果として“より不思議な世界観”が生み出せた理由なのかな、と思います。

また曲ごとの演出への言及については控えさせて頂きますが、「不可解弐Q1」に参加して頂いた沢山のクリエイターの皆様、本当にありがとうございました。

そしてライブの最後で発表させて頂きました花譜の2ndフルアルバム「魔法」のリリース、人工歌唱ソフトウェア「音楽的同位体 可不」、そしてFLAT STUDIOが制作したエンディングアニメーション「物語を君へ。」。
この3つに関しては改めて別の機会にもう少しご説明させて頂ければと思います。

未知のウィルスによって世界は今迄見た事のない形に変容しつつあります。
その中で選んだ言葉が「魔法」です。

観測から魔法へ。
音楽は魔法であって欲しいけど、魔法なんて無いのかもしれない。
ほとんどの場合、人は人を救えない。
運命はもしかしたら、変えられないかもしれない。

今迄見たことが無い世界の変化の中で、エンターテイメントの分野で活動する僕らに出来る事なんて勿論限られています。
もしかしたら今は僕らの作り出すものは必要無いのかもしれない、とすら思います。

でもだからといって全てを諦めてしまうのではなく、「音楽は魔法」と言ってしまえるくらいの無邪気な言葉が、いつかどこかの知らない誰かの救いとなるように。
この魔法をたった一人の少女の祈りに変えたい。

そんな事をコロナ禍での日々の生活の中で考えてきました。

思えば遠くまで来てしまったなと考える事があります。
出会った当時の花譜は13歳で、“物心がまだついてなかった”というか、ちゃんとした意思疎通が出来ていなかったように思います。
決して上手くはない彼女の歌に、僕はなんだか激しく心を動かされてしまいました。
心を動かすその正体がなんなのか。
その根源をよくよく考えてみると、彼女の歌は「上手い」ではなく「良い」だったからなのでは?と思いました。
歌が「上手い」人は沢山いますが「良い」人はそうそういないのです。※感覚的な話ですみません。

そんな素晴らしい“未完成の才能”を持つ彼女との出会いから、もう3年近く経ってしまいました。
出会った当時と比べると今の花譜は、本当に驚く程人間としても歌手としても著しく成長したと思います。

彼女自身が言うように、彼女の成長の全ては花譜を観測してくれている「観測者」の皆さんのおかげです。皆さんが観測してくれたから花譜は花譜になりました。

2021年「不可解弐Q2」をご期待下さい。
絶対に後悔させません。皆さんも自分達自身をも感動出来る体験を産み出します。
どこにでもいるどこにもいない少女の「可能性の拡張」の続きを、「生きて、生きて、生きて」是非目撃して下さい。

改めまして、今回は花譜の2ndワンマンライブ「不可解弐Q1」をみて頂きありがとうございました!

花譜プロデューサー
KAMITSUBAKI STUDIOプロデューサー
PIEDPIPER


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