見出し画像

032話:革を作ってみる1

「理想の革製品を作りたい、でもいい革がない」そんな時は

革そのものを作ってしまいましょう。

レザーアワード2012が終わった後、革素材をつくることにハマった時期がありました。ここから何回かは革を作ったお話しをしますね。

革ってなに?
動物の皮を、腐らないよう、柔軟性や加工性をもたせたもの。

下記画像出展:http://timeandeffort.jlia.or.jp/column/basic/01_2.html
見出し画像もtime&effortさんのページが出展元

そもそも革の作り方って?

詳しくは出展元で画像もあるこちらのHPを見ていただきたいのですが、大雑把には以下とおり。

01:皮の保管
 動物の皮を腐らないよう、塩漬けで保管。これを原皮と呼びます。

02:洗濯
 塩漬けされていた原皮をドラムに入れ、大量の水で塩分や汚れを落とす。
同時に、原皮に充分な水分を与えるため丹念に。

03:前処理作業
 繊維をほぐし、毛を抜きやすくする「石灰漬け」「脱灰」や、「フレッシング」など。

04:なめし作業
 ドラムを使うなめしと写真のようなピットにつけて行う方法に分かれる。ここで皮から革へと変化

05:洗いと油分の調整、乾燥
 なめした後の革を洗い、必要に応じて脂分を加え乾燥させる。

06:革漉き
 厚みを均等にしたり、注文に応じた厚さに漉いていく

07:仕上げ前処理
 革をのばし、柔軟性を与え、乾燥へと移る。革の厚さや種類、また気温湿度によって、
微調整を入れながら行う

08:染色
 染料に漬け込んで染色する場合と、スプレーで顔料を吹き付けるやり方にわかれる。
染料の場合は乾燥前に行う。

09:仕上げ加工。
 必要に応じ、型押しやアイロンによる艶出しなどが行われ、最後に計量、梱包し、出荷へと流れる。

結構な手間もかかりますし、作業環境も過酷。個人がやるにはキツイように思えますが、これを要素ごとに分解してみれば、以外と取りかかれます。

個人ではどうやってやるの?

結論から言えば、私は原皮からつくることを諦めています。基本的には、上記工程の01〜04の処理はやりません。(ここでは04もやったケド。)

すでに完成している革素材を購入し、05〜09を自分で、再実施することで理想の革をつくっていくアプローチです。

革の購入は問屋さんに直接行ってもいいですが、敷居が高いと感じられる方はレザークラフトフェニックスさん、などネット販売している革屋さんで購入してみても良いでしょう。

具体的にどんな場合に加工するの?

A:しっとり感が欲しい
 →上記05の工程を再実施。革に水分含ませたあと(含ませない場合もあります)、オイルを塗布して乾燥させる。

B:革にもう少し柔軟性が欲しい
 →上記07の工程の一部を再実施。革を四方八方によく揉み込みます。

C:色が気に食わない
 →上記08の工程再実施。自分で染料や顔料を購入して染色しましょう。無染色のオイルがあまり入っていない革素材を買うと作業がはかどります。

D:厚みを薄くしたい、厚くしたい
 →革漉き屋さんに出しましょう。フェニックスさんでもやってくれますが、革漉き専門の業者さんもあります。

などなど。いかがでしょうか?そこまで大変な手間もかからず、東急ハンズで手に入るものでできますので、ぜひ挑戦してみてください。

次あたりに、具体的な革素材の製作レシピでも載せてみようかなと思います。

ZinRyuのツイッターはこちら。





気軽にカジュアルに履く方も作る方も革靴を楽しんでいただきたいので、有益な靴や革の情報を基本的には無償で公開していきたいと思います。 皆様のスキやサポートのおかげもあり、何とか続けてこれました。今後とも応援していただければ嬉しいです!何卒よろしくお願い致します!