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別れの予感..

きっともしかしたら・・・

私は、

アナタとの別れを予感していた。

そして不運にも...

その予感は、的中してしまった。

ほら..
やっぱりね....

私の思った通りだったわ・・

女の感って....

なぜか当たるのだ。

それもまた..
かなりの確率で・・・。

通常ならば、
毎年 3月26日・・

子どもたちの学校では
離任式がおこなわれる。

その日 子どもたちは、
離任される先生方との別れを惜しみつつ..
成績表をもらってくる。

そして、
学校側からは保護者宛に、
離任される先生方を知らせるお便りも
配られる。

だがしかし…

今年度は
例のウイルスの影響により…
離任式はとり行われず、

成績表含め
その他お知らせのお便り等を
指定の日に..保護者各自が、
学校に受け取りに行くように
なっていた。

いつもこの時期になると...

クラスのママ友LINE上では、
どの先生が異動になるのかという話題で
持ちきりになる。

そして、
うちの子どもたちも・・

どの先生が異動になるのか
毎年..とても気になるようで

今回も、子どもたち同士で
色々と推測し合っていた。

教員の異動は、
例年によると
大体 3〜4年周期が一般的なようだ。

だとすると・・・

次男坊の担任は
すでに3年在任しておられるので、

きっとおそらく..

今回で異動になるのではないかという
予測は立っていた。

ちなみに・・

次男坊の担任は、
現在33歳。

メガネをかけた長身の..
まるで少年のような無邪気な笑顔が
私を中心とした
ママたちの乙女心をくすぐる
ベビーフェイスな男性教諭だ。

..残念ながら、妻子がいる。

いつも授業参観などで 
お見かけするたびに...

生徒や保護者たちに
爽やかで柔らかな笑顔を
振りまいて下さっていた。

彼のスマイル光線は、
もう・・
半端ないくらいに輝かしい。

あまりにも眩しすぎて...
彼と偶然にも目が合ってしまった暁には...
ユウリ母の乙女心は
思わず満開になってしまうほどだ。

私は、

年に二度ほどある個別面談が
密かな楽しみだ。

だってだって・・

あの..広〜い教室の中で、

あの..スマイリーな先生と
2人きりになれるんですもの...

個別面談の際・・

私はとても心配性なので、
指定された面談時間の10分前には...

教室前の渡り廊下で、
用意されている椅子に
ちょこんと座って..
持参した本を読みながら、
自分の番が来るのを
ドキドキしながら待っている。

その時 面談中のお母さんと、
先生との会話が、
私が本を読んで待っている
シ〜ンとした その廊下にも、
リアルに聞こえてくる。

そして 時に..
その2人の間に
笑いがどっと湧き起こったりするのだが・・

私は その度に...
先生と笑い合っている
そのお母さんに、
ちょっぴり 嫉妬しちゃったりなんかする。

そして・・
待つこと10分弱後・・・

ついに 私の番が来る。

何にも起こらない...って決まっているのに..

どう考えたって
何も起こるはずがないのに...

教室に入る瞬間..

そして、

先生の目の前に座る瞬間..

私は、ドキドキが高まって
緊張感がマックスになってしまう。

普段の日常生活において、

密室で男性と2人きりで
会話をするなんてことは、
まず...皆無なので
やけに緊張してしまうのだ。

だって...
医者にかかった時ですら・・・

診察する医師が
男性であったとしても....

その男性医師の背後には、
看護師 という名の背後霊が
常に男性医師に
ピターッとつきまとっているのだから...

話は戻るが・・・

先生との面談時間...

制限時間は、一人15分程度だ。

先生からは
我が子の学校での様子を聞かせてもらい、
ユウリ母からは
子どもたちの家庭での様子を報告する。

そして、余ったわずかな時間で雑談をする。

『先生』と『生徒の母親 』

....としての会話から

『一般男性』と『一般女性』

....としての会話に移行するのだ。

次男坊の担任とに限らず..

個別面談では、
毎度毎度..

子どもについての会話が一通り終わった後の
その残った制限時間内での
先生との雑談が
楽しいこと楽しいこと....

普段はオブラートに包まれている
先生のプライベートに触れるのは、
とても興味深いし、とても刺激的なのだ。

...と、

また・・

話は逸れてしまったが・・

そうそう...

学校に成績表と
お便りを受け取りに行った時の話に戻すと・・・

私と子どもたちは、
職員玄関のインターホンを鳴らして
子どもたちの担任がそれぞれ 出て来られるのを
ドキドキしながら待っていた。

担任の先生方が、
子どもたちそれぞれに..
温かい言葉を添えながら、
成績表などの入った茶封筒を渡してくれた。

それと引き換えに・・

子どもたちからは、
用意してきたお手紙をそれぞれの先生に渡した。

1年間お世話になった感謝の気持ちを込めて、
私たちは、先生方に深々とお辞儀をして玄関を出た。

...と、その際に・・

次男坊の担任が
玄関の外まで出てきて下さった。

私はその時...

一瞬....

胸騒ぎがした。

そして..

先生から..

今回で異動になる旨を伝えられたのだ。

「次男くんのお母さん...
先ほどお渡しした茶封筒にも
お知らせのお便りが入っていますが、 
私、今回で異動になるんです。
今まで3年間本当にお世話になりました。」

...と。

密かに懸念していた

次男坊の先生との別れの予感が....

見事に的中してしまったのだ。

私は、

「あー....やっぱり・・」

....という気持ちと、

「えーー!!そうなの??」

...という気持ちとが、

頭の中でごちゃごちゃに混ざり合い…
とても複雑な気持ちになって
思わず涙が溢れて出てきた。

涙で声が震わせながら...

私は 改めて先生に
子どもたちが3年間お世話になった
精一杯の感謝の気持ちをお伝えした。

子どもたちも泣いていた。

別れというものは、

いつ何時も..

そして・・

どんな関係の人とでも...

辛くて悲しい・・・

なぜにどうしてこんなにも..
切ないものなのだろうか・・・

私たちは再度、先生にお辞儀をして
駐車場に停めていた車に乗り込んだ。

先生は、とても温かい眼差しで...
手を振りながら、私たちを見送ってくださった。

そして、
子どもたちも・・

おまけに..私まで 大人気なく...

車の窓を全開にして
先生に向かって大きく手を振りながら、
泣く泣く...
先生と最後の別れを惜しんだのだった。

車中...

子どもたちは すっかり笑顔を取り戻し、
持参したお菓子をキャーキャー言いながら
食べている。

だが...

ユウリ母だけは・・・

次男坊の担任の異動の事実を
受け止められずにいた。

恋心というのとは、
またちょっと違うのだけれど...

でも..それに近しいような感情が、
私の中にはあったのだった。

...であるがゆえに・・

次男坊の担任に
別れを告げられた時..

私は 、なんとも表現し難いような..
複雑な心境に陥ったのだった。

先生の..
あの無邪気な笑顔を・・

私は もう二度と..
目にすることが
できなくなってしまうのね.....。

いつもであれば・・
子どもたちと一緒に
お菓子を貪り食うはずなのに...

この時ばかりは・・

さすがのユウリ乙女も・・・
食べる気には なれず..

まるで..

恋人との別れを惜しむかのようにして..
学校を後にした ユウリ母なのであった。

そして、

その日の晩・・・

次男坊のクラスのママ友LINE上では...

我らママたちのアイドルであった
担任男性教諭との別れを惜しむ声が、
いつまでもいつまでも止むことなく..
飛び交っていたのだった。

次男坊の担任とは、この先
もう二度と会わないかもしれない。

だけれども...

私は、彼を...
彼の笑顔を...決して忘れない。

彼の笑顔は、
この先も
ずっとずーっと・・
私の心の中に
永遠にとどまり続けることだろう。

それほどまでに
彼の笑顔は素晴らしかったのだ。

私の中での彼の位置づけは・・

『彼』=『次男坊の担任』

..というよりも・・

『彼』=『笑顔が最強な男』

だったのである。

笑顔というのは、

自分を相手に印象づけるための
最強のマストアイテムなのだ。

だから、人間は..
どんな時も笑顔を忘れてはならない

...と、

私は そう思って...

いつも 微笑みを絶やすことのないよう
気をつけながら 日々を生きている。

もしも万が一・・

奇跡的にも・・・

私が 彼とどこかで運命の再会を
果たすことがあるならば・・・

その時は、
お互いに最高の笑顔で...
再会の喜びを分かち合いたい・・

...と..

私は、そう願っている。


今日も、明日も明後日も....

笑顔を忘れない自分でありたい。

*私は、昨日の真夜中過ぎに
 次男坊の担任の笑顔を思い起こしながら...
 この話を綴っていた。

 そして、
 本日の昼過ぎに
 志村けんさんの訃報を知り・・

    まさしく今...
    志村けんさんの笑顔を思い起こしながら...
    こうやって 追記をしている。

    志村けんさんもまた..
    次男坊の担任同様に
  笑顔がとても素敵な男性であった。

  笑顔は、人を笑顔にする。
  笑顔には、人の心を和ませてくれる効果がある。

  志村けんさんは、
  日本だけにとどまらず・・
  世界各国の人々に
  笑顔と元気を届けてくれた。

  志村けんさんのご冥福を
  心よりお祈り申し上げます。

 

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