1.4 記念すべきこの日に

泣いている、時代の終焉に。
泣いている、時代の始まりに。

こんなに完璧な、完璧な終わりがあるだろうか。

1.4東京ドーム、それを見ながら僕は泣いている。

話したいことはたくさんあるが、この素晴らしきメインイベントの結末について話させて欲しい。

内藤哲也 対 SANADA、IWGP世界ヘビー級王者とG1 CLIMAX王者によるメインイベント。それだけ自分の団体の最高王座に誇りを持っていると言える。他団体のことを引き合いに出すのはあまり良くないが、NOAHが満身創痍の飯伏をメインイベントにして大失敗したのに対し、どんなに大物を呼んでもどんなに他のベルトのストーリーが盛り上がってもこの構図をメインに置いてくれる新日本には信頼しかない。

SANADAは最高王座は初戴冠で自分からの発信はあまりせず、内藤哲也が盛り上げており、試合前のストーリーとしては不十分であった。
LIJを脱退し新たなユニットを立ち上げたSANADA。共にタッグ王座を戴冠した内藤哲也に自分の変化を見せられるか、といったようなストーリーに僕は捉えていた。内藤哲也としては四年前にKENTAによって阻止されることとなった念願の東京ドームメインでのデハポンの大合唱を成功させるべく勝利が必要だった。

前述のNOAHの件もあり少し不安になりながら見た試合だったが、武藤敬司の影響を少なからず受ける両者の、これまで培ってきた自分の全てをぶつけるような素晴らしい試合であった。掟破りのデッドフォールも飛び出し、バレンティアからの正調式デスティーノで幕を閉じた。試合途中はSANADAがラウンディングボディプレスやシャイニングウィザードで押す展開もあり、SANADAも決して負けていなかった。


で、ここまではまあいい。最高なのは終わり方だ。

内藤が勝利しマイクを持つと、突如現れたのはEVILとディック東郷。4年前の悪夢が思い出される。EVILは傍若無人に8代目王者を主張するが、誰もLIJのメンバーは助けに来ない。(なんでなんだ)
また大合唱はお預けか....と思った時、リング外から助けに来た男がいた。それは、SANADAだった。
違うユニットに行き、最高王座を掴むも、元いたユニットのリーダー内藤哲也には敵わず、王座を奪還されてしまった、あの、SANADAだった。

大合唱を横目に去るSANADA。その目には涙が浮かんでいる。大合唱の中には勿論彼の名前はない。

大量のブーイングを受けながらディック東郷と肩を組んで帰るEVIL。彼の名前も勿論呼ばれない。

内藤、EVIL、SANADA、その三者が誰も格落ち感なしに奏でた最高のエンディングだった。


この7年に及ぶ長いLIJのストーリーが一つの終わりを迎えた、そんな音がした。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?