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経営学検定(マネジメント検定)上級取得までの軌跡

2022年度の経営学検定(マネジメント検定)の上級に合格しましたので、取得までの経緯・学習法等をメモとして残しておきます。必要に応じて、加筆・修正することがあります。最新情報や詳細は必ずマネジメント検定(経営学検定)公式サイトで確認してください。

概要

 経営学について体系的に学んだことはなかったのですが、ふと思い立って勉強し始めました。大学や大学院等で正式に学ぶ前に、自分の社会人経験に基づく経営学の実力を確認するために経営学検定を受けてみることにしました。
 経営学検定試験(マネジメント検定)は、一般社団法人日本経営協会が実施する民間の検定試験であり、経営に関する基礎的・専門的知識やその応用能力としての経営管理能力や問題解決能力について認定します。主に、経営学を学ぶ学生や既に実務を行っている社会人が対象となっています。
 経営学検定は、初級・中級(第1分野/第2分野)・上級(1次/2次)の全3級で構成されており、レベルに合わせた級を受験できます。中級は第1分野・第2分野を別々に受け(どちらが先でも良い)、両方合格で中級合格となります。
 なお、本試験は、2023年度より試験制度が変わります。詳しくはこちらをご覧ください。級については名称に変更があり、下記のような対応関係となりますが詳細は不明です。受験資格等の移行措置等は未定です。試験制度は変わりますが、経営学の内容が変わるわけではないので、学習方法については従来通りで良いと思います。

※現行制度の級と新制度の級との対応関係 
   初級→Ⅲ級
   中級(第1分野/第2分野)→Ⅱ級
   上級1次→Ⅰ級
   上級2次→マスター

https://www.noma.or.jp/Portals/0/007_center/pdf/%E6%A4%9C%E5%AE%9A/management.pdf

取得までの経緯

 2021/07/10 中級(第1分野)試験申込
 2021/07/30 中級(第1分野)CBT受験(択一式)→その場で合格判定
 2021/11/17 中級(第2分野)試験申込
 2021/12/15 中級(第2分野)CBT受験(択一式)→その場で合格判定
 (この間、検定試験とは直接関係ありませんが、経営士登録)
 2022/05/17 上級1次試験申込
 2022/07/17 上級1次CBT受験(記述式)
 2022/08/03 上級1次合格通知
 2022/08/04 上級2次試験申込
 2022/08/18 レポート課題到着(メール)
 2022/09/01 レポート課題提出(WORDで作成し、メール添付)
 2022/09/08 プレゼン課題提出(パワーポイントで作成し、メール添付)
 2022/09/18 上級2次試験受験
 2022/10/06 合格通知(ヤマト宅急便)

受験資格

 初級・中級(第1分野/第2分野)には、特別な受験資格はありません。但し、上級1次は中級合格が条件(合格から3年以内)、上級2次は上級1次合格が条件(合格から3年以内)となります。したがって、上級を取得するためには、中級から取得する必要があります。初級・中級・上級1次試験を受験申込するためには、日本経営協会の検定受験システムにマイページアカウントを作成する必要があります。

中級試験(第1分野/マネジメント・人的管理・経営法務)

 四者択一式の問題が、CBT方式で50問出題されます。試験時間は90分です。合格点は100点満点で60点以上、かつ、3科目の正解率が各40%以上を目安となっています。
 試験期間はおおむね6~7月、及び、11~12月です。試験期間内の都合の良い日時・試験会場(全国CBTテストセンター)を指定して受験申込をします。私は中級・上級1次を通して、「新宿駅前テストセンター」を選択しました。自宅の最寄駅から1本で行ける点と、空席が多いため希望の日時が取り易い(=大規模)という点を重視しましたが、実際に行ってみると受付や試験室等も余裕があって清潔感があって印象が良かったです。また何かCBT試験をうけるのであればココにします。
 当日は予約した会場に行き、身分証明証(自動車運転免許証等)を提示して受験します。鞄・資料・筆記具・スマホ・時計等は試験ブースへ持込不可であるため、受付横のロッカーにしまいます。(注:会場で最後の復習をするようなスペースはありません。受付に行ったら、10分後にはテストが始まると思ってください。)
 試験範囲は、公式テキストの第2巻・第3巻となりますが、過去問の焼き直しや数値だけ変えたもの等も多数出題されますので、過去問題を中心に解いた方が試験対策としては効率的です。経営学部の学生・卒業生や、経営学の書籍をお持ちであれば、公式テキストは不要かと思います。但し、体系的に学び、かつ、確実に高得点を狙いたいのであれば、公式テキストも学習した方が良いでしょう。 

新宿西口にある「新宿駅前テストセンター」で受験

中級試験(第2分野/マーケティング・IT経営・経営財務)

 試験範囲は、公式テキストの第4巻・第5巻となります。出題範囲を除いて形式も試験対策も第1分野と同じです。第1分野、第2分野どちらを先に受けても構いません。私の場合、前日&当日に過去問(3年×2回=6回分)を1.5周まわしただけですが、合格点に達しました。経営財務は少し難しいかもしれません。

試験終了ボタンを押すとすぐに合否が出ます。

中級合格による合格証番号発行

 前述したように上級受験のためには、中級合格が必要です。このため、検定受験システムを使って「合格証番号」を発行するというプロセスが必要になります(無料)。この「合格証番号」は、上級1次試験申込の際に、検定受験システムに入力する必要があります。

上級1次試験

 ケーススタディの設問(記述式)がCBT方式で出題されます。試験時間は120分です。合格点は200点満点で130点以上となっています。
 試験日時は初級や中級と異なり固定ですが、試験会場は都合の良い会場を選択して受験申込をします。当日は予約した会場に行き、身分証明証を提示して受験します。鞄・資料・筆記具・スマホ・時計等は試験ブースへ持込不可であるため、受付横のロッカーにしまいます。
 設問は、大問2問で、各大問にはそれぞれ3問の小問があり、指定文字数(数百字程度)で記述します。
 試験対策ですが、公式テキストがありませんので、過去問題集の解説を見ながら、出題者が必要としている事項を分析した上で、中小企業診断士2次試験用の解答例を参考にして対策しました。この他、経営学の一般的な書籍や経営者の成功ストーリー等を読んでおくとヒントになります。
 ケーススタディですので、決まった解答があるわけではなく、合理的な経営分析と説得力のある解決案を提示すれば合格レベルに達すると思います。解決案については、一般的なものに加え、自分の得意分野(私の場合は知財)についても補足的に書けば、説得力が増すでしょう。
 注)公式サイトに載っている過去問サンプルは「知識問題1問、ケーススタディ1問」になっていますが、これは古い情報とのことです(事務局に確認済)。

いつもの「新宿駅前テストセンター」で受験

上級2次試験

(1)概要
 2次試験は、レポート(150点)、レポートに基づくプレゼンテーション(100点)、新たなテーマによる受験生同士のディスカッション(50点)の300点満点で評価され、65%の195点以上が合格点となります。但し、レポートは98点未満は足切りされます。
 今回は、受験生8名が、午前・午後の2組に分けられて実施されました。私は午前の部で9:45に集合、10:00開始、解散は11:50頃でした。
 
(2)レポート作成(事前提出)
 事前課題として、人的資源管理に関する600字程度の設問が示され、フォーマットに沿って4000字以内でレポート(WORD指定)を作成しました(参考文献明示)。この時、指定キーワードのうち必ず1つを使うことが指定されました。なお、レポート作成に際しては参照した文献を明示するように指定されますが、共通の指定書籍はありません。私は、ネット上の情報や下記の書籍を参照してレポートを作成しました。

(3)プレゼン資料作成(事前提出)
 試験日当日に発表するためのパワーポイント資料を作成します。レポート課題をスライド化するだけなので、難しくありませんが、話すスピードや文字サイズ等を検討しながら25枚のスライドを作成しました。前日までに3回ほどリハーサルを行い、スライドの手直しをしました。

(4)試験会場(試験日当日)
 
試験会場は、東京渋谷区の千駄ヶ谷にある日本経営協会本部です(北参道/代々木駅/千駄ヶ谷駅から徒歩圏内)。私は会場の最寄駅である副都心線北参道駅に早めに到着し、ホームのベンチに座ってプレゼンのリハーサルを1回行いました。集合時間ちょうどに会場に到着すると既に他の受験生3名は到着していました。
 受付で、当日のスケジュールが渡され、発表順がわかります。私は4名中3番目でした。また、試験官は3名でした。

日本経営協会(地図

(5)プレゼンテーション(試験日当日)
 パワーポイント資料を使って1人あたりプレゼンテーション(発表10分)を行います。その後、試験官による質疑応答(5分)があります。その際、試験官からレポートがよくまとまっているとお褒めの言葉をいただきましたが、レポートに記述した「企業文化」と「企業風土」の違いを十分に説明できませんでした。

プレゼンテーション試験のイメージ

(6)ディスカッション(試験日当日)
 新規なテーマが提示され、受験生(今回は4名)でフリーディスカッションを行います(40分程度)。一応、結論めいたことを導き出すことを指定されますが、そのプロセスについては全て受験生に任されます。試験官はディスカッションを見ているだけで、コメントも何もしません。
 なお、テーマは、レポート課題に関係することであるため、レポート課題に真面目に取り組んでいれば、さほど難しいテーマではありません。今回は、ジョブ型雇用に関するテーマで、何か正しい結論が出るようなものではなく、座談会のような感じでした。 

ディスカッション試験のイメージ

合格発表

 上級2次試験の18日後、合格通知がヤマト宅急便で届きました。受け取った時点で厚手の証書ファイルだということが判ったので、合格を確信しました。なお、合格証書の他、成績表が添付されており、レポート、プレゼン、ディスカッションの点数が記載されていました。2022年度の受験者数は8名、合格者数は5名で、合格率は62.5%とのことです。

合格証書

 

取得までにかかった費用

 学習開始から合格までにかかった費用は75,900円(税込)でした。なお、費用の中に郵送費・振込手数料・交通費等は含まれません。内訳は以下の通りです(全て税込)。

(1)公式テキスト…13,420円
 
経営学検定試験公式テキスト1  経営学の基本 2,860円
 経営学検定試験公式テキスト2  マネジメント 2,640円
 経営学検定試験公式テキスト3  人的資源管理/経営法務 2,640円
 経営学検定試験公式テキスト4  マーケティング/IT経営 2,640円
 経営学検定試験公式テキスト5  経営財務 2,640円

(2)過去問題集…7,920円
 経営学検定中級 2018年度版 過去問題&解答・解説 1,540 円
 経営学検定中級 2019年度版 過去問題&解答・解説 1,540 円
 経営学検定中級 2020年度版 過去問題&解答・解説 1,540 円
 経営学検定上級 2018年度版 過去問題&解答・解説 1,100 円
 経営学検定上級 2019年度版 過去問題&解答・解説 1,100 円
 経営学検定上級 2020年度版 過去問題&解答・解説 1,100 円

(3)その他参考書…7,260円
 
ふぞろいな答案分析 6: 中小企業診断士2次試験 2,640円
 ジョブ型人事で人を育てる: 人的資本経営の実践書 2,420円
 持続的成長をもたらす戦略人事-人的資本の構築とサステナビリティ経営の実現 2,200円 

 注)既に所有していた経営学の書籍は費用に算入していません。

(4)検定料…47,300円
 中級(第1分野)4,950円
 中級(第2分野)4,950円
 上級1次試験 8,800円
 上級2次試験 28,600円            

関連リンク

 マネジメント検定(経営学検定)公式サイト
  →検定実施団体

関連書籍(初級・中級対策)

関連書籍(上級1次対策)


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