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書籍を読んで:6

こんにちは、yuyaです。

今回も書籍『子供の不登校・引きこもり解決の教科書』から学んでいきます。



精神的な自立

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本書では、「こどもの問題を自分の問題にしない」ことが精神的な自立であるとされています。

こどもと自分とを切り離して考えると聞くと、なにか薄情な、冷たいイメージを感じますが、そのようなこどもへの強い気持ちが、時には逆効果になってしまうということです。

こどもに良い人生を、良い教育を、良い友達を、自分の知る限りの幸せをこどもには願うものでしょう。
ですが、その強い気持ちがこどもにとって苦しむ原因となってしまうのです。


こどもへの願いが強いほど、その意思は強く伝わり、家庭における価値観を共有していくことになります。そうなると、家の中でも常に理想と現実のギャップを突きつけることになってしまいます。
こどもにとっても、親の期待に応えたいという思い、応えられていないという思い、どちらも心を苦しめます。

だからこそ、保護者は精神的に自立をして、こどもの問題を自分の問題としないことが大切なのです。


突き放すわけではない

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こどもから精神的な自立をするということは、こどもを突き放すことではありません。
「こうでなくてはならない」という意思からこどもを開放しようという考え方です。

いくら自分がその考えに則り成功していても、こどもはこども自身の意思があります。
考えうる「常識」として不登校の現状を突きつけてしまうと、自分で考えられなくなるばかりか、社会から責められているような感覚に陥ってしまいます。

本書では、「こうあるべき」という考えが、次第に自分自身の子育てへの批判に変わっていく様子が語られています。

こどもを自分の価値観で測ることによって、こどもだけでなく、自らの存在さえも批判対象になってしまうのです。

「こどもの問題を自分の問題としなければならない、親の責任である」というような意思の強い家庭ほど、こどもを苦しめてしまっているケースがとても多いと、著者の今野氏は語ります。

そして具体的な精神的自立の方法として、次の言葉を掲げています。

「私は私のために生き、あなたはあなたのために生きる。
私はあなたの期待に応えて行動するためにこの世に在るのではない。
そしてあなたも、私の期待に応えて行動するためにこの世に在るのではない。
もしも縁があって、私たちが出会えたのならそれは素晴らしいこと。
出会えなくても、それもまた素晴らしいこと。」

これはゲシュタルトの祈りという、「ゲシュタルト療法」を確立させたユダヤ人の精神科医が書いた詩です。
この文を読んだ多くの相談者が、「気づき」を得たと言います。

こどもを尊重するためにはどうしたら良いか。
こどもが自分で進み出すためにはどうしたら良いのか。
自己受容と他者受容の考えがどれだけ精神的な自立に効果的であるのか、よく理解できる文章ではないでしょうか。