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ジェスチャードローイングのすすめ Vol.2

こんにちは、イラストレーターのふるりと申します。
私は4年前からイラストを描き始め、2年前にジェスチャードローイングに出会いました。
ジェスチャードローイングにどんどんハマり、今もずっと描き続けていますが、新しい発見が常にあります。
今回はジェスチャードローイングを、自分の作品作りにどう活かすか、私の考え方を少しお話できたらと思います。
皆さんの練習方法に是非ジェスチャードローイングを取り入れてみてください!

ジェスチャードローイングの活用方法

ジェスチャードローイングについては、前回の記事をご覧ください!

https://note.com/fururi8/n/n1b7e28b276ed

では、ジェスチャードローイングを毎日練習すると、どのように作品に活かせるのでしょうか?

こちらが私が描いた「ダンス」というイラストです。これは友人と3人で描いた合同誌に寄稿したイラストになります。

椿制服 note

こちらはYouTubeにあるダンス動画をゆっくり再生し、ドローイングしたものを元に描いたイラストです。

この作品の解説をしていきたいと思います。

良いポーズが何か分かる!

まずはダンス動画をドローイングしても、どこをとめてどのポーズがいいのか、分かることが大切です。ジェスチャードローイングをすると、どのようなポージングが良いか、分かるようになってきます。

私は下のぽーずが面白いと思いました。どう面白いと感じたのか、解説したいと思います。

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このポーズは、動きの余韻や予感が伝わりますか?まず、ジェスチャードローイングをすると、印象をこのように捉える事ができます。

そして、実際、このような衣装を着てはいませんでした。スカートが長い方が、動きの余韻や予感を伝えられると思い、長くして、制服もセーラー服にチェンジしました。

長いスカートのため、スカートの裾の形や足で折り返すシワが面白いと思い、実際にはなかった部分を描き込みました。

シンプレックスとコンプレックス

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ジェスチャードローイングには、シンプルとコンプレックスという考え方があります。

このポーズは、向かって右側が一直線のラインにみえます。反対側は逆に複雑な形になっています。どちらも複雑なコンプレックスですと、どこに注目していいか悩みますし、シンプルすぎると、面白みがありません。このように左右非対称に、シンプルとコンプレックスが入ってるポーズは面白いです。

ビッグシェイプ

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このポーズの大きな形は、こんな形なのではないでしょうか?多角形はどんな印象がありますか?安定しつつ、傾いてる印象も伝わるような形ではないでしょうか?

また、手の部分は円を描いてるようにも見えます。四角の安定感と、円の柔らかい雰囲気が相反する印象を産んでるのではないでしょうか?

大きな形で捉えられると、その図形が持つ意味や印象を使うことができます。

コントラポスト

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コントラポストとは、肩や骨盤の傾きを逆にし、ポーズに面白みを持たせることです。このポーズは、顔、胸郭、骨盤の傾きが全て違う方を向いています。上記のように3Dで捉え、コントラポストも多次元的に傾きを出すと、より面白いポーズになると思います。

ダンスが元になってるので、動きの余韻や予感を感じて貰えたらと、背の反りを強調しました。少し大げさに表現するのもジェスチャードローイングでは大切です。印象をより伝えやすくなります。

パース

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絵に奥行きがあると、立体感が伝わります。パースが自然にあるポーズは、見ている方も前後感を感じ、立位でも、見ている人の目が奥の方までいくので面白いです。

足を片方後ろに下げたり、上半身を反らせたりするなど、奥行きが出るポーズを意識できたら面白いと思います。

絵作りの基本

今はポーズだけの話をしましたが、1枚絵の考え方も同じです。

下は「道」を描いたイラストです。

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左右対称で、まっすぐ進んだ道です。これもいいですが、この絵を面白くするにはどうすれば良いでしょうか?

ジェスチャードローイングの考え方を思い出してください。

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このように、少し斜めから見るとどうでしょうか?左右非対称になり、奥行きがさっきより出たと思いませんか?少し見る視点を変えただけで道のイラストとして説得力が出たんじゃないでしょうか?

次に雲を追加したいと思います。

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モコモコとした雲を追加しました。どうですか?よく見る形ですが、1枚絵として雲が与える印象がうまく操作できていないと思いませんか?

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このようにシンプルとコンプレックスを使うとどうでしょうか?雲の立体感が急に生まれたと思いませんか?

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影をつけました。

絵全体に奥行きが生まれたと思いませんか?

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最後は下にも雲の影をつけてみました。

最後のは少し難しいですが、パース感覚(奥行きや前後感)が生まれるので、絵に面白みが生まれたと思います。

上記の例は、伝えたいことで表現も変わってくるので、何となくで考えて欲しいのですが、ただ見たまま描く事からの脱却に繋がる考えだと、分かって貰えたら嬉しいです。

絵はこのように、面白く見せるために、コンセプトを伝えるために、デザインしながら描いていけたら、より魅力的になると思います。

ジェスチャードローイングのすすめ

どうでしょうか?ポーズ一つとっても、色んな観点からみると、意識出来る点、意識すると面白い点、ポーズの分解も分かってくるのではないでしょうか?

真正面から見た立ちポーズも素敵ですが、このようにポーズの中に沢山のリズムを入れるのも、良いポージングになると思います。また、絵作りの考えにも活用できると思います。

ジェスチャードローイングを続けると、印象を伝えるために、伝わりやすいシルエットやポーズを意識出来るようになります。

また、見たまま描くのではなく、印象を大切にするので、参考資料を「もっとこうしたら伝わりやすくなるかな?」と、ポーズを変えたり、3Dで動かしたり、どんどん活用できるようになると思います。

皆さん、是非毎日の練習に活用してみてください!

私はジェスチャードローイングを続けて2年近くになります。こちら「Gesture Drawing Study2」がその練習記録の本になります。もし、どんな風に練習を続けたのか、どんな風に考えて描いたのか、ご興味ある方は良かったら。通販はこちら。

https://fururituhan.booth.pm/items/1207553

また、合同誌も通販しております。

ジェスチャードローイングおすすめ書籍!

今回は砂糖ふくろうさんの御本が発売!全文はこちらのツイートから見る事ができるそうです。

https://twitter.com/hakubi8888/status/1547888686544879616?s=20&t=of5E0GemkNvLe6QnebB4MA

日本語で書いてあるのジェスチャードローイング本、私に取ったら念願です!分かりやすいし、何より砂糖さんが沢山描いてきた軌跡も分かる。

https://t.co/LMgJic3PDe



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