映画 | イニシェリン島の精霊※諍い
「イニシェリン島の精霊」観てきました。
目にした映像はいずれも眺めが清らかで美しかったことと、男性二人の何やら不穏な、ただならぬ気配の諍いを軸とした物語か…(みてみたいー)と思いまして。
イニシェリン島は架空の島で実在していません。
アイルランド、アラン諸島にある島として描かれています。ロケはアラン諸島の島々で行われていて、島の遠景や俯瞰した視点の映像、島の中にぽつんぽつんとある家々や石垣などの映像はいずれも美しいです。アイルランド出身の方々が多く関わっていて、アイルランド文化の日常をつぶさにみることができて、それらは観ていていずれも心地良かったです。アイリッシュパブ、憧れ(酒飲みの視点)。
次に主人公である二人の男性。
両極端、パブで仲良く毎日一緒に黒ビールを飲みながら、日々他愛のない話をし続けられたのか、さっぱりわからない。友人とビールを飲んで他愛もない話を毎日できれば幸せな方と、セッションしたり作曲したり人生を意義あるものとしたい方。後者はある日、パブでペットの話しをしても自身が死んでしまったら何も遺せない。芸術は違う、これでいいのか、否!となり…これまで親しくしていた友人、友へ"つまらないから絶交、これから芸術に打ち込むわ"って(えぇ、なんて勝手な)と思いました。
わたしだったら、もうここでお別れ案件なのですが、絶交された男性、パードリックは気のいいお人好しな方なので、この理由を理解できなくて関係修復に奔走しー、とんでもないことになっていきます。周りの方々(身近な方から遠い方々まで)、島外の世情・情勢、移り変わっていく感情、考え方。変わっていくところ「変質」かな…みていて、怖い。
極端に過ぎる、と、感じましたが、観終わってから改めて想い出したり考えたりしていると(本当に極端か)(ここは同じように感じるかも)(こんなことあるな)とか、想像が拡がっていく、不思議な作品。