漫才「漫才」

A「どうもー！よろしくお願いしますー！」

B「お願いしますー」

A「あのー、実は俺、ちょっとやってみたいことがあってさ」

B「やってみたいこと？」

A「もうずっと昔から憧れてることなんだけど」

B「うん」

A「漫才をやってみたいんだよね」

B「漫才…？」

A「そう、一度でいいから漫才がしてみたいのよ」

B「え？いや…何言ってるの？」

A「だからちょっと、今日はここで練習させてもらいたくてさ」

B「練習…？ここで漫才の練習…？」

A「まあいきなりの実践練習で大変だとは思うけど、何とか息を合わせて頑張ろう」

B「いやずっと本番のつもりだったんだけど…？」

A「よし、じゃあ早速登場する所から始めよう」

B「マジでやるのか…」

A「大丈夫、お前は適当に合わせてくれればいいから」

B「ああそう…」

A「どうもー！よろしくお願いしますー！」

B「お願いしますー…」

A「あのー、実は俺、ちょっとやってみたいことがあってさ」

B「え…？」

A「もうずっと昔から憧れてることなんだけど」

B「いや…」

A「漫才をやってみたいんだよね」

B「おいちょっと待て」

A「一度でいいから漫才がしてみたいんだよ」

B「いや、マジで何してるの？」

A「だからちょっと、今日はここで練習させてもらいたくてさ」

B「もうしてるんだよ」

A「まあいきなりの実践練習で大変だとは思うけど、何とか息を合わせて頑張ろう」

B「いやもうしてるんだって、本番中に練習させられてるんだって」

A「よし、じゃあ早速登場する所から始めよう」

B「おいまたやるのか？」

A「大丈夫、お前は適当に合わせてくれればいいから」

B「全然大丈夫じゃなかったんだよ」

A「どうもー！よろしくお願いしますー！」

B「勝手に始めるな」

A「あのー、実は俺、ちょっとやってみたいことがあってさ」

B「え？おいおい」

A「もうずっと昔から憧れてることなんだけど」

B「ふざけんな」

A「漫才をやってみたいんだよね」

B「お前いい加減にしろよ？」

A「一度でいいから漫才がしてみたいんだよ」

B「何度もやってるのよ、何度もやって何層にもなってるのよ」

A「だからちょっと、今日はここで練習させてもらいたくてさ」

B「してるしてる、めちゃくちゃ練習してる」

A「まあいきなりの実践練習で大変だとは思うけど、何とか息を合わせて頑張ろう」

B「お前息を合わせるとかどの口で言ってんだ？」

A「よし、じゃあ早速登場する所から始めよう」

B「いや何回登場するんだ俺ら」

A「大丈夫、お前は適当に合わせてくれればいいから」

B「適当に合わせた結果抜け出せなくなってるのよ」

A「どうもー！よろしくお願いしますー！」

B「だから勝手に始めるなって」

A「あのー、実は俺、ちょっとやってみたいことがあってさ」

B「おい…」

A「もうずっと昔から憧れてることなんだけど」

B「……」

A「漫才をやってみたいんだよね」

A「いやもういいもういい！いい加減にしてくれ」

B「え？」

A「これ以上やったら頭おかしくなるわ」

B「どうした？」

A「何なんだよ漫才の練習の漫才って、もう意味分かんねえよ」

B「いやいや、ダメだってちゃんとやらなきゃ」

A「何のためにだよ」

B「お前な、よく考えてみろよ？」

A「え？」

B「今頑張って練習しておかないと、本番で恥をかくんだぞ？」

A「いやだからこれが本番なんだよ、めちゃくちゃ恥かいたわ」