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今月イチ推しの一冊!【2020・3月】

猫はこうして地球を征服した: 人の脳からインターネット、生態系まで」 / アビゲイル・タッカー (インターシフト)(2018)

表紙猫はこうして

著者のアビゲイル・タッカー氏は大がつく愛猫家だそうですが、中身はいたって真面目、猫の生態の変化を追って増え続ける猫の秘策を解き明かしています。

かつてネコは人間をさえ獲物としていた超肉食獣でしたが、生態系の頂点に人間が君臨すると考えれている現在、ネコのの立場はどのように変化したかというと、イエネコ・都市ネコいずれにしても高い順応性を以て社会寄生し、いまだに人間を喰い物としているようです。

例を挙げましょう。
ネコはハイパープレデーション(過剰捕食)により、多くの種を絶滅の危機に追いやっているにもかかわらず、血を見ない方法での駆除(殺すのではなく、去勢・自然減を図る)活動さえ世界に無数にいる愛猫家に阻まれます。人間はネコには大きな愛情を示して世話するのに対して、他の動物の幸福を無視し、いなくなってもそれほど重要ではないと考えています。環境保護よりネコへの愛を優先してしまうのです。
その秘密は、実は猫を終宿主とするトキソプラズマ原虫にあります。この寄生虫は、ネコに寄生するためにあらゆる生物の脳に入り込み、ネコに好意を抱かせます。ラットはネコの尿の臭いを世界で最も嫌いますが、寄生されている場合、嫌がらないどころかむしろ尿の臭いに寄って行くのです。そして驚くべき事実なのは、人類の3分の1がこの寄生虫に感染していることです・・・

こういったネコの衝撃的な秘密が語られます。ネコ派の方も、そうでない方も、結構楽しめる内容です。

「リビング・シフト 面白法人カヤックが考える未来」 / 柳澤大輔 (KADOKAWA) (2020)

リビング・shihuto表紙


面白法人カヤックの代表取締役CEOの一人である柳澤大輔さんの本です。すごく大切なことが書いてあるうえでめちゃくちゃ読みやすいです。

「面白法人」というと、なにやらイロモノの怪しい会社のようで、訝る目があるかもしれません笑。
ですが、単なる軽いノリで「おもろいことやってますよー!」というだけの組織ではなくて、鎌倉発の上場企業という経済面での強みもあり、理念に基づいてまちづくりにも真摯に取り組む、生粋のクリエイター気質の会社です。実際、鎌倉市がSDGs未来都市に認定されているのも、カヤックが「カマコン」活動に寄与しているからだと思います。

この本で述べられているのは、近年の住の考え方の常識が変わりつつあることについて、そしてコミュニティの重要性、まちそのものに基礎づけられた新たなガバナンスの可能性についてなどです。
中でも僕が衝撃を受けたのは、地域活性において欠かせないのが、地域住民に限らず地域外にも関係性を築く「関係人口」だということです。
これはいわゆる観光客のことではありません。もちろん観光客も弱い意味での「関係人口」と捉えることができるかもしれませんが、地域住民でなくても、月に1回、あるいは年に1回でも関わる人が増えればまちの魅力を活かせるし、テクノロジーが発達したこれからの時代ならば実現されうるし、そのうえであらゆる人がそういったコミュニティ参画を求めてもいる。そういう考え方なのだそうです。

地方創生に興味を持っていらっしゃる方にはぜひご一読願いたいです。あわせて、以前柳澤さんが書かれた「鎌倉資本主義」(プレジデント社)もオススメします。

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