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ピーク・エンドの法則に基づく、「良い人生」とは

はじめに

誰もが、自分の人生を「良い人生だった。」と思って終えられたら良いのに。と思うことでしょう。

では、「良い人生」って、何をもって良い人生と思えるのでしょうか。

今日は、心理科学者カーネマンが提唱した「ピーク・エンドの法則」を基に、良い人生について考察していこうと思います。


人生には「波」がある

当然ですが、人生には「波」があります。
良い状態の時には幸福度が高まりますが、不幸なことが続くような悪い時期も必ずあります。
どんなに恵まれている人や、幸せそうな人であっても、必ず不幸だった時期はあるようです。


「良い人生」を考える

そんな波のある人生を「良い人生」にするには、どうするべきでしょうか。

「良い人生」に関する私の考えを説明するのに、以下に例を紹介します。

例えば、幸福の総量は人生において決まっていると仮定します。
その幸福の総量を、人生のどの時期に持っていくのが一番良い人生かという問いです。

例1:人生の波の起伏がほとんどなく、概ね平凡の人生
人生を通して良いことも悪いことも半々程度で、人並みの平凡な人生

例2:人生の前半は幸せ、後半で不幸な人生
若い頃は幸せだったものの、年齢を重ねてから不幸が増える人生

例3:人生の前半は不幸で、後半は幸せな人生
若いころは苦しく辛いが、年齢を重ねて幸福が増える人生

人生において幸福の総量が一定ならば、みなさんならどの人生が良いと感じるでしょうか。

僕は、例3の、後半で幸せになる人生が一番「良い人生」なのではないかと感じます。
おそらく、例2の、人生の後半で不幸になる人生が良いと考える人はいないと思います。

僕が考える「良い人生」とは、人生の後半に幸せを感じられるかが重要だということです。


「ピーク・エンドの法則」

ピーク・エンドの法則とは、アメリカの認知心理学者で、経済学者でもあるダニエル・カーネマンが提唱した理論で、

苦痛や快楽の評価はその活動の「ピーク(絶頂)」と「エンド(終わった時)」の程度で決まるのであって、「どのくらいの期間続いたか」は無視されるということです。

以下にピークエンドの法則にまつわる実験を紹介します。

2つのグループに大音量の不快な騒音を聞かせ、1つ目のグループはその後になにもせず終了しました。2つ目のグループは大音量の騒音の後に、追加で少しだけましな騒音を聞かせてから終了しました。
その後、2つのグループに、騒音の総合的な「不快さ」の評価をしたところ、2つ目の「追加で少しだけましな騒音を聞かされて終了」したグループの方が、1つ目のグループより不快さが低かったのです。

これは、実験の最後に少しマシな騒音(不快さの少ない騒音)を聞いたため、その時の記憶が一番鮮明に残り、総合的には「ひどい騒音ではなかった」と感じているということです。

これは、人生においても同じことが言えると思います。

前項でも考察したように、人生の後半や、人生の終わる間際に不幸が続けば、それまでどれだけ幸福な人生であっても、「不幸せな人生だった。」と感じてしまうでしょう。

一方で、過去がどうであろうと、人生の後半や人生が終わる間際に幸福に満ちていれば、「自分の人生は良い人生だった」と感じられるだろうと僕は考えます。


何歳の時に幸せだったら「良い人生」と言えるのか?

では、人生の中で、何歳くらいから幸せであれば「良い人生」だったと思えるのでしょうか。

日本人の現在の一般的な平均寿命は80歳前後です。
しかし、自分が平均寿命まで必ず生きられるという保証はどこにもありません。

私は現在20代ですが、もし、不慮の事故や急な病気などで、数日中、もしくは数年後に死んでしまうとしたら、人生の後半はまさに「今」であると言えます。


「今」が幸せであることが大切

自分の死ぬ瞬間がいつなのかは誰にもわかりません。
そして、これまで生きてきた人生の中で最も後半にあたるのは、まぎれもなく「今」です。

つまり、いつ死ぬかわからない人生を「良い人生」にするためには、何歳頃に幸せになっていれば良い、ということではなく、「今が幸せである」ことが重要だということです。


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