30年以上何しても効果のなかったアトピーの治療薬は正しい知識を携えることだった
生まれた時からアトピー。
もうアトピーは嫌だ。この想いを初めて抱いたのは僕が小学生に入り4年が経った頃だと思う。
毎日襲ってくるかゆみとボロボロになる肌。
どうして他のみんなはなんともないのに僕だけがかゆいのだろう。
誰も肌をぽりぽりかくなんてことはほとんどしないのに、僕だけは気がついたらいつもどこかをかいていて……。
僕は親を恨んだ。
兄も肌は弱いほうだが、アトピーではない。きっと僕を産むときは酒を呑んでタバコを吸って、それでアレルギー体質で生まれてきてしまったんだ。そうだ、絶対にそうに違いない。
なんで、僕だけをこんな風にしたんだ。
でも、そんな事実なんてなかった。むしろ、母は僕以上に気にかけてくれていろんなことを試してくれていたらしい。
僕自身も治したい一心でステロイドや保湿剤をしっかりと塗っていた。
33年経った今でもアトピー。
治したいと何度思うたことだろうか。
もう嫌だと何度思うたことだろうか。
何をしても良くならない。
何度絶望したかわからない。
何度治らないと言われたかわからない。
でも、あることをきっかけに少しずつ。
いや、大きく変化してきた。
人から嫌われたくないという恐怖が僕を変えた
僕のクラスメイトにもアトピーの子が少しいて、僕よりも症状が重い子もいた。
今では本当にあってはならないのだけど、その女の子は男子から「ゾンビ」と呼ばれ、誹謗の的になっていた。
僕は心がとても痛かった。
同時に怖くもあった。
見た目をよくしておかないといじめの対象になる。
この想いが一層強くアトピーを治したいと思うようになった。
この頃というのは適当なもので、
「白米をどんぶり飯いっぱいに食べれば治る」だとか
「脂を多く摂れば潤う」だとか
「大人になれば自然と治る」だとか
と言われ、僕は素直に従った。
中には本当に良くなっている子がいたからだ。
だけど、僕の場合は成長しても良くなる兆しはなかった。
そればかりか無知が災いを呼び起こすようになっていた……。
とうとう社会人になり、ある問題が起きた。
忙しくなったことで幼い時から通っていた皮膚科に通い続けることが困難となってきたのだ。
止むを得ず、僕は夜遅くまでやっていて職場から近い皮膚科に通うことにした。
そこで言われた一言は未だに忘れることができない。
「君、重症だよ」
今までずっと軽症だと思い続けてきたアトピーが実は重症だった……。
この事実がさらに治したいという想いを強くした。
「ちゃんと薬を塗ること」
と処方された薬を塗り、僕は2度目の衝撃を受けた。
なんとそれまでおさまりを見せることのなかった肌が、瞬く間に良くなっていったからだ。
これは魔法の薬だ!前の皮膚科はヤブ医者だったのだ!
この薬の効果を信じ込み、まめにステロイドを塗り込んだ。
だけど、この時の僕はまだ知らなかった。
処方されていたステロイドは「ベリーストロング」「ストロンゲスト」という最も強い薬たちであったということを。
※ステロイドの強さには5段階あり
1 Weak(弱い)
2 Medium(中間)
3 Strong(強い)
4 Very Strong(とっても強い)
5 Strongest(最も強い)
の順に強さがある。
僕はこの薬たちを毎日塗り込んだ。
しばらくの間は綺麗な肌を保ち続けていたが、荒れた生活を送っていた僕の肌は徐々に悲鳴を上げ始めた。
この薬を塗り続けていても、週に1度はどうしようもないほどのかゆみと症状の悪化に襲われるようになったのである。
しかし、それでもこの薬のことは一切疑わなかった。
ストレスさえなくなれば、治ると信じきっていたのだ。
脱ステロイドの失敗、信頼していた病院との別れ
それから数年が経ったが、改善の兆しは一向に現れなかった。
試しに市内の皮膚科を堂々巡りしてみたが、それもまるで効果がなかった。
ステロイドを使わない治療を行いたいと訴えかけたが、「一生ステロイドと付き合っていくしかない」とまで言われた。
意を決して、僕は独学で『脱ステロイド』を行ってみた。
正確に言えば、脱ステロイドだけを行った。
そのために、地獄を見ることとなった。
脱ステロイドを行うとリバウンドが起き、症状がもろに表面に現れるようになる。
この離脱症状が壮絶でかゆみをなくすために、僕はひたすら保湿剤を塗り、1日に2度シャワーを浴びた。
しかし、リバウンド症状は加速し、1ヶ月ほどでチャレンジを断念せざる追えない状況に追い込まれた。
ステロイドを塗り始めるとまた見た目はよくなったが、僕の心には重く痛いものがのしかかった。
それでも諦めたくなかった僕は次に漢方の治療に取り掛かった。
漢方治療を行ってからステロイドのランクを落とすことに成功し、ようやく治る兆しが見えた。
このころに結婚し、食事や環境が変わっていたことも功を奏していた。
だが、3ヶ月以上が経過してもそれ以上の改善をみることはできず、だんだんと不安を帯びてきた。
30年生きてきて、はじめて希望が見え始めてきたところだ。ここでなら、本当に治るかもしれない。
1年間は試しにやってみよう。
そう思った矢先の出来事だった。
この日を境に僕のアトピー治療に大きな進展を迎えることとなる。
ちょうど薬が切れかかって、外来診察に足を運んだときのことだ。
クリニックのある階のエレベーターボタンを押したときに違和感を感じた。
いくらボタンを押しても何も反応がない。
不思議に思うた僕はエレベーターと飛び出して、目を大きく見開いた。
なんと、突然閉院していたのだ。
せっかく信頼のおける医師に出会うことができたのに…
市内の病院を行きつくしていた僕は本当に落胆した。もう道はない。
やけになった僕は市内で皮膚科を探すということをやめ、遠くてもとことん『脱ステロイド』治療をやっているところを探そう!と決心した。
本当の知識を手に入れたことで奇跡が起こる
家から通うのに1時間30分以上もかかるが、納得のいく皮膚科だった。
そして、僕はそこで4度目の衝撃を受けた。
アトピーに関する情報を根本から覆されたのだ。
アトピーは皮膚のバリアが剥がれやすい。
だからこそ、保湿をして守ってあげる必要がある。
このような記事をあなたも目にしたことがあるはずだろう。
僕もそう思い、30年間愚直に守り続けていた。
しかし……
アトピーを治したいのなら、保湿してはいけない。
これが答えだった。
むしろ、放置して乾燥させることが良い。
それと自己治癒力を高めること。
こんな驚きの事実、誰が気づくことが出来るだろうか。そして、この時全てのつじつまが合わさった。
小学生の頃の同級生が大人になって治った理由。
それは薬を塗らず、放置していたからだ。
ステロイドを塗っても良くならなかった理由。
それはステロイドで体を弱くしていたからだ。
脱ステロイドを行なって、失敗した理由。
それは1日に2度もシャワーを浴び、保湿していたからだ。
全て間違える方法を取っていた。
だからこそ、アトピーを悪化させていたのである。
アトピーを完治させるためには正しい情報がなければ、ほぼ失敗に終わってしまう。
しかし、正しい情報を手にすれば成功確率は上がる。
事実、僕は独学で一度『脱ステロイド』を失敗させてしまったが、今は5ヶ月間『脱ステロイド』をし、なにも塗らずに過ごすことに成功している。
そして、今も完治に向けて状態は常に良くなっている。アトピーには正しい情報が必要だ。
もしアトピーを本気で治したいと試みるのであれば、これからの情報を掴み取ってもらいたい。
ただし、はじめの3ヶ月間は離脱症状によるリバウンドが地獄のように辛い。それでも治す。と決意しているのなら、今後の配信を楽しみにしておいてもらいたい。
アトピーは保湿してはならない。
大切なことは乾燥させ、自己治癒力を高めることなのである。
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