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飲食店で失敗しない職場の選び方について(経営編)【その4】原価を下げよう①

【その3】損益分岐点を出してみように出てきた「あるカフェ」の原価率が3%下がったらどうなるでしょう。
損益分岐点は1,500,000円から1,428,571円に下がり、利益は180,000円から234,000円と54,000円も増えます。これは年間60万円以上のプラスです。これから紹介する原価を下げる方法は、量を落としたり、品質を下げる話ではありません。同一の品質を安く買う方法です。結論からいうと、その方法は「相見積もりを取る」ということです。どんな時でも相見積もりをとれないか考えるクセをもつと、家賃などの手数料交渉にも活きてきてトータルのコストを下げやすくなります。

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業者の気持ちに立ってみる

あなたは飲食店に卸す魚屋さんになったとしましょう。
毎朝早朝、豊洲市場にいって、前日の夜中に入った注文分を購入します。4店舗の料理店から、全部でハマチ10尾の注文がはいったのですが、2尾は前々日の売れ残りを持っていますので、今朝は8尾新たに仕入れました。さてこの10匹をどう卸せばよいでしょうか。
各店の注文数と品質、値段重視は表のとおりだとします。

note2良い・安い

A 品質、値段重視(2尾)
B 品質重視 (2尾)
C 値段重視 (5尾)
D 届けばよい(1尾)

まず、D店に古いの1尾卸すのは確定だと思います。何も言われないからです。残りはC店でしょう。A店とB店は受け取ってくれないからです。C店は買い取ってくれましたが、半額に買い叩かれました。これだと半額分損ですが、業者は損しませんでした。B店には最も鮮度のよい2尾を1.5倍の値段で売ることができたからです。

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これがA 店ですと、1.5倍で売ることはできません。なぜかと言うと、A店は値段に敏感で、すぐに別の同業者に値段を確認してしまうからです。これはC店も同じです。一方でB店とD店は他の同業者に値段を確認することはしません。この違いが原価率に出てきます。古い魚をつかまされるDはそれなりの値段でしか売ることができないでしょうし、よい魚に惜しみなくお金をつかうBはなるほど人気店ですが、なかなか儲かりません。

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