
海軍軍属 白井 定之
昭和19年2月6日
マーシャル諸島クェゼリンにて戦死
東京都大田区中央出身 35歳
恒宏君、勝年君、元気ですか、楽しい夏休みが来ましたね。
お休みだからって朝ねぼうしてはいけませんよ。
朝は早く起きて夜は早くねましょうね。
お父さんはとても元気で、朝は僕達がねているうちに起きて一生けんめいお仕事をしています。
お母さんの言うことをきかなかったり、つやちゃんとけんかしたりしてはだめですよ。
僕達の良いことも悪いこともみんなお母ちゃんから知れますよ。
良くやっているとお父さんが帰るときにとても僕達がびっくりするおみやげをたくさんもって行きます。
家が新しいのですからおへやなどよごさず自分の勉強室は二人で良くおそうじすることですよ。
お母さんにお願いして下田のおじいさんの所へつれていってもらいなさい。
そして海へ入って、まっくろになるのです。
じょうぶになります。
お父さんはまっくろです。
だからとても元気です。
じょうぶでなくては、大きくなってりっぱな兵隊さんになれませんよ。
恒宏君はじき中学へ行くのですからよくその勉強をして今からよういしておくのですよ。
戦争はこれからもっともっと長くつづきます。
二人が大人になるまでつづきますよ。
毎日あついからキャンデーや生水などはあまりのまないこと、夜はねびえをしないようにしなさい。
では又このつぎに手紙を出します。
僕達もてがみを下さい。
まっています。
さようなら
いいなと思ったら応援しよう!
