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音で画く、音を編む。

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その日の夜、僕は「音画」を目指しているのだとはっきり解った。数年考え続けていた事への解答だった。 だから何をしても許されるし、現実に何をしても良いのだと思う。 自分の中で制約をつ… もっと読む
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2019年6月の記事一覧

音楽を「録音する」こととは? 5刷重版記念!『細野晴臣 録音術 ぼくらはこうして音をつくってきた』より「はじめに」を公開!

音楽を「録音する」こととは? 5刷重版記念!『細野晴臣 録音術 ぼくらはこうして音をつくってきた』より「はじめに」を公開!

はじめに 音楽を「録音する」ということ 初めて、細野さんの音楽に触れた日は、一体いつだったのだろう?
 物心つき、気づいたときには『ホソノ・ハウス』のレコード盤が実家にはあった。姉が買ったものとばかり思っていたが、先日、問い直したら買った覚えはないという。どこから迷い込んできたのだろうか?
 高校時代、その『ホソノ・ハウス』を、よく聴いていた。実家は、女子高のすぐ裏手にあり、ぼくは二階にある勉強部

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すべての礎となる「音の聴き方」

すべての礎となる「音の聴き方」

音を聴くこと。これはすべてのサウンドエンジニアにとっての礎(いしずえ)となる「技術」です。あえて「技術」とするのは、聴力の優劣というものではなく、音を聴くことにはいくつかのやり方があると考えているからです。ここでいうやり方というのは、空気の疎密波によって鼓膜が振動して云々という一般的な音を聴くことであることは変わらず、聴くときにどういう意識で、どういう頭の使い方で音を把握するかということです。

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jungle/for ever

jungle/for ever

個人的超激鬼熱ヒット!!
爽やかさと、気怠さと、艶っぽさと。全部が丁度いいバランスで、どんな気分にもフィットする。

この気持ちめちゃくちゃ分かち合いたいから、お願い頼むから聴いて…。

あとMVがどれも超イケてる。観て。聴いて。

クラウドファンディングが、音楽業界のブラックボックスを解放していく

クラウドファンディングが、音楽業界のブラックボックスを解放していく

前回、これまでMotionGalleryに掲載してきたクラウドファンディングのプロジェクトがこの社会を変えてきたというお話をした。映画やアートのプラットフォームだと思われがちなMotionGalleryだが、その他のクリエイティブなプロジェクトも、もちろんたくさん掲載されきた。今回は音楽にスポットをあてて、社会にインパクトを与えてきた事例を振り返ってみよう。

クラウドファンディングのプラットフォ

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編曲権の話とか、懲りずにJASRACさんに聞いたんだよ

お世話になっております

おかげさまで前回記事たくさんお読みいただけてとても嬉しいです!ありがとうございました。

で、今回は続編というか、また付随する別の問題についてJASRACさんに伺ってみたのでシェアしますね!

(記事の全文無料公開にともない、内容を一部変更しました)


私はJASRACでもなければただの専業主婦なので、ご質問はJASRACさんへお願いします&謎のクレームもご勘弁くださ

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X(旧Twitter)でのカバー曲投稿について、JASRACさんに聞いてみたよ!

お世話になっております

昨日何気なくあげたこのツイート

これに端を発して、ちょっと【X(旧Twitter)内でのカバー動画】について調べてみたいなって思ったので、早速JASRACさんにお問い合わせをしてみましたよ〜。


今回あくまでJASRACに限定して書きますので、NexToneなど他の著作権管理事業者についてはご自身でお調べくださいますと幸いです!


今回は自前で演奏する「カバー」

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エンタメではない音楽の価値を実装せよ:「新しい音楽の学校」説明会ハイライト

エンタメではない音楽の価値を実装せよ:「新しい音楽の学校」説明会ハイライト

岡田一男(エンタメブートキャンプ)、ジェイ・コウガミ(All Digital Music)、柳樂光隆(Jazz The New Chapter)、若林恵(黒鳥社)らボードメンバーが率いる「新しい音楽の学校」。7月3日の開校に先駆けて、プログラム説明会が6月21日の夜に開催された。音楽業界の未来を憂う50名以上の参加者があつまるなか、プログラムの内容とその意義について、4人それぞれが熱弁をふるった。

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音楽活動とお金の三か条

音楽活動とお金の三か条

この3年間イギリスで音楽活動をしてみて、メジャーレーベルのバックアップがないとはいえ、物事の進展をスピードアップさせるため、個人でもそれなりの予算をかける必要があった。初めて『音楽弁護士』に相談に行った時、イギリスで音楽活動するためにはとにかく金がかかるしそんな金があったら使わない方がいいと言われた(その時のムカついた体験はこちらに書いている)。今個人的な体験から言えることは、資金があって、家族を

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フリーランス作曲家には大きなリスクがあることに気づいてますか? 原盤権と著作権。

フリーランス作曲家には大きなリスクがあることに気づいてますか? 原盤権と著作権。

こんにちは、スキャット後藤です。フリーランスで作曲家やってます。

ここんとこTwitterにアップされてるカバー動画について一部で話題になってますが、、、音楽やっていて原盤権と著作権についてあまり知識がないという方は、#宅録お母さんのnoteとスペカンさんのYouTubeを見ることをオススメします。見ておく方がいいと思います。

そして、このあたりを知らないと、とんでもない事が起こるって例をいく

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「音楽では食えない」と嘆く人達へ。

「音楽では食えない」と嘆く人達へ。

6月14日に新曲「4AM」をリリースしました。どうも、齊藤耕太郎です。Spotify、Apple Musicなど様々なチャネルで聴いていただけます。是非聴いてください。

今回の楽曲は、僕の長年の友人であるイラストレーターのNoLくんにイラストを描き下ろしてもらいました。6月リリースだけに、少し湿り気のある、退廃的な儚げな女性像、バッチリはまっています!

彼のインスタはこちら。

そんな「4AM

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虎の穴に突っ込む楽しさ

虎の穴に突っ込む楽しさ

今日は朝にとある曲制作の案件が来て、夜には弾き語りのデモ音源まで作って提出することができた。

作詞と作曲はだいたい2〜3時間あればできるのが平均だと思っていた。

昔から曲作りに時間がかかったことがあまりなくて、いろんなミュージシャンと話すようになってから初めて僕が平均よりも早いんだなとわかった。

逆にアレンジに関しては無の状態からひねり出さなくてはいけないのでものすごく時間がかかる。

人に

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「良い作詞」とはどういうことか

「良い作詞」とはどういうことか

良い歌詞を求められる。そういった仕事なのだから当たり前だが、しかし「良い歌詞ではない」というまた至極単純な理由でその歌詞が使われなかったり、そもそもそのアーティストが世に出なかったりする。

「良い作詞」なんて定義できない、と思うかもしれない。しかし誰かがそれを判断している以上、そこには基準がきっとある。「良い作詞をお願いします」といわれて、その無責任さに惑わされないためにも、ここでひとつ自分たち

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音楽ストリーミングサービスの本当の問題は何か 2019年6月現在

あなたは音楽ストリーミングサービスを何のストレスもなくつかっているだろうか?

僕は、リスナーであると同時に音楽制作者、ミュージシャン、レーベル運営、アーティストマネジメント、プロデュースを行うものとして日々音楽ストリーミングサービスと向き合うなかで、信じられないくらいの恩恵を受けると同時に、びっくりするくらい多くの問題にも向き合っている。

以下では、
現代の音楽にとってマストな存在となっている

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