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あまねく紡ぐ次代の民藝=「萬画(ミリオンアート)」の世界

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2019年11月の記事一覧

フランスのマンガのマチエール

フランスのマンガのマチエール

マンガは印刷されてはじめて完成します。原画は版下にすぎません。印刷された紙面はツルツルしてたりザラザラしてたり細かな違いはありますが、油絵のように絵具層の厚さで物理的な凹凸を作ることはできません。

そんなマンガにマチエール(画肌)はあるのかというと、物理的ではなく視覚的ですがマチエールに近いものはあります。フランスのマンガでは特に凝ったものが多いです。

日本のマンガは印刷会社への入稿時、

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私が広告代理店での日々を漫画にする理由

私が広告代理店での日々を漫画にする理由

私が広告代理店で受けたパワハラを漫画にし、Twitterに投稿したのは2ヶ月前のこと。

このツイートがまさかの8,000リツイート&1万いいね超えを記録し、ねとらぼやオリコン、BiglobeやYahoo!ニュースなどといった名だたる大手メディアに漫画が掲載されることとなりました。

当初、完全に仕事の気晴らしで漫画を描こうと思っていたので、こんなにも大きな反響を頂くとは予想すらしていませんでした

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『タッチ』の南ちゃんは本当は何者だったのか

ツイッターでこういう話題がありました。 

一応言っておくと、元ツイのにゃにゃこさんは僕と以前から相互フォローの方で(まあ相互フォローったって4万人くらいいるのだが)特に僕としては「フェミの表現規制だ!」とか「ヴォルテールいわく」とか「それはどういう意味でしょうか?(メガネピコピコ)」とかそういう話をしたかったのではなく、「そういえばタッチの南ちゃんって昔からなぜか人によってイメージがバラバラだよ

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週刊少年ジャンプの連載層が薄すぎて、やばい。

週刊少年ジャンプの連載層が薄すぎて、やばい。

習慣的に「週刊少年ジャンプ」と「週刊少年マガジン」を読んでいます。
最近、年齢が上がってきたせいもあってか、マガジンの方がおもしろい作品が多いなぁ…と嬉しいような、悲しいような気持ちに。

中学生の頃からジャンプを読んでいる身としては、
やっぱりジャンプに最強でいて欲しいんですよね。

2019年11月27日現在の連載を比較して、両者の連載層を分析してみます。
相撲の番付を借りて、横綱・大関・関脇

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プロとして物語を描き続ける人になるために

プロとして物語を描き続ける人になるために

編集者として、マンガ家と打ち合わせを15年近くしてきた。

「どうすれば心に響く物語になるか?」
「マンガ家が作品を描き続けるために何が必要か?」

これまでの経験や知識を体系化したいと思い、マンガ家を育成する『コルクラボマンガ専科』を立ち上げた。

約半年間のカリキュラムで、現在は2期がはじまっている。2期では、1期の講義内容をさらにブラッシュアップしている。マンガ家を目指していなくても、編集者

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マンガ「統計学が最強の学問である」の連載がダイヤモンド社書籍編集局のnoteでスタート! 2020年夏の書籍化をめざしています。

マンガ「統計学が最強の学問である」の連載がダイヤモンド社書籍編集局のnoteでスタート! 2020年夏の書籍化をめざしています。

シリーズ累計50万部を突破した『統計学が最強の学問である』のマンガ版の連載が11月26日からダイヤモンド社書籍編集局noteでスタートしました。

原作『統計学が最強の学問である』は、2012年9月11日から書籍化を前提にコンテンツ配信サイトcakesで連載開始。おおきな反響をよび、2013年1月に出版されるとシリーズ累計50万部を超える大ヒット作となりました。2014年度ビジネス書大賞、2017

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金田淳子さんがnoteに連載した記事が書籍化されました。「『グラップラー刃牙』はBLではないかと1日30時間300日考えた乙女の記録ッッ」、11月26日に河出書房新社から発売!

金田淳子さんがnoteに連載した記事が書籍化されました。「『グラップラー刃牙』はBLではないかと1日30時間300日考えた乙女の記録ッッ」、11月26日に河出書房新社から発売!

noteに金田淳子さんが連載している「乙女の聖典 ~女子こそ読みたい『刃牙』シリーズ」が書籍化され、河出書房新社から11月26日に発売されました。

『グラップラー刃牙』をBL視点で読み解いた感想をつづって人気を博した連載に大幅な加筆修正、コマ画像や編注やモブキャラ初出データなども入り、10万字以上で構成されています。

「『グラップラー刃牙』はBLではないかと1日30時間300日考えた乙女の記録

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失われていない30年。

失われていない30年。

カレンダーを見るまでもなく、11月である。

なぜカレンダーを見るまでもないかといえば、10月末日の昨日が、ある原稿の(ある章までの)締切だったからである。もちろん、書けていない。ぜんぜんと言ってもいいほど、書けていない。いや、これは編集者さんにちゃんと、数週間前にしっかりと断ったうえでの話だ。10月のぼくは、突発的に入ってきた別の原稿に追われていたのだ。そちらにようやくメドが立ち、これから大急ぎ

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TERRE-á-STORY

TERRE-á-STORY

新しいお仕事!

大阪 京橋に実在するレストラン「TERRE-á-S」を舞台にしたマンガ連載がinstagram ではじまりました。

登場するのも実在のスタッフです。個性的な面々を似顔絵でキャラクター化しました。

ぜひ、インスタグラムでterasuosakaのアカウントをフォローしてお楽しみください!

ちなみにマンガの原稿はお店の2階席で描くことが多いです。

テラスの2階をシェアオフィス的

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11月24日の文学フリマに出店します!新刊の「生きながら十代に葬られ」をサイン入りで売ります!書き下ろし漫画「タコと私と亀戸で」を300円で販売します。サイン入りのポストカード付き。ぜひお越しください!

キャラが何考えてるのかわからない問題

キャラが何考えてるのかわからない問題

お世話になっております。若林です。

新人のネームでよく見る問題の一つに「キャラが何考えてるかわからない」というものがあります。

「何を考えてその行動をしたのかわからない」
「どういう気持ちでこの表情をしてるのかわからない」

僕も新人の頃、こんなようなことをよくやったような気がします。

じゃあキャラの考えてることを台詞や心の声で描けばいいと思うじゃないですか。
もちろんそれで解決する場合もあ

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