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あまねく紡ぐ次代の民藝=「萬画(ミリオンアート)」の世界

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2019年9月の記事一覧

イチオシSF少年漫画、『彼方のアストラ』

イチオシSF少年漫画、『彼方のアストラ』

きっかけは星1レビュー私がこの作品を知ったきっかけは、『彼方のアストラ』のアニメに関する批判レビューだった。Twitterで、「こういうレビューが日本のSFを衰退させるんだ!ぷんすか!」みたいなツイートが回ってきたのだ。ご丁寧にレビュー投稿のスクリーンショット付きで。

ツイート主が憤慨している相手、星1をつけたそのレビュアーは、どうやら本格派SF作品を好むようであった。「科学、物理学、確率論的に

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なぜアニメ・漫画原作付き実写映画は、こうも嫌われるのか(中編)

なぜアニメ・漫画原作付き実写映画は、こうも嫌われるのか(中編)

前回は「原作付き実写映画(テレビドラマ)」がなぜ忌み嫌われるのかを勝手な妄想メインで考察してみました。今回はその世界の歴史を混じえ、ソレがどのように人の目に映っているか、ソコからどういう意識になっていくかを考えてみます。

昔も今も…先達の記憶
実は凄く過去にも、実写化されてスゴイことになった作品があります。コレに胸ときめかせて毎週見ていた子供もいただろうし、当時のユーザー全てが嘆いたか明確にそう

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なぜアニメ・漫画原作付き実写映画は、こうも嫌われるのか(前編)

「分かりきっているコト、分析しつくされているコトをあえて書くよシリーズ」今回はコレ。(もはや自己思考の覚書にしちゃってる感ある)

言う人(識者やいわゆる映画通)に言わせると「日本映画は斜陽」だそうです。作っても、そう大したヒットも飛ばせず、若い男女アイドルのPVと化してる、との発言も聞きます。多分「上級者」の目から見るとそうなのでしょう。
しかしデータ的には(興行収入は作品の売り方(宣伝)が上手

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第208号『山口貴由のようにタフなセリフを吐きたい』

第208号『山口貴由のようにタフなセリフを吐きたい』

“リア充というか恋人と温かい暮らしをしている人に俺の漫画は必要ない”

“『幸せ行き』の列車は見逃してきたし、持っていた切符も『無効』になってしまった。そんな最終列車が行ってしまったあとの場所にも結構人はいるし、そこに――俺もいる”

“夢は基本的に叶わないし、志は半ばで終わるもの、しかし終わったものを集めた残骸で俺は――『宝石』を作るんだ”

これらは全て漫画家・山口貴由の言葉です。

『覚悟の

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漫画業界に新旋風!ナンバーナインって何の会社?社名の由来は?漫画家からの評判は?【公式note創刊】

漫画業界に新旋風!ナンバーナインって何の会社?社名の由来は?漫画家からの評判は?【公式note創刊】

はじめまして。株式会社ナンバーナインのCXO、小禄(ころく)と申します。

私たちは、漫画家さんが抱える漫画作品の電子書籍化をお手伝いしたり、漫画家さん向け確定申告代行サービスを行ったり、クラウドファンディングを活用したオリジナル漫画制作を行ったり、デジタル市場における漫画事業を中心に展開している会社です。

そしてこの度、ナンバーナインは2019年9月1日をもって4期目を迎え、9月9日という弊社

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第204号『アニメ化は原作ファンを喜ばせるためじゃない』

第204号『アニメ化は原作ファンを喜ばせるためじゃない』

たぶん色んな所で物議を醸す内容になりそうなので慎重に書きます。

これは今から20年くらい前に私自身が直面して思い知った出来事です。

ゲーム業界で働き始めて4年ほど経って、ある出版社の担当とゲームメーカーのプロデューサーとアニメの制作委員会の担当者とミーティングしていた時でした。

雑談がてら私がこんな話を振りました。

「しかし私自身が子供の時からずっと感じていたモヤモヤっていうか、疑問という

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絵柄について

絵柄ってなんでしょうね?

先日、某ゲーム会社の依頼で描いたイラストがボツになりました。
資料(同系統他ゲーム画像の束)を渡され、「自由に描いてください」とのことでした。
で、本番を提出したら「佐藤秀峰とわかる絵柄で描いてください」と描き直しを命じられた次第。

僕は佐藤秀峰なので、「佐藤秀峰の絵柄で描く」という意味がよくわからなかったので、お仕事をお断りしました。

こちらは僕の初連載作品「海猿

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爆誕!1年かかった哲学漫画です。

爆誕!1年かかった哲学漫画です。



はじめまして!北野希織というPNで漫画をかいております。現在はまんが学術文庫さんにて「自由論」の漫画を担当させていただきました。2019年10月に発売予定となっております!この1冊ができるまでのいろいろをお話させていただこうと思っております。

この作品の企画はほぼ1年前にはじまり、はじめはまんが学術文庫の現代ビジネスの記事をみた私が編集部に「やりたいのですが!!!!!!!!!」と問い合わせを

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最後の作品として描きはじめたマンガ『きつねとたぬきといいなずけ』で、自分の適性を見つけた。漫画家・トキワセイイチさん #noteクリエイターファイル

最後の作品として描きはじめたマンガ『きつねとたぬきといいなずけ』で、自分の適性を見つけた。漫画家・トキワセイイチさん #noteクリエイターファイル

noteで活躍するクリエイターを紹介する #noteクリエイターファイル 。今回は、漫画家のトキワセイイチさんにお話をお聞きしました。

2018年4月より、noteで漫画『きつねとたぬきといいなずけ』を連載し始め、その年の春の「第二回クリエイターコンテスト」でnote賞を受賞。

一人の青年のもとに、いいなずけだとやってきた言葉を喋るきつねとたぬき。人間と動物の不思議なふれあいが描かれるファンタジ

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進撃の巨人はワシが育てた!と言っても良いのだろうか

進撃の巨人はワシが育てた!と言っても良いのだろうか

人づてに聞いたところ…進撃の巨人のムック本に、「作者の諌山氏が、ポーズマニアックスというサイトで絵の勉強をした」という記述があるらしい(進撃の巨人OUTSIDEより)。

ふーん、ポーズマニアックスねぇ… ポーズ… え、あれ、ポーズ… ポ…ポポポポーン!?

え、それって、僕が昔に作った個人サイトじゃね? ポーズマニアックス!

実は12〜3年ほど前、僕がノリで絵の勉強サイト、ポーズマニアックスと

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娘におくりたい、私が読みたいマンガ

娘におくりたい、私が読みたいマンガ

マンガを買おうと考えている。電子書籍ではなく、紙のほうだ。タイトルにある通り私が読みたいもので、かつ娘に読んでほしいもの。

前提として、私はニュージーランドに住んでいる。持っていたマンガ本は、移住時にほぼ処分してしまった。

紙の本は送料がかかるため、高い。けれど紙の本がいい。なぜなら、本棚にそっと置いておけるからだ。

マンガを買おうと考えている目的が2つある。一つは、娘の日本語能力のため。現

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