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「感性(センス)」がビジネスの『未来』をつくる

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人間の数多ある能力の中でも「感性(sense)」ほど曖昧模糊としたものも他にはなかろう。 ワクワク系エバンジェリストの小阪裕司は、感性を「知識や体験の集積に基づく価値判断の尺度」… もっと読む
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2019年10月の記事一覧

若害

若害

インターネットの発達によって、「老害」という言葉が異様に流行り始めた。

元々は老人の蔑称だった言葉だが、最近はOBの謙譲語としても使われるようになり、広義に「古い価値観を押し付ける人」という意味で捉えられている。

新たな価値観が積極的に発信されるようになると、その対極にいる人々の存在も明確になってしまう。

若者の主戦場であるインターネットで「老害」と呼ばれる人物が続出するのもそのせいだと思う

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「彼の最大の関心事は他人の評価だった。彼は偉大になりたかったのではなく、偉大だと評価されたかったわけです」

「彼の最大の関心事は他人の評価だった。彼は偉大になりたかったのではなく、偉大だと評価されたかったわけです」

明日の言葉(その15)
いままで生きてきて、自分の刺激としたり糧としたりしてきた言葉があります。それを少しずつ紹介していきます。

乱暴に言い切ってしまうと、会社員とは、他人から評価される職業である。

もちろん自己評価もあるし、絶対的な成果を上げて自分でのし上がるヒトもいる。
でも基本的には、上司などから評価されて、認められ、立場を変えていく仕事である。

生きていくためには仕方がない。
でも、

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誰かを応援するという行動の「無意識の効用」

誰かを応援するという行動の「無意識の効用」

昨日のラグビーW杯日本対南アフリカ戦。

残念ながら日本は力及ばず敗退しましたが、この試合に限らず、今大会通してたくさんの人たちに笑顔と勇気を与えてくれて、そして大切なことを教えてくれました。ありがとうございます。

それにしても、前半から南アフリカの当たりは強かった。一人多い時に1トライ決めてれば…とは思いますが、世界の4強の壁は次回に開く扉としましょう。

ところで、昨日の試合の平均視聴率は4

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「自分なりの言葉」はどう作られるのか

「自分なりの言葉」はどう作られるのか

今は言葉を発することが先になってしまっている時代のように見えますが、言葉を発する前に、まず自分を作れよって思います。そうすれば自分なりの言葉が出てくるはずだし、人が聞いたときの伝わり方がまったく違ってくるはずです。だからまずは黙って、やること。言葉を発するのはその後でいい。

これは、私が言葉に対して、最も大切にしたい考え方だ。



先日、とても素敵な会社の話を聞いた。それが、「洗車の

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カリスマのそばにいすぎてはいけない

カリスマのそばにいすぎてはいけない

今までの人生で、何人かカリスマと呼ばれるレベルの人のそばにいたことがある。

1つは学生時代、当時の桑沢デザイン研究所の所長であり天皇陛下に紫綬褒章を賜るほどの世界的デザイナーでもあり、尊敬する恩師の内田繁先生の元にいた時。

もう1つは就職後、独立して今もお世話になっているワインインポーターでありワインショップ経営者のオーナーさんと仕事をしている時だ。

前者の恩師は高齢でご逝去されたけれど、僕

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世代別にみる価値観の違い

世代別にみる価値観の違い

「最近の若い者は、、」

この言葉って今でもわりと当たり前に
使われていますよね。

しかし10年前や20年前のドラマや漫画でも

「最近の若者はー、、、」

と使われています。

その当時そう言われてた人達も
30代、40代、50代にもなれば
同じ事を言います。

つまり時代の変化とともに
価値観も変化しているので
その人軸の価値観で物事を発しても
時代の変化のすり合わせが出来ないように
価値観

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教養は人生を面白くする

「世の中、学歴じゃないよ」っていう人は、だいたいみんな揃って高学歴だったりする。

色んな事を俯瞰して見える位置にいるからこそ、結果的に「あぁやっぱり学歴じゃないんだよなぁ」って実感するわけで。

でも、その位置に行くにはやっぱり頭の良さとか、教養とか、そういうのは必要なんだなって思っている。

学歴がどうのっていうより、どれだけ教養があるかどうかっていうのは、すごく大切なんじゃ無いかって、わたし

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判断力の根っこ

判断力の根っこ

仕事をする上で大事な能力のひとつは判断力だと思う。

異なる選択肢が2つ以上ある場合、何を選んで仕事をその先の段階に進めていくか。はたまた目の前にある作業の結果を良しとしてそのまま進めるか、良くないとして修正に戻すか。

何かをつくりだす仕事は当然として、その他たいていの仕事のなかには、こうした「判断」の場面が日常的に何度も発生する。
判断基準があらかじめ明確になっていて、それに照らし合わせて判断

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「自分」起点の価値をつくる、アート・シンキング・ワークショップ、 の、 振り返り

「自分」起点の価値をつくる、アート・シンキング・ワークショップ、 の、 振り返り

ちょいご無沙汰しています、uni'que若宮です。
ここ2ヶ月、自社で女性特化のインキュベーション事業を始めたり、アート・シンキング本の執筆をしていたりとばたばたで、COMEMOの寄稿頻度が少なくすみません…

そんな中、先日日経COMEMO主催でこんなワークショップの講師をさせていただきました。
https://eventregist.com/e/comemo1024corevalue

渋谷に

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デザイナーが読むDesigns for the Pluriverse - 多元的なデザインとは何か?

デザイナーが読むDesigns for the Pluriverse - 多元的なデザインとは何か?

たげん‐てき【多元的】
[形動]物事の要素・根源がいくつもあるさま。「多元的な考え方」⇔一元的。

筆者も参加するデザインリサーチ学会において、2019年4月、SIG Pluriversal Designという専門フォーラムが立ち上がり、にわかに最新のデザインリサーチ界隈ではPluriverse(多元宇宙)という言葉の盛り上がりを感じてきたので、まだ日本ではほぼ語られていないデザイン論ではあるが、

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「生野菜のサラダ」という幻想が生み出す、社会のムダについて。

「生野菜のサラダ」という幻想が生み出す、社会のムダについて。

生野菜を食べるなんていう、たかだかこの数十年の流行り(ブーム)さえなくなれば、農業や流通のあらゆる課題が解決するのよね、という話。

生野菜のサラダが健康に良い?
まずコレね。極めて効率が悪い。野菜の栄養やエネルギーなどが一番吸収されない食べ方なのは明らかだ。

ではナゼ、生野菜のサラダがこんなにも広がったのか?それは逆説的だけど、肉食や魚食が広まったから、だ。

炭水化物はもとより、脂質や蛋白質

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感情モデルと心理学の位置づけ

「感情モデル」で画像検索をすると初めに目につくのがプルチックの感情の輪であろう。

この輪には感情の次元が分類され、その強度が示され、そして円環の順序に並んでいるように見える。

よく見ると、各次元の位置関係には相関があるようで、実は曖昧な順序になっている。

ラッセルの円環モデルはプルチックのモデルを追うようなタイミングで発表されているが、実は数学的、工学的アプローチがなされており、有意な相関を

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【レポート②】デザイン・マネジメントの国際学会に初めて参加してみた:「感性」を軸とした日本型デザイン思考

【レポート②】デザイン・マネジメントの国際学会に初めて参加してみた:「感性」を軸とした日本型デザイン思考

自国の言語では細かいニュアンスまで翻訳することができない外国語を表現する場合、外国語の表現のまま使われることがある。日本では、リーダーシップやコミュニケーション、キャリアなどの言葉がそうだろう。そして、英語圏にとっては、カイゼン(改善)やカロウシ(過労死)が日本語のまま使われている。このように、日本語のまま海外で使われるようになった言葉の中に「感性」がある。その切っ掛けを作ったのは、広島大学工学部

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【レポート①】デザイン・マネジメントの国際学会に初めて参加してみた:欧州で独自進化するデザイン・マネジメント

【レポート①】デザイン・マネジメントの国際学会に初めて参加してみた:欧州で独自進化するデザイン・マネジメント

2000年代初頭にデザイン思考という言葉が米国から輸入され、ビジネス界に大きなインパクトを与えてから、早くも20年程が経とうとしている。ビジネス用語としてのデザイン思考のブームは落ち着きを見せ、近年ではビジネスに有益なスキルやテクニックの1つとして一般化してきた。

このような実務上の動向とは異なり、デザイン思考をはじめとしたデザイン工学と経営学を組み合わせた「デザイン・マネジメント」という新しい

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