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疎通と対話 ―社会と組織の中で人々を「乳化」させるもの―

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コミュニケーション(疎通)とは相互に意思を伝達する技術であり、ダイアログ(対話)とは相互の合意目標を発見する工程である。いかに言葉巧みで表現豊かでも、伝達や合意を成し得なければ児… もっと読む
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2019年1月の記事一覧

話すことが苦手なデザイナーさんへ 〜内向型シャイデザイナーの生きる道

話すことが苦手なデザイナーさんへ 〜内向型シャイデザイナーの生きる道

人前で話すことを苦手としているデザイナーは多い。

ボクも話すことが苦手である。
知らない人の前だと、ドキドキしてしまう。
たくさんの人の前で話さなければいけない場合、
処刑前の犯罪人のような気持ちになる。ごめんなさい。死にたくない。

そんなボクだけども、十数年間、なんとかデザイナーとしてやっていくことができた。
なので、話すことを苦手にしている若いデザイナーを見ると、
「大丈夫、一緒にがんばろ

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爪痕は、残そうとすればするほど残らないという話

爪痕は、残そうとすればするほど残らないという話

何年か前にバズった「マクドナルド理論」が好きです。

例えば同僚たちとランチに行く際、誰からも「行きたいお店」のアイデアが出ないときは、
「マクドナルドはどう?」
と言ってみる。
すると、同僚たちは「マックはちょっと……」ということで次々に別の案を出し始める。
つまり、「大して良くないアイデア」であっても、まずは誰かがそれを投げかけることで議論が活性化し、多くの案を引き出すことに繋がる、というわけ

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【パリコレ学】アンミカ先生、「念」能力者説

【パリコレ学】アンミカ先生、「念」能力者説

MBS放送で毎週日曜10時放送の「林先生が驚く初耳学」の人気コーナーである「アンミカ先生のパリコレ学」って皆さんご存知でしょうか?

内容を簡単に説明すると
元パリコレモデルのアンミカさんを講師として、選抜されたモデル達がパリコレを目指すという趣旨の企画です。

毎回アンミカ先生がモデルの生徒たちに指導をするわけなのですが、
その指導っぷりが色んな意味で凄いんですよ。

時間のある方は是非実際に見

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自己責任論への反論の一つに「自分で選ぶことはできないから」があるが、それだけでは足りない。本人の主体性が奪われる。

自己責任論への反論の一つに「自分で選ぶことはできないから」があるが、それだけでは足りない。本人の主体性が奪われる。

たいていは自分から他者へ「あなたは自己責任だ」と主張する際に「あなたがそれを選んだから」というロジックが使われる。

「あなたは自分でホームレスになることを選んだんだから、生活保護を受けてはいけない」

「あなたは自分でこの仕事を選んだんだから、文句を言ってはいけない」

だから自己責任論への反論の一つとして、「自分で選んだわけではない」というロジックが使われる。「いくつもの先天的要因や社会的要因

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やさしさ、 ってなんだっけ

やさしさ、 ってなんだっけ

僕はよく「やさしい」という言葉をよく使います。CAMPFIREの行動指針にも「他者にやさしくあろう」とはっきりと入っています。他の活動や発言にも、結構昔から使っているはずです。

周囲の子やスタッフにもよく聞かれます。家入さんの言う「やさしさ」ってなんですか、と。それは甘やかしと違うんですか。そう。「やさしさ」と「甘やかし」。似てるようで違う。違うようで似てる。

でも僕の中では、明確に、定義が違

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すべてのことはメッセージ

すべてのことはメッセージ

ポーカーにはレプリゼントという概念がある。

レプリゼントとは、「ゲーム中の行動を通じて発生する非言語メッセージ」のことだ。

たとえば掛け金を上げる(レイズ)という行為は、「私の手札は強い」や 「相手を下ろしたい」というメッセージを発している。同じように降りるという行為も「手札が弱い」や「リスクが見合わない」というメッセージを発している。

基本的に、「あらゆる行動は、周囲にたいして何かしらのメ

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#noteが書きたくなるワークショップ を企画したワケ

#noteが書きたくなるワークショップ を企画したワケ

「クリエイターはいつでも孤独。だから、他者が孤独に寄り添って、かたちになる前のアイデアを肯定し、方向づけてくれる機会は、とてもありがたい。」

1月22日(火)に外苑前の新しいピースオブケイク社で開催された、#noteが書きたくなるワークショップ の参加者の方のお一人の感想でした。ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

詳細な内容に関しては、アラキナツさんのレポートが臨場感たっぷりに

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自分の信念をもつことと、他人の信念を否定することとは全く別物だと思う

タイトルのまんまですが、これはもう、めちゃくちゃ自戒を込めての話。

写真を例に考えてみよう。

私自身はもともとスケッチの代替として写真を始めたという経緯があるので、写真をレタッチすること(=明るさ・色味を調整すること)にはなんの抵抗もない。むしろ、自分が感じた景色をレタッチによって再現するプロセスに楽しさを感じる。絵を描くように、まぶたに焼きつけた色を画像の中にに取り戻していく作業はひじょうに

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正解を追い求め続けると壁に当たる話

正解を追い求め続けると壁に当たる話

「うまく当てはまらない人って苦手なんですよね」

ある若い編集者がボソッと言った。

取材が終わって、取材させてもらった人についての感想的なことを話していたときのことだ。取材自体はとくに何の問題もなかった。

原稿の構成をすり合わせて、取材内容も問題なくて無事に記事にすることができる。それだけでなく、取材させてもらった人からはおもしろい切り口の提案までしてもらえた。

そういう切り口からその職業の

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どんな人とでも最短で仲良くなれる方法

どんな人とでも最短で仲良くなれる方法

人と仲良くなるためには、相手の態度の変化をじっと待つよりも、相手があなたに近づきやすくなるような環境をこちらから積極的に整えてあげると良いです。

つまり、あなたに魅力があったり、どこか近づきやすくて話しやすい雰囲気があったら、それだけ相手が話しかけてくれる頻度が上がって仲良くなりやすくなりますよね。

この人間心理を利用するのです。

実は、相手から見たときに、あなたが優しくて話しかけやすい雰囲

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「人と人がつながる」ってなんだ?

「人と人がつながる」ってなんだ?

学生の時に読んだ心理学者の文章に、「人間を『じんかん』と読む」と書いてあった。この方は心理学の中の人間関係が専門の研究分野であったこともあり、人を人と足らしめているのは「その関係性にある」というのが著者の主張であった。文章の細部を忘れてしまったが、この「じんかん」という表現はいまも僕の頭に残っている。

この表現は、インターネットが当たり前の世界になるにつれ、思い出すことが多くなった。「ネットでつ

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愛はこころを受けとめ、注いでいくもの。

「愛」についての議論はよく目にするものだ。もちろん解はない。こんな大きな題に解はぱちっと定まらない。いつだって「これくらい」という近似値しかない。だから自分なりの答えをもつことに意味がある。

有名な少年漫画『NARUTO ナルト』で忘れられない場面がある。禅僧が正座をし、両手を広げる。その手にはそれぞれ「心」と「受」の漢字が書かれており、賞賛の言葉をうけて、涙しながら合掌する。物語の中では一瞬の

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正直であるためには、誰と一緒にいるかが大事だよねという話。

正直であるためには、誰と一緒にいるかが大事だよねという話。

年が明けて、毎年同様に「やりたいこと」の目標はたてられないのだけど、「どうありたいか」を考えたら、俄然「正直でありたいな」と思った。

自分も正直でありたいし、正直な人がすきなんだけど、それはどんな人のことかというと、単にウソをつかないとか隠しごとをしないというだけではなく、思ったことを全部口にしてしまう人のことでもない。

正直な人とは、自分の感情、欲望、知と無知を過不足なく捉えていて、他人にど

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