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疎通と対話 ―社会と組織の中で人々を「乳化」させるもの―

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コミュニケーション(疎通)とは相互に意思を伝達する技術であり、ダイアログ(対話)とは相互の合意目標を発見する工程である。いかに言葉巧みで表現豊かでも、伝達や合意を成し得なければ児… もっと読む
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2016年2月の記事一覧

批評家という特定分野の情報のプロが厳しいわけ

批評家という特定分野の情報のプロが厳しいわけ

先日、フェースブックで柳瀬さんがフランス人とミシュランについて書いていた疑問によって、以前からあれこれ考えていたことがあちこち繋がった気がしたので書き留めてみる。まぁ要するに「西欧でいうcriticism(批評)の文化が重んじられていない日本は、情報の信用度というものさしがなくて色々とヤバイんじゃないか」って話になると思うんだけど。

元々「バズフィード」に出ていたこの記事について、 フェースブッ

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アドリブがきかない話

※土曜日は読む人が激減することが判明したので個人的な話を。

妻が最近、落語にはまってまして、必然的に僕も休日はほとんど落語会に行って、落語を楽しんでいます。

落語家の中にももちろん「上手い人」と「下手な人」というのが存在して、上手い人っていうのはやっぱり、「その場の雰囲気をつかむ能力」とか「優秀な俳優と同じようなそのキャラクターが憑依する能力」とか、あと結構大きいのが「アドリブでやりこなす能力

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防御壁を全く設けない言論について考えること

防御壁を全く設けない言論について考えること

だいたい、僕は3ヶ月に1回くらいは軽くブログなり何らかのポストがバズる。先日でいえば、パリのテロがあって多くの人がフランス国旗を掲げたことに対して、「それって変じゃない?」という内容のことを書いたらバズりつつ少し炎上するようになった。

自意識を制御する訓練はしてきたはずなのだけど、実のところ、世の中に対してControversialなものや、自分がどうしても譲れないこと、また何らかの怒りが含まれ

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「相手より優位に立ちたい人」って、結局はとても「弱い人」

「相手より優位に立ちたい人」って、結局はとても「弱い人」

「どう思う? この上から目線な感じ」

 土曜日の某喫茶店。女友達がしかめっ面で、LINEの画面を見せてきた。表示されていたのは、ある男性とのやり取り(年下の女の子を言葉巧みに騙して、自分の思い通りに従わせる、けしからん輩だそうです)。

「常に自分が優位でいたい、っていう感じが言葉に滲み出てるんだよね。
わたし、上に立とうとする人、優位に立とうとする人が男女問わず嫌い!」

 私も「そういう人っ

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