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イラスト通信

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#イラストエッセイ

193 シンプルな魔法

私は、週に1〜2回ワーキングスペースで仕事をする。 その場所は公園を過ぎたところの川沿いにあり、季節ごとに変わる景色も楽しめる。 家よりも断然仕事に集中でき、気がつくと5時間一度も休まずにキーボードを打ち続けていたということもあるくらいだ。 先日、仕事が一区切りついたタイミングで、ワーキングスペースのお姉さんにコーヒーをお願いした。 お姉さんがコーヒー豆をひいている間、目を閉じて待っていた。 じんわりと全身に広がる疲労感が心地よい。 視界からの情報をシャットダウンすると

109 春のおやつでやさしい気持ちに

透明な雨が止んだら、すっかり春らしくなってきました。 気がついたら3月。またひとつ、節目の月がやってきました。 年度末ということでばたばたとすることも多いのですが、人と話すときはひと呼吸おいてやさしい言葉選びをしたいものです。 小学生のころ、校長先生がお話しされたことで印象的だったことがあります。 「口から毒を吐くか、花を出すか」 これは、人に対してどんな言葉をかけるか、ということだったと思います。 毒を吐けば、相手は苦しみます。花を出せば、相手は笑顔になります。 言葉

106 朝食をともにするのは特別なひと

少しずつ、ほんの少しずつですが、朝の明るくなり始める時間は早くなってきています。 スーパーマーケットには、いちごが並んでいます。 つめたい空気の中に春のつぶがひとつ、ふたつと増えてきています。 今年は暖冬でしたが、それでもやっぱり春が近づいてくるとうれしい。 立春が過ぎて、春をひとつずつ見つけるのが今の楽しみです。 明るい春の朝に食べたくなるものはありますか。 私は…やっぱりパン!それも、さくさく系のパンを食べたくなります。 例えば、かりっと焼いたうすいトーストや、バタ

101 お家シネマ

目が覚めたとき、ほんの一瞬あれ?と思うことがあります。 あれ?私はだれだったっけ、と。 ほんのほんの一瞬です。お砂糖のひと粒くらい一瞬です。 もちろんすぐにだれかはわかります。 昨日のことも覚えていますし、ベッドが置いてある部屋がどこかも理解しています。 その日がお仕事なのかお休みなのかも、(やや時間を置いて)わかります。 そして、その頃には目覚めた一瞬の疑問は消えています。 こんな風に思う朝は、たいてい理由があります。 それは、夢物語を見た日です。 私は、ときどき、と

100 小さな「うれしい」をお裾分け

目が覚めると寝室は薄暗くて、あぁまだ冬なんだなと思いながら、のそのそとベッドから出ます。午前7時。もう明るくてもいい時間なのに、空はきっとまた白い雲でお日さまを隠しているのでしょう。 ぶ厚いカーディガンを羽織って居間に行き、カーテンを開けると、ふわふわふわと光が入ってきました。やさしい、薄みかん色の光。手をかざすと、ほんのりあたたかい。 外を見るとまだやや暗いのですが、確実にやわらかな朝はやってきています。 ベランダに出ました。 ひやひやの空気。目の前に立っているビルの屋

096 りんごはりんご

人から言われて、はじめて「自分」の一面を知ることがあります。 私は私と生きてきたはずなのに、なんだか不思議なことです。 先日、職場の方にこう言われました。 「いつもにこにこしていて、ふむさんがいるとその場の雰囲気がまぁるくやわらぐよ。いつも機嫌よく仕事ができる人ってなかなかいないよ」 なんとまぁ。 完全に油断しているときにそう言ってくださったので、びっくりがまさって目が二重丸◎に。しかし、うれしさはその後染みるようにわいてきました。 私は、笑い上戸な上に思い出し笑いもし

094 ヘゼリフハイト

Gezelligheid ということばを知っていますか。 私は知りませんでした。オランダ語で、「ヘゼリフハイト」と読むそうです。抽象名詞。 オランダの人々が根底にもつ思想、感覚で、日本語ではこれ!と当てはまる単語はないそうです。 説明すると、さまざまな場所で感じる心休まる状態。なごやかさ。空気であり雰囲気であり感情でもあります。なんだか、今の季節に合うことばだなぁと思いました。 冬、確実にさむさがきびしくなっていく日々。 美しい季節なので、楽しみはたくさんあると思います。

087 メロウな時間

「秋はメロウな時間」と言ったのは、アイルランドの詩人William Allinghamだったと思います。朝起きたときのやわらかな光、空は澄んでいながらどこかかすんだような風景。音楽は元気なものよりも、ゆったりとしたメロディを聴きたくなります。 すいすいとさむくなってきて、もう季節はすっかり冬。窓の外は、きっと冷たい風が闊歩していることでしょう。でも、このあたたかな日差しを感じるうちは、もう少しだけ秋だと思っていたい。そんなことを朝のベッドの中で思っていました。 あ、今日も

083  あったかおうどん

年中無休でうどんがすきです。 すこし透き通るような色の出汁はじんわりと体をあたためてくれます。 麺はつるりと口の中をすべって、あっという間に胃におさまります。 うどんは遠慮しません。初対面でも、いつも親しくしてくれます。 暑い季節でも、あたたかいうどんを好んで食べる私にとって、秋冬の空気が冷たくなる季節はうれしいものです。これで心おきなくあたたかいうどんを食べられる! きつねうどんやたまごうどんは定番で。 天ぷらやお肉はお腹がすいたときに。 とろろやおもちを入れたらやさし

077 秋色あつめ

仕事の休憩時間。 あまりお腹がすいていなかったので、クッキーをひとつつまんで会社から出ました。 私はわりと休憩時間に歩くのが好きです。 家が会社の近くではないこともあって、ちょっとした探検なのです。 見たことのないお店があったり、会社の近くに小さな公園を発見したり。 お昼下がりの空を見たり、本屋に寄ったり。 その日はいろいろなお店が入っている駅ビルに行きました。 お洋服屋さんのショウウィンドウには、こっくりとした秋らしい色合いのファッションが並べてあります。雑貨屋さんにはあ

074 お風呂で充電

最近、なんだか体がおもたくて暗い気持ちになってしまいます。 基本的に健康体で歩くの大好きな私でも、駅まで歩くのがおっくうになったり、電車でも普段は立っている方が好きなのに、足がへろへろで座ってしまいます。 うーん、やはり睡眠不足はよくないのかなぁ、なんて思っていたのですが、ふと上司と話していた時に 「やっぱり、湯船に浸かった夜の翌日と、そうでない夜の翌日だと、疲れの取れ具合がちがうんだよね」 ということをおっしゃっていました。 私はお風呂が大好きなのですが、それは娯楽として

069 いもいもさつまいも

秋になると、食べたいものがたくさんあって、口と胃袋がいそがしくなります。 noteも食べものネタが多くなりそうです。 みなさんは秋になると食べたくなるものはありますか。 私はたくさんあります。 お米にさんま、きのこの炊き込みごはん。 無花果にぶどう、アップルパイ、みたらしだんご…。 それから…さつまいも! 私はさつまいもが大好きなんです。 ふかしたり焼いたり、煮物にしたり。シチューに入れても素敵です。 薄い皮の赤紫色と中のあたたかな山吹色が秋にぴったり。 さつまいもと

065 おにぎり道を私も

なんにも予定のないお昼前。 外は雲がところどころ出ていますが、からりと晴れています。 エアコンのいらない気持ちのよい日曜日。 実家の畳の上で猫ところがってなまけていると、母がやってきました。 「お昼はおにぎりランチにしない?」 おにぎりランチ! 素晴らしい提案です。 私はふとももに乗っかっていた猫をぽとっと畳の上に落として(猫は目をまるくしたあと迷惑そうな表情をしました)、台所に母と立ちます。 私が手を洗っている間に、母は戸棚や冷蔵庫からあれこれ出してカウンターに並べます

062 こんな休日はいかが-晴れて元気な朝編-

晴れていてごきげんな休日。 あなたはどんな風に過ごしますか。 今回は、私の休日の過ごし方-晴れて元気な朝編-をご紹介します。 結構普通のことばかりですが、ほほう、こういう休日もありかもな、と見ていただければと思います。 次のお休みが楽しみになりますように。 お休みに向けて、日々の仕事をがんばれますように。 今回も見に来てくださって、ありがとうございました。