139 次につながる種
11月最初の朝。からりと冷たい空気が窓ガラスから伝わってきます。
きっとさむいよねと思い、カーディガンを羽織って、からからからと音を立てながら窓を開けたら新しい空気が入ってきました。
すっきりとしていて、透明で、やっぱり冷たくて。お水のような空気でした。
ほんの少しの間目を閉じて、飲みもののような空気を全身に行き渡らせます。体がしゃきっと目覚める、ささやかな魔法。
しばらく窓を開けたまま、朝食の支度をします。
お湯をわかして、昨日作ったスープを温めて。
そうそう、ぶどうが