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Fontで雑に学ぶ歴史 Adobe Jenson編

Fontに関連する時代・歴史について簡単にまとめておく。

Adobe Jenson

Adobe Jenson は、Adobe の Robert Slimbach さんが15~16世紀ごろの書体をもとにして作ったフォントです。

元になったのは1470年ごろに Nicolas Jenson (ニコラ・ジェンソン)が作った書体と、その50年後に Ludovico Vicentino degli Arrighi によって作られた?(このへんあいまい)イタリック書体のようです。

どんな時代だった?

ヒューマニストと活版印刷によって生まれたヴェネチアン・ローマン体
15世紀、ルネサンス期のイタリアでは ヒューマニズム という神や人間の本質を考え行動するムーヴメントが広がっていました。

そのころまで活版印刷ではブラック・レター体がよく使われていたようですが、キリスト教の権威を感じさせるということでヒューマニストはブラック・レターの使用を避け、独自の書体を使っていたようです。

そのころ、 グーテンベルク がいたドイツから印刷術が伝わり、イタリアでの出版物を印刷するにあたりヒューマニストが使っていた手書き文字をもとに活字が作られます。
初めてヴェネチアに印刷所を作ったスピラ兄弟、先述のニコラ・ジェンソンらがそれを洗練し ヴェネチアン・ローマン体 とよばれる書体が生まれました。

古典古代への回帰
ルネサンス やヒューマニストなど、古代ギリシア・ローマ文化の復興が起こり、イスラム文明なども取り込まれたことで文化的な繁栄がおこります。
フィレンツェで絶好調だった メディチ家 が芸術家のパトロンになったり、ダ・ヴィンチやミケランジェロが活躍したのがこのころ15~16世紀ですね。

15世紀終わり頃からオールド・ローマン体が登場
ベネチアン・ローマンが更に洗練されながら、ヨーロッパ各国に広がり オールド・ローマン体 が登場します。
そのころの背景はまた別の時に。

その頃日本は…?
1467年に応仁の乱が起こっているので、室町時代〜戦国時代にあたりますね。戦乱で大変な時代のようですが、ルネサンスが起こっている頃、日本では能(観阿弥・世阿弥)や狂言の大成、茶道や華道、庭園(龍安寺石庭)、絵画(雪舟、狩野正信)などが盛り上がっていたようです。

参考

Wikipedia
Adobe Typekit - Adobe Jenson
欧文書体データベース - ニコラ・ジェンソン
Typetuto - ローマン体の歴史
書体の基礎知識 欧字書体編

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