【賢母を勧めない】


 賢母と聞いたとき、あなたは誰を挙げるだろうか?一昔前の日本では間違いなく孟母だろう。孟母三遷の教え、孟母断機の教えを知っている女の人は多かったという。

 『孟子』、養老孟司先生の『養老孟司の〈逆さメガネ〉』、香山リカ先生の『母親はなぜ生きづらいか』、西部邁先生の『教育―不可能なれども』を参考文献に、親のあり方を漫ろに考えたものです。

 『次郎物語』を筆頭に、細田守監督の『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』で描かれた親子関係を、周回遅れではありますが評論しました。4~9にて私の考えを展開する。

目次

1. イントロダクションと『次郎物語』の穿った見方:良妻賢母思想に踊らされた母、お民
2. 『おおかみこどもの雨と雪』評:花は賢母に描かれてるか、それとも愚母に描かれてるか。
3. 『バケモノの子』評:ミラーリングによって築かれる関係
4. 『生かす』の落とし穴。『殺さない』ために心掛ける3つの『不断の努力』
5. 敢えて考える。勧めるべき3つの『親の礼』:選択肢の1
6. 敢えて考える。勧めるべき3つの『親の礼』:選択肢の2
7. 子供が[アイデンティティの確立]するために
8. 敢えて考える。勧めるべき3つの『親の礼』:選択肢の3
9. 『ここにいる』と言えない者たち

 2018年、7月から11月にかけてまとめた3本目の評論です。


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