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孤独の正体は「ギャップ」なのかも

「本を書くのは孤独な作業だ」と言われます。

実際これ、ほんとに孤独な作業です。ここで向き合う孤独の正体って、要するにアクションとリアクションのギャップだと思うんですね。

自分はなにかを書いている。設計図は日々刻々と更新され、物語がぎゅんぎゅん動き、あっちとこっちがつながり、ことばがあふれていく。まるで世界の転覆をもくろむ愉快犯のように、もくもくとイマジネーションが膨らんでいく。何か月も、場合によっては何年も。

けれども、自分が妄想を膨らませているその部屋、もしくはパソコン画面から一歩でも外に出ると、「世界」はなんら変わることなく、わたしなど存在しないかのように平穏な時を刻んでいる。

この全身全霊をかたむけた「アクション」と、それを知らない世間の「リアクション」のあいだに横たわる絶望的なギャップこそが、孤独の正体なのです。

だから編集者に求められるのは、「最高のリアクション」なのだけど、ここをしっかり理解しないと「嘘のオーバーリアクション」ばかりを返す、営業マンみたいな編集者になってしまう。

書き手も編集者も、自分がどんなアクションを起こし、どんなリアクションを返しているか、よおく考えないとなあ。