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イケてる季節がおわったあとに。

10年前には、考えもしなかったことだ。

いまから10年前、みんながみんな Apple を誉めたたえていた。クールといえば Apple、Apple といえばクール。誰もがほこらしげに iPhone を撫で触り、これみよがしに MacBook Air を開いていた。ビジネス誌やビジネス書ではスティーブ・ジョブズの「クレイジー」なエピソードがいくつも紹介され、そのプレゼン術はあこがれの的だった。

いま、誰かの書いた原稿のなかに「スティーブ・ジョブズもこう言っているように〜」的な文章を見つけたならば、編集者のぼくはたぶん、別の事例に書き換えさせる。もうジョブズじゃないだろう、さすがにそれは使い古され過ぎだろう、それでクールさを出そうなんて10年遅いよ、と指示を出すだろう。同じくまた、イケてる企業の筆頭に Apple を持ってくる原稿に対しても書きなおしを指示するんじゃないかと思う。おそろしいことに Apple は、もうイケていないのだ。より正確にいうなら、「Apple の時代は終わった」とせせら笑う態度のほうが、たぶんイケているのだ。


ということで、ひたすら前評判の悪かった iPhone11。

ぼくは iPhone11 Pro Max というデカイやつを買ったのだけど、そしてその名前はたしかにまったくもってクールと言えないのだけど、これがもう最高なのだ。


悪評の理由は主に、カメラにあった。

ひとつは「三眼レンズがダサい」こと。そしてもうひとつは「カメラ以外の機能がほぼ変わっていない」こと。

ぼくもそう思っていたし、みんなもそう言っていた。

ただ、冷静に考えてぼくの場合、カメラ以外のどこにイノベーションを求めているのか、よくわからない。これまで使っていた iPhoneX にしても、あえて不満を挙げるならカメラの性能と、画面サイズだけだった(スマホ上で漫画を読むことを考えると、やはり画面はでかいほうがいい)。


というわけでカメラ機能が大幅に進化した iPhone11 Pro シリーズ。きのう届いたばかりで、見本として載せられる写真が薄暗い部屋の犬しかないのだけど、まじで最高です。

スマホが「○○機能付きの電話」でなくなっているのは、さすがにわかっていたものの、ぼくにとってのスマホはもう「○○機能付きのカメラ」だったのかもなあ。Apple はクールじゃないんだろうし、iPhone よりほかの端末を選ぶ気持ちもわかるけど、今回のはぜんぜん買って後悔しないスマホだと思いますよ。

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週末、ミラーレスとこの iPhone を持って犬と小旅行してきます。

もうちょっといい写真撮ってきますね。