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カレンダーと実際。

9月がはじまって、「9月がはじまりましたね」という話をする。

これはいかにもおもしろみに欠ける、時候の挨拶にも似た話題選びである。できれば別の話題から入りたい。もっと「えっ、なんの話?」みたいなところからはじめたい。けれども、ほかになにも思いつかないのだから仕方がない。とりあえずは9月がはじまりましたね、の話からはじめる。

いま、うちの会社には壁掛けのカレンダーが置かれていない。自宅用に購入しているカレンダーも、ほぼ日のホワイトボードカレンダーなので、ふつうのカレンダーとはちょっと違う。なので最近の一般的な(鉄道会社が配布するような)カレンダーがどうなっているのかよくわからないままに書くと、カレンダーとは大体、ニンテンドーDSのようなつくりになっている。つまり、上下の二画面に分かれ、上にはその季節を象徴するような風景写真が、そして下には月初から月末までの数字が、それぞれ印刷されている。

子どものころぼくは、その年のカレンダーをめくっていくお正月が好きだった。「おお、今年の5月はこんな写真なのか」「今年の8月はこの写真とともに過ごすのか」なんて感じで、いわばその一年を先回りしてたのしむようなワクワクが、カレンダーめくりにはあった。


で、いまなんとなく思ったのだけど、たぶんそういうカレンダーの9月は、いかにも秋っぽい写真が掲載されている。もみじなんかの紅葉ではなかったとしても、ススキ的な、あるいは稲穂的な写真が、そこに踊っている。

だけども去年の9月に撮った写真を見てみると、さほど秋っぽくない。少なくとも9月のカレンダーにこれが載っていたら、けっこうな違和感を抱きそうな緑である。

夏が終わろうとしているのは間違いないにせよ、セミもみんみん鳴いているし、「わあ、秋だ」と思える瞬間にまだ、今年は出会っていない気がする。

夜の散歩だって、帰ってきたら汗だくだもの。


ほんとうはね、書きたいこといっぱいあるんだけれど、その大半はいま進めている本(ライターの教科書)についての話で、いわばそっちで頭がいっぱいなんです、最近は。

どこかであらゆる連絡・通信手段を断ち切って、二週間くらいこの原稿だけに専念したいなあ。できたらなあ。