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ハロウィンと宅配ピザ

ぼくのオフィスは渋谷にあります。そして先週末、世間はハロウィンでした。とうぜんぼくは夜の遅くまで、なんなら泊まり込んで原稿を書いていました。ハロウィン、渋谷、そこではたらくおれ。この3つを押さえたならば、多くを語る必要はないでしょう。Do you know what I mean ? ってなものです。

それで「ハロウィンって、いつからこんな感じになったんだろう?」と記憶の糸をたぐり寄せているうちに、ある映画を思い出しました。スティーブン・スピルバーグ監督の傑作『E.T.』です。

公開当時、超満員の映画館でこの映画を観た小学生のぼくは、映画の本筋とはまったく別のところでふたつ、衝撃を受けました。

ひとつは「宅配ピザ」の存在です。「ええーっ、アメリカってピザなんかまで出前してくれるの?」って、それはそれは驚きました。うどんとか親子丼とかじゃないんだ、すげえなアメリカ!って。

そしてもうひとつの驚きが「ハロウィン」なのでした。たぶん当時、ぼくはハロウィンのことを「町をあげての仮装パーティー」みたいなニュアンスで受け止めていたように記憶しています。


だからなんだろう、「ハロウィンなんて毛唐の文化に染まるとは何事じゃ」という意見もわからなくはないんですけど、あのとき目をキラキラさせてあこがれた宅配ピザも、言ってみりゃ「毛唐の文化」なんですよね。

宅配ピザをたのしむように、ハロウィンもたのしむ。それでいいんじゃないかと思います。