IMG_3420のコピー

羽田空港のロビーより。

いま、羽田空港のロビーでこれを書いている。

出張でもなく、遊び呆けるプライベート旅行でもなく、冠婚葬祭というわけでもなく、行き先は福岡なので帰省といえば帰省なのだけど、そこにあるプライベート旅行な感じとは趣の違う、なんとも説明のむつかしい飛行機にこれから乗ろうとしている。

それはそれで全然かまわないのだけど、屈折した自意識のせいだろうか。こうしたパブリックスペースで原稿を書くことに、ぼくは猛烈な羞恥の念を抱いてしまう。つまり、通りがかったどこかの誰かが「ふーん。忙しぶって、こんなところでお仕事ですか。そんなに忙しいんですか。どれどれ、なにをやっているのか覗いてあげましょう」とパソコン画面を覗き込んだとき、ワープロソフトにわけのわからん長文を書き連ねている姿を、ましてやブログなどというどうでもよろしい駄文を書き連ねている姿を見られることが、このうえなく恥ずかしいのだ。できればこういう場所で開くノートパソコンの画面には、CAD的な設計図であったり、英語のプレゼンシートであったり、New York Timesのサイトだったり、なんかそういう絵が映っていたほうがかっこいい。

あなたの開いたノートパソコン画面なんて、誰も覗かないよ。自意識過剰にもほどがあるよ。とやさしい方々は忠告してくれるだろうけど、それはウソだとぼくは思う。なぜなら、こういうパブリックスペースでパソコンを開いているビジネスパーソンを見ると、ぼく自身が横目で覗いてしまうからだ。「へえ、よっぽどお忙しいんですねえ」なんてゲスい目で。

と、普段はもう少し書く内容を考えたうえで書きはじめるのだけど、上記の理由によって一刻も早く書き終わりたいぼくは、なにも考えないまま、脳内に浮かんだことばを順にぱちぱち打鍵するだけのマシーンと化している。

そろそろ搭乗です。ああ、ほんとになんにも書かなかったな、きょうは。