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「これから」を変える2日間。

5月最後の金曜日です。

週末をはさんだ月曜日はもう、5月のつごもり。すなわち31日ということになります。毎月やってくるみそかの報せをわざわざここに書いているのはそう、バトンズの学校こと「バトンズ・ライティング・カレッジ」の応募締切が5月31日だからです。

すでに複数のご応募が届きはじめています。選考に公平を期すため、課題作文はまだ、ひとつも読んでいません。6月1日から順次、読み進めていきたいと思っています。職業や年齢その他の属性だけで弾くことはせず、すべての課題作文にしっかり目を通していきます。

ぼくは、かなり本気で今回の学校を、受講生の方々の人生が変わるような場にしたいと考えています。「人生が変わる」というフレーズは、いかにも自己啓発本っぽい大仰な文言に聞こえるかもしれませんが、「これからが変わる」と考えれば、なんら不思議のないことばでしょう。

で、もしも現在学校への応募を検討中の方がいて、その方がこの週末に課題作文を書こうと思っているのだとしたら、ある意味明日と明後日の2日間は「これからを変える2日間」になるのだと思うんです。もっと大仰なことばを使うなら「人生を変える2日間」になるのだと。

大変だと思います。頭をかきむしって、脳みそからぷすぷす煙が出て、胃袋が締め上げられて、ごはんも喉を通らないような2日間かもしれません。でも、そういう本気の明日と明後日を過ごせる人たちをぼくは、単純にうらやましいなあ、と思います。受け止めますよ、ぼくはその本気を。

2日間あれば、じゅうぶん書けます。たとえどれだけの数のご応募があろうと、下読みを誰かにまかせて自分は一部しか読まない、みたいなことはしません。すべてぼくが、目を通します。精読します。


最後に「そんなこと言っても、もう間に合わないよ!」と思われている方に、ぼくが大大大好きな小説の一節を紹介させてください。町田康さんの『告白』にある一節です。


"考えてみれば俺はこれまでの人生のいろんな局面でこここそが取り返しのつかない、引き返し不能地点だ、と思っていた。ところがそんなことは全然なく、いまから考えるとあれらの地点は楽勝で引き返すことのできる地点だった。ということがいま俺をこの状況に追い込んだ。"

町田康『告白』(中公文庫版758ページ)


仕事で追い込まれたとき、にっちもさっちもいかなくなって投げ出したくなったとき、尋常ならざるラストスパートが必要になったとき、ぼくはいつもこのことばを思い出します。


この週末で、「これから」を変えていきましょう!