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わたしがよく見る夢

心理テストなどでときどき「よく見る夢は?」という質問がありますね。

みんな「何者かに追いかけられる夢」とか「誰もいない崖の上で海を眺めている夢」とか、いかにも象徴的な、おもしろい深層心理が隠されていそうな夢の話をするものですが、残念ながらぼくはそういう夢はあまり見ません。「探していた靴下が見つかった」とか「きのうの発言が原因であのひとに怒られた」とか、きわめて即物的な夢ばかりを見ます。

それで、いちばんよく見る夢といえば、たぶん「寝る前に読んでいた本の続きを読む夢」です。

物語の主人公になって「続き」を体験するのではなく、ふつうに文字を追い、考え、ページをめくり、驚き、作家の才能に感嘆する、みたいな「読書」として続きを読む夢です。

それで目が覚めたとき、本をめくって「さっき読んだ話」が夢であったことを知り、「でもこれ、おれの夢のほうがおもしろくね?」などと生意気な感想を持ちつつ、ベッドから身を起こす。そしてよろよろトイレにたどり着くころにはどんな「続き」を読んでいたのか忘れる、というあんぽんたんをよくやります。

なので一時期、枕元にペンとノートを置いて、起きた瞬間に夢の内容を書きとめる、という習慣をつけようとしてたんですけど、そうやって意気込むほどにつまらない「牛乳の賞味期限が切れてた」とか「最寄り駅に急行が止まるようになった」とか、あほあほしい即物の夢しか見なくなるんですよね。


ちなみに締切前には夢のなかバッチリ原稿書いてます。もしくは「寝過ごして顔面蒼白になる」みたいな夢も、よく見ます。